神奈川県の「山の仲間 浮雲」の記録です


山行記録

八ヶ岳・ジョウゴ沢(ナイアガラの滝)

2015年2月20日



”深いラッセルで予想した時間よりだいぶ遅れてナイアガラの滝に着いた”



 ジョウゴ沢には何度も入っているが、昨年始めて上に抜けた。 しかし3月下旬という時期はアイスクライミングを楽しんで上に抜けるというルートではなかった。 天気に恵まれてジョウゴ沢の開放的な雰囲気を満喫できた山行だったが、 やはり氷が残っている時期に再訪しようと思っていた。 そのような時にアイスクライミングを始めたばかりのHさんから上に抜けるアイスクライミングに行こうと誘われた。 今回は大滝経由ではなくナイアガラの滝経由で硫黄岳に登ろうという計画にした。 ジョウゴ沢という人気ルートを静かに味わいたいと平日山行とした。

 美濃戸までの悪路の運転を避けるために今回は美濃戸から歩くつもりだった。 前夜に美濃戸口の駐車場に入り車中泊した。 圏央道が延伸して神奈川県から八ヶ岳は時間距離がぐんと短縮され、 集合場所の海老名から2時間ほどで登山口に着ける。 美濃戸口ではは風もなく星が見える天気で寒さも厳しくなかった。

 駐車場を暗いうちに出発するが、すぐに灯は不要となる。 美濃戸への道はアイスバーンはなく終始圧雪された道だった。 平日で時間も早いためか美濃戸には数台の車しかなかった。 美濃戸からは雪上車の跡もなかった。 美濃戸口では暖かさを感じたが、標高が上がるとさすが八ヶ岳で寒い。 ヒゲが氷づけになり、薄めの手袋の指が冷たく感じた。 久々の歩きに体が重く、予想時間を過ぎて赤岳鉱泉に着いた。

 赤岳鉱泉のアイスキャンディ脇の小屋で登攀具を出した。 金曜日なのでジョウゴ沢のトレースの有無が気がかりだったが、 途中で会ったアイスクライマーらしき登山者と立ち話でジョウゴ沢に入っている人がいると聞いた。 はっきりとした歩き易いトレースを辿り、F1で数人の登山者を抜いた。 F1は雪に埋まり、初めての人にはここがF1とは気づかないだろう。 そしてF2に着くと数人がトップロープを張っていた。 F2の氷はかろうじて残っている程度で、トップロープが張られたルートは水流が透けて見えた。 もうF2のシーズンは完全に終わったようだ。 私たちはトップロープの左側の凹角から上に出た。

 ここからはトレースがなく膝近いラッセルが続く。 時々雪を踏み抜いて穴からの脱出に根負けしそうになる。 目の前に見えるゴルジュが遠かった。 ゴルジュでは大きな穴を空けてしまい恐い思いをしたりした。 ゴルジュを途中まで登ると乙女の滝が見える。 はじめてのHさんは出会に感動していたが、何度も来ていてもこの突然の出会はよい。 遠くに大滝が見えるあたりで本流から離れてナイアガラを目指す。 出だしに小さな氷があり、その氷はものすごく硬かった。 そしてまたラッセルでやっとナイアガラの滝に着いた。疲れた。 ここまで登ると阿弥陀岳から赤岳の展望が開けるが、時々雲に隠れるような天候だった。

 計画は稜線に抜けるつもりだったが、ここで敗退案を出した。 とりあえずナイアガラの滝を登ってからと荷物を滝の下に置き空身で登って、 その後で上を目指すかを決めることにした。 当初は口には出さなかったが私がリードするつもりだった。 ところがロープを出している時にHさんが「登っていいですか」と言った。 「どうぞ。慎重に」と言うと、彼はリードでスタートした。 垂直だが高さのない滝を小刻みにスクリューを入れて抜けた。 アックステンションの連続だったが、山では安全が最重要だ。 そして私も空身で登った。 さてこれからどうしようかと相談する。 ところが荷物を持ってもう1回登る元気がなく、ここで往路を引き返すことが決定した。 ここまで深いラッセル等で時間もかかり、稜線までは近いが雪も深くまだ時間はかかりそうだ。 残念な気持ちもあるが敗退は妥当な結論だろう。

 今日は寒気が去りつつあるという天気予報だった。 朝のうちは寒かったがジョウゴ沢に入るころから暖かくなった。 日差しも強く、もう春が近いことを実感した。 誰もいないジョウゴ沢は本当によいところだと思う。 登りでは苦労した道も下りは楽でトレースを忠実に戻って鉱泉に簡単に下れた。 鉱泉からの下りでは入山してくる多くの登山者とすれちがった。明日は休日である。 やはり八ヶ岳のこのエリアは平日に限る。 思ったより短時間で下れ、帰路に河原奥の氷瀑を偵察した。氷は小さかった。


(記事:S)


天気:はれ
美濃戸口5:30〜8:25赤岳鉱泉8:55〜9:25F2下〜 11:00ナイアガラの滝12:00〜12:50赤岳鉱泉〜河原奥の氷瀑〜15:00美濃戸口

メンバー:S、H