神奈川県の「山の仲間 浮雲」の記録です


山行記録

残雪と新緑の越後駒ケ岳

2015年5月8日〜9日



”残雪と新緑の尾根を道行山へと登ると越後駒ケ岳の全貌が見えた。山頂は遠い。”



 今年はGWの前後に山に行き、GW期間中は混雑を避けて近場だけにするつもりだった。 そしてGWあけには2泊3日の北アルプスを予定していた。 今年のGWは近年まれに見るような連日の好天で気温も高かった。 記録的な高温は急速な雪解けを促し、雪稜ルートは藪が出てしまったと聞いた。 しかし後半になると週間予報に雨マークが現れだした。 山は天気のよい時に行きたいという気持ちはメンバー全員に共通していて、 結局1泊2日に短縮して、天気のよい日を選んで別の山に転進することになった。

 今年の春山はなんだか名山巡りのようになってしまった。 上州武尊山、浅草岳、会津駒ケ岳、燧ヶ岳と登ったが、いずれも好天に恵まれ、山頂からはすばらしい展望が得られた。 その中で越後駒ケ岳は堂々とした山容で存在感を示し登高欲をそそられた。 そのようなこともあって、転進先に越後駒ケ岳を選んだ。 越後駒ケ岳は今回とまったく同じメンバーで4年前の紅葉の時期に登ったことがあった。 雪の季節に登るのも新鮮と考えての決定だった。

 越後駒ケ岳は日帰りもできる山だが、なにしろ長い。 登山地図によると、銀山平からは行きが7時間で帰りが5時間半だ。 枝折峠への道が閉鎖されているこの時期はなおさらだ。 それなら無理に日帰りにせず、山の中で1泊しじっくりと山を味わうという選択をした。 登路は銀山平からとした。春の銀山平を訪れるよい機会ととらえた。

 さすがに5月で、清水トンネルを抜けた土樽あたりでも雪はすっかりなくなっていた。 しかしシルバーラインの長いトンネルを抜けて銀山平に入ると景色は一変し雪の中となる。 木々の新緑は瑞々しいというより力強い勢いを感じた。 周囲は雪の壁となった駐車場に車を停めて北ノ又川の上流方向に向かった。 そして柳沢出合から夏道のある急な尾根に取り付いた。青空にブナの新緑が映えていた。 気温は高く汗ばむころに白沢との境界尾根に出た。 この尾根をしばらく辿ると雪が切れ、夏道を歩きようになった。 後で地元の人に聞くと、この尾根は雪がつきにくいそうだ。夏道はイワウチワの花が咲き始めていた。 そしてコブシ(タムシバかも)の花も季節を感じさせる。 そしてシャクナゲが早くも咲いているのには驚いた。花もよいが、なによりも雪とブナの新緑との競演が素晴らしい。

 道行山が近づくと、やっと尾根の傾斜が緩んだ。そして前方に駒ケ岳の全貌が見えるようになった。遠い。 それでも歩けばいつかは目的地に着くのが山だ。新緑は小倉山付近までだった。 小倉山から続くだらだらとした道を歩く前駒ケ岳への急な登りとなる。 その直前の平坦な広い尾根にテントを張った。時間は頂上往復にも十分だったが、のんびりと過ごすことにした。 登山者の姿もなく、風もない。ウグイスの鳴き声にのどかさを感じる。 時として聞こえるブロック雪崩の音が残雪期の山らしい。 こんな時間を過ごしていると、つくづくテント泊にしてよかったと思った。

 テントの中に入らずに、外で水を作っていると、6人が降りて来た。 今日初めて見る登山者だ。彼らは小屋開け作業を終えて小倉尾根を駒の湯に降りるところだ。 小屋には一人残り、今日が実質的な小屋開きという。彼らが去ると、もう登山者は我々だけだった。


 1日目はよく晴れた1日だったが、2日目は空は雲に覆われた。 しかし視界はよく、駒はもちろん周囲の山も見えていた。テントから急な登りとなる。 雪は早朝にもかかわらずグサグサだ。目の前の前駒がなかなか着かない。 前駒で一息ついて、このコース一番の急な雪面を登ると駒ノ小屋だった。 小屋の周囲には雪はなく、小屋の前の水場にはホースから水が勢いよく出ていた。 すぐに小屋番氏が出てきてしばし会話した。ゆっくりしてという言葉をさえぎるように頂上に向かった。 頂上は雪が消えていた。風もないがベンチに座っているとさすがに少し肌寒い。 誰もいない静かな山頂を味わって下山に移った。 小屋からの下り始めは急なのでピッケルを用意したが、雪は柔らかく、ストックでも問題なかった。


 思ったより短時間で山頂が往復できたので、のんびりと熱いコーヒーを飲んだりしてからテントを撤収した。 小倉尾根からのルートは小刻みにルートを示す赤旗が立っている。 銀山平からのルートは赤テープ類も少ない。 小倉山から銀山平へのルートは道行山あたりでガスると解りにくい箇所もあるので注意が必要だ。 小倉山を過ぎると2パーティーほどの登山者が登ってきた。今日は土曜日だ。 そして小雨が降ってきたが、風もなく暖かいので雨具は出さなかった。 視界もよく、まだ駒ケ岳が見えていた。気温が高いので行きのトレースはほぼ消えていた。 北ノ又川に下り立つと、やや雨が気になりだしたので雨具の上を着た。 時々ルートをはずしたが昼前に駐車場に着いた。 ここからは日帰り温泉施設の白銀の湯まで1分もかからない。 湯船からは越後駒ケ岳や中ノ岳が眺められるのだが、霧が出て残念ながら見えなかった。
(記事:S)


5月8日 天気:はれ
銀山平7:00〜8:20柳沢〜10:35道行山〜12:35百草の池BC

5月9日 天気:くもりのち小雨
BC5:05〜6:15小屋〜6:40山頂〜7:40BC8:25〜10:40柳沢〜11:40銀山平

メンバー:O、S、F