神奈川県の「山の仲間 浮雲」の記録です


山行記録

冬の丹沢・鈴川水系大山川

2013年1月3日



”水が涸れた滝は吸い付くようにフリクションが効いて快適だ”


 年明け最初の山行は近場のアイスクライミングへ行く予定でした。 しかし、年末にまとまった雨が降ってしまったため、計画していた沢は氷が貧弱になってしまったようです。 その山行計画は中止となってしまったので、大山へ突き上げる急峻な沢・大山川へSさんと向かいました。 冬の大山川はアイゼントレーニングの場となっていますが、今回は年明け早々から沢靴での沢登りです。

 朝は8時前頃に駐車場へ到着しましたが、すでに第一駐車場は満車。少し下の駐車場へ車を置いて参道を歩き始めました。ヒンヤリとした空気の中、朝の参道はまだ人がまばらで店も準備中で静かでした。ケーブルカー駅ではハイカーと参拝者が混じり多くの人が列を作って並んでいました。私はいつもケーブルカーを使用してしまうため、今回は初めて女坂からてくてくと歩いて下社を目指しました。 女坂は緩いといっても階段ばかりで体に応えます。 女坂の山道は「女坂の七不思議」があり、弘法の清水、子育て地蔵、爪きり地蔵、逆さ菩提樹、無明橋、潮音洞、眼形石、 と7つあります。ひとつひとつを改めて見ながら登って行くと、大山寺では鐘と祈祷が鳴り響き正月らしい雰囲気を感じました。

 8時半過ぎ下社に到着。ここから10分程度で二重滝へ到着。 大山川の下流は水が豊富ですが、通常ここからが沢登りの遡行対象のようです。 二重滝は巨岩が上と下で2段に別れ流れ落ちる滝で、上部で突如水が湧き出ており、修験者の禊の場でもありました。 と案内板にあります。二重滝の傍らには竜神が祭られている祠があり、ここで沢支度をしていると年配の二人組みがやってきました。 今日は誰にも会わないだろうと思っていたのですが目的は一緒でした。

 9時頃遡行開始。二重滝は左岸からも登攀することも出来るようですが、 私達は右岸から中間でピッチをきって上部は巻くように越えます。 久しぶりの沢靴に違和感を感じながら、落ち葉がこんもりとした右岸の緩いところから登ります。 浮石も多く、後続パーティーに気をつけて緊張しながら登りました。

 二重滝上からは水は消え、滑滝を越え7m滝を快適に登ると小滝が続きF4の5mハング滝へ到着。 ここは少し難しいですが私はリードに挑戦しました。残置スリングとハーケンがあります。 気合を入れて取り付いてみたら手がかりがありません。残置スリングを使用してなんとか越えることができました。 登り始めは岩に触れる手が冷たく感じましたが、このころには冷たさを感じなくなりました。

 その後も2段4m滝を快適に越え、倒木のかかる2条8m滝に到着。 左岸に倒木がかかり倒木の右側のグズグズの斜面にトラロープが垂れています。 私達は倒木の左側から滝に取り付きました。登ってみると階段状で快適に越えられました。 しかし、高さがあるのでロープを結んで登り、滝上には確保支点はないので岩で確保を取りました。 続く10m滝も快適な岩登りで越えますが、ここもそれなりの高さがあるのでロープは結びました。

 その後はザレが続き10時半頃 二俣に到着。 右俣へ入ると谷間が少し狭まりステミングで越えたり、倒木がかかってる場所を通過したりしてトイ状7m滝に到着。 ここは少し水が染み出しており、出だしの下部は足をかけると滑ります。 残置ハーケンとスリングがあるのでそれらを使用し、体ごとズリズリとつっぱりながら越えました。

 標高1000m付近でまた沢が二俣に分かれ、右に進路を取りました。ガレをしばらく歩くと7m程の脆い滝が出てきました。 トップが登っていると足を乗せた岩がボロッと崩れ落ちました。 私も実際に取り付いてみると掴んだホールドがポロポロ取れ岩が浮いています。 早く登り終えたい一身で慎重に大丈夫そうな所を選んで登りました。ここが一番緊張し、ホッと安心した場所でした。

 その後は落ち葉とガレで急峻に沢を登りCS滝をステミングで越えます。 11時半過ぎ標高1100mあたりで出てきた滝を登るの避け、左からトラバースし尾根にそのまま乗って詰め始めました。 寝正月だった怠けた体にはキツイ登りでした。けもの道で鹿の足跡が目立ちますが道はしっかりしてました。 しかし、途中で崩壊地が現れ、慎重にトラバースすると少し岩稜地帯が続き樹林帯に戻りました。 後ろを振り返ると景色が素晴らしかったです。無心にひたすら上を目指して急峻な斜面を登ると人の声が聞こえてきました。

 12時15分頃登山道へ到着。 10分程度歩いてにぎやかな大山の山頂へ到着し、沢装備を解除していると雪が降ってきました。 空気はヒンヤリしており風邪を引かないようにヘルメットからニット帽に替え、沢山の参拝者で行き交う登山道で車まで戻りました。

 まさかの年明け最初に沢登りに行くとは思わなかったですが、よいお天気で真冬の沢登りを楽しみました。 岩が脆い箇所もありますが、全般的には岩はしっかりとしていて快適です。 途中の2条8mの滝の所で単独の男性に先導を譲りましたが、 彼はクライミングシューズで登っていて、「楽しいですね!」と言う笑顔が印象的でした。 大山川の冬は水が涸れてしまうのでクライミングシューズでも十分楽しめる場所だと思います。 そして沢登りの形式に囚われず、それぞれの登り方が楽しめる沢でもあると思いました。
(I記)


天気:くもり
駐車場8:00〜8:45二重滝〜11:30尾根へ〜12:20大山〜14:20駐車場

メンバー:S、I(山の仲間 浮雲)