神奈川県の「山の仲間 浮雲」の記録です


山行記録

尾瀬 片品川流域・根羽沢湯沢

2013年9月19日〜20日



”谷は明るく開け、沢幅一杯のナメが続く”


  私は現在尾瀬で勤務中の身で、仲間との山行があまりできません。 8月にはSさんが沢登りに檜枝岐村まで来てくれました。 その山の後でSさんは今度は片品川方面の沢へなら9月に同行しても良いと話をしていただきました。 そのような経緯から沢登りの計画を考えていました。

 9月の半ばの尾瀬の沢は「そろそろ寒いだろう」と思いながら、 借りていた「帝釈山脈の沢」という本の中からあまり濡れない沢を探し出し、いくつか提案をしました。 Sさんから「根羽沢湯沢にしませんか?」と逆に提案されたので、 注目していなかった沢だったが記録を見ると良さそうなのでまず湯沢が決まりました。 休暇は湯沢に行く日の前後半日です。 1日目はベースキャンプまで、2日目は湯沢、3日目はセンノ沢を歩く計画としました。

 片品川は大清水からで中ノ岐沢と根羽沢とに分かれます。 湯沢は根羽沢流域の沢で、物見山への登山道と平行して物見山へ突き上げている沢です。


 1日目の午後に大清水でSさんと合流しました。 台風の後ということもあって水量は多目です。ただ遡行が困難というほどではありません。 根羽沢沿いの林道を30分ほど歩くと物見橋のかかる大薙沢出合で、林道はここまでです。 平らで広い芝生の広場となっています。 根羽沢鉱山跡らしく、背後にはその名残らしき岩が山積みされてました。 明るく開けていて沢にも簡単に降りれて絶好のキャンプサイトでした。

 到着時刻が早過ぎたので大薙沢を少し歩いてみようと言う話になりました。 大薙沢に入り、ゴーロを50m程度歩くと正面に綺麗な釜を持った8m程の斜滝が現れます。 逆層となっているのでロープを出して越えました。 すぐ4m程の滝が現れます。 その上には鉱山で使用したと思われる線路の名残りが森と共に同居しておりなかなか良い景観でした。 ここを越えると美しいナメ主体の渓相となります。木漏れ日に水面がキラキラしてきれいでした。 大薙沢はやがて二俣となりますが、今回は二股の少し手前で引き返しました。 青白い岩質が水の透明度をアップさせ、 沢は明るく、綺麗なナメ床を堪能出来て短時間の遡行でしたが来て良かったと思いました。

 キャンプサイトに戻って、焚火を使って早目の夕食を済ませました。 暗くなるまで焚火を囲みましたが、暗くなると気温が下がり、寒くなったので寝袋へ入りました。 夜露の降りた星空の中、寝ていると満月の月明かりの明るさで目覚めましたが明日の為にそのまま眠り続けました。

 翌日はやっと明るくなった5時少し前に起床。すぐに焚火を囲みました。 簡単な朝食を食べ、支度を済ませて物見山への登山道を歩きました。カラマツ林がきれいです。 湯沢に沿った登山道を15分程度歩くと、登山道は大きな丸太橋で湯沢を横切ります。 ここから湯沢の遡行開始です。

 入渓点からは前衛の2m程の滑滝の奥には7m程の直瀑の滝が見えます。 滝は右岸から小さく高巻き、沢へ降り立つとすぐに記録で見たゴルジュが現れました。 ゴルジュの奥には8mの滝があり、手前は綺麗の淵となっています。 滝に近づくと淵が深く、写真を撮って引き返しました。 このゴルジュは左岸を巻きました。 その後も小滝が出て来て、楽しい遡行が続きます。 周囲が開け、幅の広い綺麗な滑床が続くようになるとカラノマタ沢出合です。 これからつめる左俣も右俣のカラノマタ沢も低いナメ滝が連続しています。

 出合いの滑滝を越えると、また幅の広い綺麗な滑床が続きます。 このあたりが湯沢で一番素晴らしいところではないでしょうか。 ミニゴルジュが現れ4m滑滝を越えると、またまた開けた滑床が現れ、50m程気持ちのいい滑床歩きを堪能しました。

 小滝やガレを越えて行くと沢は1510mで水量比1:1の二俣になります。 ここは左俣に進路を取り、少し歩くと柱状節理の苔生した斜滝が出てきました。 ここも気持ちよく越えて行き、沢は源頭部らしく倒木や藪が出てきました。 沢幅も狭まってステミングで越える場所もあり、水量は減ったものの沢はまだまだ楽しませてくれました。

 そして標高1700mの奥の二俣に到着。 目指す左俣は急なルンゼとなって難しそうに見えます。 近づけば階段状で見た目より難しくありませんでした。 それでも石が浮いていたりと不安定で、安全のために何回かお助け紐を出しました。 次第にガレと倒木のクライミングといった感じとなり、水もキンキンに冷たえきました。 呼吸を整えようと立ち止まり、後ろを振り返ると眺めが良く武尊山が見えました。 ひと時のホッとした瞬間でした。

 所々で藪となった、倒木の多いガレたルンゼを登り詰めると目の前が笹藪に覆われました。 ここで水は完全に消えました。標高は1800m地点です。 物見山まで300mもあるので、左岸の山腹から登山道に出ることを考えました。 都合よく笹の中に溝がありました。 この溝を少し進みましたが前方に岩壁が現れ、この試みはあきらめました。 やはり忠実に本流をつめるのが正解のようです。 沢型は小さく残っており思ったより楽でした。 そして物見山から南に延びる道のない尾根に出ました。 ここから物見山の登山道まで完全な笹の藪漕ぎ開始です。 背の高い笹藪はしなりが良く、Sさんに言われピッタリくっついて藪漕ぎをすると楽でした。 しかし私は最近体調が不調気味だった事もあり、何度も引き離されました。 そして尾根の傾斜が緩むと物見山の山頂へ飛び出しました。

 時間にまだ余裕があったので鬼怒沼湿原まで足を延ばす事としました。 鬼怒沼は日本一標高の高い湿原だそうで、池塘もいくつか点在し、木道の先に日光白根山がよく見え気持ちの良い湿原でした。 ここで装備を解いて少しゆっくりし、急な物見新道でテントサイトまで帰りました。

 下山の途中で翌日のセンノ沢は私の体調不良のために中止と決めました。 テントサイトで早目の夕食を食べてから、物見橋を後にしました。
(I記)


20日 天気:はれ
大薙沢出合BC6:20〜7:20カラノマタ沢出合〜8:00二股(1510m)〜8:40二股(1700m)〜9:40藪へ〜 10:40物見山〜11:00鬼怒沼〜物見山12:10〜14:00BC

メンバー:S、I(山の仲間 浮雲)