神奈川県の「山の仲間 浮雲」の記録です


山行記録

丹沢・白石沢

2014年7月2日



”懸垂下降中に見た白石滝の上部”



 西丹沢の白石沢はベスブ石や大理石などを産することで知られ、 地質学的に貴重たために県の天然記念物として地域指定されている。 私はこのことを登山を始めたころから知っていて興味を持っていた。 大理石の滝として知られる白石の滝も登山道から垣間見ることは何回もあったが、滝を間近で見る機会はなかった。

 白石の滝はちらっとだが登山道からも見え、 大理石の滝という引きつめるものを持っていながら訪れる人は少ないようだ。 登山道からはロープがないと近づけないような急斜面で隔てられているし、 沢からの接近も越えにくい滝があって容易ではない。 私の山仲間がかって白石の滝を登攀したが、登攀も困難だがその下の滝で苦労したという報告を憶えている。


 少し前から白石沢を遡行しようと考え出した。 標高差たった200mの短い区間だが、白石の滝前後にはいくつかの滝があり、遡行価値があるように感じていた。 記録を調べると白石の滝の下部の滝に苦労しているようだ。 登れないし巻くと大高巻きになってしまう。これが遡行者を少なくしている理由のようだ。 そこで遡行でなく下降の計画をたてた。 同行者のOさんは新しい懸垂下降システムを試したかったようで、 またHさんは付近の地質に興味を持ったようだ。

 用木沢出合は平日にはかかわらず、やっと駐車スペースを確保できた。 出発の仕度をしている人と会話すると、ケイワタバコの花を見るのが目的のようだった。 白石峠への登山道は沢沿いということもあって涼しく歩き易かった。 ちょうど1時間ほどで白石滝(大理石の滝)という看板ある地点に着く。 ここからは滝の全貌は見えないが、滝は2段となっているのが判る。 ここから5分ほどで道は白石沢を横切る。 ここで沢装備になった。

 沢を下るとすぐに小さな滝があり、この小滝は簡単に降り、この下に5、6メートルほどの斜瀑がある。 この滝は巻き下れるように見えたが、練習のために懸垂した。 そしてすぐに白石滝の落口である。岩床はややヌメリがあるので右岸の樹林に入って滝を観察した。 右岸は安定した樹林で歩いて降りられそうだが、滝を見るために水流に近いラインを懸垂することにした。 今回は30mロープを2本用意していた。 ダブルでセットしたが、ロープ半分強で滝の中段に下りれた。 中段のテラスは広く、滝見によい場所だった。 水流は2条となっていて、右側は幅広い簾状で優雅な姿だ。 左側は幅広いクラックに水が流れている。 登るとすれば左側がルートになるが、かなりのシャワーを浴びる。 記念撮影に興じて下段を降りた。 上段20m、下段10mといった感じだった。 大理石の滝と言われているが、真っ白な滝を期待しているとがっかりする。 岩はヌメリもあってか黒っぽい。

 その後3っか4っの滝があり、そのうち2箇所は懸垂で下った。 最後の滝は10m近くあった。 そして問題のF1である。 この滝は20mと言われているが、大きく感じ両岸が岩壁となっている。 落ち口に至るまでにはナメ状になっている。 右岸はまったくルートにならず、左岸は途中まで傾斜が緩く、左岸を2度の懸垂で降りることにした。 まず緩い泥壁を少し登り立ち木を支点にして、20メートルくらい斜め懸垂で岩壁上の大木下についた。 ここが1段目の落ち口あたりだった。 ここからは30mロープで下の河原に下りれそうだった。 このピッチではロープで大きな落石を起こしてしまい、危ない場面もあった。 下降を終えて下からF1を眺めると迫力では白石の滝より上だ。 右側の急なルンゼが巻きのルートになるかと思ったが岩が非常に不安定だった。 巻きは大高巻き必須である。 これで白石沢の下降は終わった。 あとは小さな堰堤を3個下るとザレ沢が合流し、左手に登山道があった。 終わってみて、遡行でなく下降でよかったと思った。 遡行すれば巻きが多くなってしまい、滝の鑑賞には不向きと思った。
(S記)


天気:はれ
用木沢出合8:20〜9:25白石沢入渓点〜12:00ザレ沢出合13:00〜13:50用木沢出合

メンバー:S、O、H