神奈川県の「山の仲間 浮雲」の記録です


山行記録

八ケ岳・広河原沢左俣

2012年12月16日



大滝までは傾斜の緩い小滝が連続する


 「アイスクライミングをずっとしてみたかった」 今年、浮雲に入ってその望みが叶うことが出来ました。

 アイスクライミングを始めて2週間と2回目。 まずはゲレンデ的な場所で登りこみや、アックスの使い方を練習するのだと思っていました。 最初のアイスクライミングは氷に触れるためをテーマにジョウゴ沢へ行ったのですが、 生憎の天候で風雪が寒くゆっくり経験する事が出来ませんでした。 ジョウゴ沢はF2までとなってしまったが、最初のアイスの経験は「寒いアイス」の思い出となりました。

 私はそもそも雪山の経験が少ない。 初歩的な所から色々と学ばなければならない事も多いのが実情です。 けれどこうしてアイスクライミングを経験出来たのは、仲間が居たからであって、 浮雲の存在のお陰であったと思います。

 ジョウゴ沢の翌週にSさんがもっと慣れる為に広河原沢のクリスマスルンゼの計画を考えてくれました。 クリスマスルンゼは練習するには人気のゲレンデ的な場所なのですが、 傾斜の立った氷を登るよりも、小さいながらも滝を越えて行く楽しさを求めて広河原沢の左俣へ行くことになりました。 大滝を登らなければ難しくないとのことです。

 前夜、道の駅小淵沢にて車中泊をして翌朝は船山十字路へ向かいます。ゲート前はすでに数台の車が停車していました。 支度を済ませ、空が明るくなってから林道を歩き出します。 とても寒かった先週よりかなり気温が暖かく、ゆっくり歩いてるのにすぐ暑くなってきました。 ここには春に阿弥陀中央稜に来ているので見慣れた景色です。阿弥陀岳が朝日に照らされていました。 トレースはしっかりと踏み固められて歩きやすいと感じます。 二股から沢を歩くようになります。 岩小屋になってるような場所が多く、そこから大きなつららを見て癒されながら、F1に到着。 ここで装備をすべて準備しました。

 F1は氷ってはいるものの不十分で、氷の下は水が流れていました。 冬の山装備で支度が慣れない私はSさんが(ロープの準備のために)早々とF1を登りきってしまい、どう登ればいいのか困惑。 お助けロープを貰い登りますが、F1の不十分な氷に上に登り過ぎてしまう。 岩に引っ張られて体制を崩し、右腕もロープに引っかかってしまい最初から苦労をしました。 ここで学んだ事は、支度は迅速に。トップの登り方は見ておく事でした。

 F1、3mくらいを越えると沢登りと変わらない沢歩きです。 沢は氷の下に水の流れる音が聞こえ、なんだか氷が割れてしまわないのか?と、少し不安になりながらてくてく歩きました。 F2は5mくらいあったでしょうか?目の前にすると登れる気がしません。 お助けロープを出してもらって登りますが、アックスの刺し方、場所、脇をしめて登る事を注意を受けます。 続くF3は10mもないくらいの滝で、ここもお助けロープを出してもらって登りました。 登ることに必死で兎に角肘を伸ばしてアックスを打ち込み、足場を決めて足で登る。と、頭では思いますが、 なかなか体が思うように動きません。 沢の渓相はナメがたびたび出てきたり、高巻きする場所もあって沢登りと変わらないので楽しいと感じます。 左俣は少し歩くと次々と滝が出てくるので飽きませんでした。


 続く滝も今度はアイススクリューの回収をする為スクリューを打ち込んでもらいました。 傾斜の緩いナメ滝が1箇所あり、そこだけロープ無しで登ったのですが、問題なく登れるかと思いきや時間がかかってしまいました。 F5は氷が階段状になっており、登れそうと少し思いながら取り付いてみます。 ロープを付けてルートの中間あたりでトラバースをして登るのですが、意外と上手にトラバース出来たと思ったので楽しめました。 すると後続パーティーが追いついてきたので先を譲りました。 次のCS滝はいつもなら氷が足場にもっとあるそうで、今回はまったくありません。 最初の出だしがチムニー登りで体を突っ張って登りますが、結局ロープ掴みつつ登ってしまいました。 なかなか経験した成果が出せない自分に落ち込みます。そしてどっと疲れてしまった自分を感じました。

 CS滝を越えると沢が開けて明るくなります。背後に中央アルプスが見えるようになりました。 そして今日の目標地点、下の大滝へ辿り着きました。 下の大滝はどうやら例年より氷が少ないようです。 ここで先行パーティーの登攀を見学してから中央稜経由で引き返すことにしました。

 ギア類は引っかかるので片付けて中央稜めざし山肌をトラバースぎみに登りますが、 雪が少し深かったり慣れない歩きにすでに体力減退です。 息を切らしながら私はSさんよりかなり遅れて稜線へ出ました。 中央稜では以前登った景色を見上げると青い空が気持ち良く、安堵感と達成感が嬉しかったです。 そして、待っていてくれたSさんと目的達成の握手をしてトレースのない中央稜を下山しました。

 2回目のアイスにしてアルパインアイスを経験するにはまだ早かったと思うし、自分自身には厳しい内容でした。 行程も下の大滝までとし、タイムリミットも考えての事でした。 それでも計画した行程で達成できた事は仲間が居てこそだと思います。 様々な経験が勉強になった山行でした。 そして天気が良くて、やっぱり山は晴天に限ると思いました。
(I記)

天気:はれ
舟山十字路6:25〜7:40二股〜8:00F1〜11:30下の大滝下11:50〜12:15中央稜〜13:20二股〜14:30舟山十字路
メンバー:S、I