神奈川県の「山の仲間 浮雲」の記録です


山行記録

奥秩父・赤ノ浦川ホトケ沢

2012年9月9日



”1480m二股では滝となっている左俣を選んだ”


 夏の計画として本当は谷川岳の沢へ出かける予定でした。 谷川岳の天気予報は生憎の悪天候で代案の沢へ計画を変更した矢先に天候が変わり、 関東地方も雨かと思われた天気予報でしたが当日はいいお天気で沢を遡行できました。

 笛吹川流域の赤ノ浦川は上流で滝ノ沢とホトケ沢に分かれる沢です。 ネットで調べてみると滝ノ沢への遡行記録は多いのだが、ホトケ沢への記録は少ないです。 2ヶ月前にSさんと、Fさんは滝ノ沢へ遡行しており、滝ノ沢は滝が沢山出てきて楽しかったと聞いていました。 滝ノ沢のような感じを抱きながら今回、気になっていたホトケ沢を遡行してみる事となりました。

 前夜集合で奥秩父を目指し車を走らせます。 道の駅『まきおか』にて車中泊をし、翌朝6時頃大嶽山那賀都神社の駐車場へ到着。 民家の中を通過して大嶽山那賀都神社への参道へ入ります。なかなか面白いアプローチです。 参道を歩いてると信仰の厚い神社なのか?と思う雰囲気で、どうやら1300年の古い歴史のある神社のようです。 沢沿いに作られた参道をてくてく20分歩くと鳥居や天狗が私達を出迎えてくれました。 神社の裏に続く道を辿り鹿柵の扉を越えて先へ進むと大きな堰堤が2つ出てきました。 2つ目の堰堤の前で沢支度をし堰堤を越えて下りた場所は広い砂地の広がった場所で、白い砂と穏やかに流れる水が綺麗でした。

 滝ノ沢出合までは単調なゴーロ歩きとなり、沢沿いには明瞭な踏跡があったり、沢を渡る為の丸太がかかっていたりしました。 やがて大きな堰堤が出てきます。左側から越え少し歩いた先で沢が二俣に分かれました。 滝ノ沢出合に到着です。 神社から出合までちょうど1時間程度でした。

 右のホトケ沢へ進路を取ると階段状の滝とナメが出てきました。 水流の中であればアクアステルスでのフリクションは良く快適に滝を越していきます。 ホトケ沢に入って30分程歩くと1つ目の堰堤が出てきました。 その後2つ目の堰堤まで10分程で到着。どちらも左から越えられました。 堰堤から更に20分程歩くと沢がガレと倒木で埋まっている場所に到着。 ここは長めに沢を巻いて行きます。踏跡もしっかりとあったので分かりやすかったです。 沢へ下降するとナメの上に降り立ちます。 そして、すぐ目の前に3mくらいの滝が現れ越えると空が開けた場所に出ました。 上を見上げると林道が作られており、土砂が流れて沢はガレで埋まっていました。 よく見ると上には落ちてきそうな不安定な大岩が見えたのでここは足早に通過します。

 ガレ場を越していくとホトケ沢での唯一の大滝に到着。高さは20m程で登れそうにない滝です。 この大滝がある場所が1480mの最初の二俣でした。 大滝は左から巻きながら急な斜面を登って行くと大滝の落ち口に下りれました。 落ち口に下降するのに少し危ないのでここでお助けロープを出して安全に通過すると、目の前にクレーン車が見えました。 どうやら沢が分断されています。 急に現実に引き戻された感じがしましたが、工事現場を通過すると奥秩父らしい深い森の雰囲気を取り戻しました。 すぐ出てきた滝は堰堤かと思うような1枚岩の滝でした。 ここを左から巻き上がるとすぐナメと小滝が出てきました。 その後も滝は快適に登れ、このあたりから水の冷たさを感じました。


 大滝から20分程で1580mあたりの奥の二俣に到着です。ここも進路を左に取ります。 この後のつめ上げは牛首への登山道、1970mあたりの鞍部へつめ上げる予定です。 奥の二股まではなだらかに沢を歩いてきましたが、二俣から先は苔むした岩がゴロゴロした斜面を足を上げて登って行きます。 源頭部の奥秩父らしい雰囲気で癒されますが疲れます...。(苦笑) 緑の絨毯のような苔とキオンが群生した場所があり黄色が緑に映えて綺麗でした。 この辺りで丁度標高が1700mでした。

 一旦休憩をしてから登山道へ向けて真西に藪を漕いで行きます。 岩がゴロゴロした場所と背丈の低い笹が茂った斜面を登りますが笹は滑るので体力を消耗します。 登ってる最中は北へ進路を取り過ぎたかと思っていたのですが、後でGPSのログを確認するとまっすぐ真西に進路を取っていました。 およそ1時間の藪漕ぎで目的の鞍部の少し南の登山道へ無事に出ました。 鞍部の場所は樹林帯で登山道が分かりにくい場所で、きちんとしたRFが必要でした。 登山道に出たので沢靴を履き替え、ここから牛首ノタルまで30分程度です。 牛首ノタルは標高2000mで風が冷たくて少し肌寒いと感じるくらいだったので、お湯を沸かしてお茶を飲むのが丁度良かったです。 展望のよい場所で黒金山と笠盛山が見え、乾徳山はどれなのか判別出来ませんでした。


 牛首ノタルから青笹までの2時間は、 よいお天気の中笹の茂った登山道と処々で展望のいい場所へ出る登山道で気持ちのよい下山が出来ました。 登山道ではまだ青い栗やどんぐりを拾い、とちの実を拾ったりと小さな秋の訪れを感じましたが、 標高が下がると夏の蒸し暑さを感じながら車へと戻ったのでした。

 今回の沢は仲間の話から想像するに滝ノ沢は名前の通り軽快な沢。 逆にホトケ沢は名前の通り、穏やかで落ち着いた荘重な沢だと感じました。 遡行図の無い沢へ出かける事は予備知識が無い分、未知との遭遇に冒険心が大きく揺さぶられます。 しかし、それと同時にしっかりとしたRFと見極めが重要となってくるのでまた違った面白さがあると思います。 ガイドブックに載っている沢へ行くこともいいですが、 深山幽谷を味わいたいと思うならこういった山へ沢山出かけて感性を磨くことも重要なのだと感じました。 沢は秋の足音が少しずつ聞こえ始めているような気がしますが、まだまだ沢へ出かけたいと思っています。
(I記)

天気:はれ
赤ノ浦8:50〜6:20神社上〜6:30堰堤下(沢装備)〜7:20滝ノ沢出合〜8:45二股(1480)〜林道〜 9:15二股(1580)〜湧水〜10:45登山道〜牛首11:40〜青笹〜13:45赤ノ浦

メンバー:S、F、O、I(山の仲間 浮雲)