神奈川県の「山の仲間 浮雲」の記録です


山行記録

谷川岳・一ノ倉沢烏帽子岩南稜

2015年6月20日



”馬ノ背リッジへ出ると一気に景色が解放され眼下にはクライマーと広がる雪渓、素晴らしい。”



 私の一ノ倉デビューは9月下旬の衝立岩中央稜である。 同ルートを下降し中央稜取付きへ戻った時には日が落ち始め、テールリッジの下降が夜間行動になってしまった。 その為、また近い内に一ノ倉を歩きたいと思っていた。 そんな時、GさんSさんが一ノ倉烏帽子岩南稜を計画している事を知り同行させて頂ける事となった。 Gさんは南稜から国境稜線へは抜けた事はあるが、 南稜登攀後そのまま懸垂での下降を経験してみたかったようだ。

 梅雨時期、山行日前より読めない天気予報が気になった。前夜雨の中を出発。 ベースプラザに到着しても雨は降り止まない。 翌日4時半にベースプラザを出発。雨は上がっているが、岩が登れる状態であるかは五分五分だと思った。 一ノ倉沢出合までに十数人パーティーを追い越した。 週末ということで沢山のクライマーが訪れているのではないか、と混雑を恐れた。


 一ノ倉沢出合に到着。いつもの迫力ある衝立岩はガスの中でテールリッジは下部までしか見えない。 雪渓が少し急になる手前でアイゼンとハーネスを装着した。雪渓がある時期はテールリッジまで楽に取付け快適だ。 テールリッジからは雲が急速に上がり始め天気が回復していく、迫力のある衝立岩が全貌を現し、緊張感が高まった。 それと同時にテールリッジもそこまで悪くなく岩の状態もこれなら登れそうだなと、安心感も得た。 ここで先行の四人パーティーを抜かし、南稜テラスに一番乗りで到着した。

 一息入れ登攀準備を始めた時、Gさんより「南稜デビューなので全ピッチリードでどうぞ」と告げられた。 初見である為その言葉に少しだけドキッとしたが、 前々からリードで登ってみたい気持ちがあった為、内心とても嬉しかった。


 7時登攀開始。ルートは少し濡れていて慎重にロープを延ばした。 1P目はチムニー下部でロープの流れを考慮してピッチを切った。 2P目チムニーは濡れていて苦戦するも上部へ上がる。3P目徐々に岩も乾き快適なフェースになった。 草付きを歩き、4P目威圧感のあるハングを左に避け直登するとすぐに支点。 5、6P目馬ノ背リッジへ出ると一気に景色が解放され眼下にはクライマーと広がる雪渓、素晴らしい。 思わずカメラを取出し写真に収めた。広いテラスから見上げる最終ピッチ7P目、 あれ?どこも濡れている?核心ピッチだけに慎重に登るA0してしまったが、なんとか終了点まで。 10時後続を迎え、固い握手を交わした。 終了点へ着くと烏帽子岩の形が親指を立ててグッドジョブと言っている様に見えた。

 ここからは6ルンゼを懸垂で下降したが、 どこでピッチを切るかなど下降は自分で思っている以上に時間が掛るものと改めて認識した。 テールリッジでも数ヶ所安全にとロープを出し下山した。 一ノ倉沢出合へ着き振り返ると迫力のある景観、さっきまでにあそこに居たんだなと思いながら充実感に浸った。 次は国境稜線を歩こう。

 日々、ゲレンデ等で練習は欠かせないと思うが、本番ルートでのロープの流れや 支点の作成、懸垂下降など中々ゲレンデ等で習得する事は難しい事もあるので、 もっともっとアルパインルートへの経験を積みたいと思った。
(H記)

5月2日 天気:くもり
ロープウェイ駅4:35〜5:15出合〜5:45テールリッジ下〜6:25中央綾基部〜南稜(7:05〜9:50)〜 6ルンゼ下降〜11:30南稜テラス〜13:50出合

メンバー:G、S、H