神奈川県の「山の仲間 浮雲」の記録です


山行記録

黒部・丸山中央山稜

2015年5月5日〜6日



”雪壁のルートを慎重に判断し最後に長めの雪壁トラバースを経て直上するとJP”



 GWの山行をどこにしよう。やはり雪が残っている間は雪山へ行きたい!と 考えていたその時、Uさんより丸山中央山稜へ行かないか。と声を掛けて頂いた。 アルパインの経験をたくさん積みたいと考える私はルート等を確認し立山に突き上げるこの尾根に魅力を感じた。 丸山中央山稜は黒部丸山から富士ノ折立へと延びる山稜である。今回は御前谷乗越の直下、内蔵助平から取り付く計画とした。 今年は例年に比べ降雪量は多かったが、融雪が早く残雪期の雪量が心配だった。

 GWも後半、扇沢駅は始発のトロリーバスを待つ多くの観光客で賑っている。 黒部ダムへ降り立ち準備を終え、ダム登山口からすぐに残雪を利用して黒部川まで下降することができた。 壊れかけた橋で左岸へ渡り黒部川を歩き始めると、 渓谷がとても美しくスケールの大きさに圧倒されアルプスへ来た事に改めて実感する。 内蔵助沢出合からさらに行くと大きな岩壁が現れる丸山東壁である。 いつかこの壁を登れるのであろうかと思いつつ東壁の前を通り、 左に屈曲する沢筋を追い最後の急登を登ると内蔵助平へ出た。 うっすら残るトレースも内蔵助平まで。ここからは、どっぷり山の中である。 広い雪原帯から御前谷乗越まで暑さの中ひたすら登るが、少し歩いては少し休むというのを繰り返す。 とにかく全くペースが上がらない。

 御前谷乗越へ登りつめた瞬間から、後立山、別山と一気に山々に囲まれペースは上がらないがテンションは上がる。 段々と雪が腐ってきた歩きにくい。ここから藪こぎを交えながら気合いで320m程の登りを経て内蔵助峰へでる。 あとは少し下降し内蔵助乗越付近に幕営。 ここまで来ると核心部のルートが一望でき、その山の迫力が一瞬自分を弱気にした。 案の定、上部はブッシュが出ており明日に備えルート読みをしながら早めに就寝した。


 翌朝5時出発。コルから始めは緩いが段々と傾斜が増してきたアイゼンはしっかりきいている。藪漕ぎも繰り返す。 ブッシュ、雪壁のルートを慎重に判断し最後に長めの雪壁トラバースを経て直上するとJP。 JPからは岩稜と雪のミックス帯でルーファイのミス、間違えは許されない所。 難しくはないが疲れた体と全荷なのでかなり慎重になってロープを出し、6P程で富士ノ折立へ立った。 ピークに立ちUさんと固い握手を交わす、久しぶりに何とも言えない感情になった。

 ここからは登山道と合流して安心感が生まれるが油断は禁物、事故は大抵こういう時に起こる。 雄山まで行くと多くの登山客、一ノ越ではスキーヤー、室堂では多くの観光客に会ったが、 登山道へ出るまでは人に会わず静かな山でトレースもなくその分、自分達でつくりだす山が楽しめたと思う。 今回の山行で、雪の状態を判断しながらの行動やルーファイの難しさを痛感しとても良い経験となった。

(記事:H)


5月5日 天気:はれ
黒部ダム8:00〜9:15内蔵助沢出合〜11:30御前谷乗越取付〜12:50御前谷乗越〜 14:30内蔵助峰〜15:30内蔵助乗越TS

5月6日 天気:はれ
TS5:00〜7:20JP〜10:40富士ノ折立〜11:50雄山〜12:30一ノ越〜13:15室堂

メンバー:U、H