神奈川県の山の仲間 浮雲の記録です


山行記録

瑞牆山・十一面岩

2011年6月16日



”みずがき山自然公園からは十一面岩の尖峰が本峰よりも立派に見える”


 計画では下降路から十一面岩東側のコルに出て、十一面岩往復後に瑞牆山本峰へ縦走し、不動沢コースを降りる周遊を考えていた。 行動時間が読めなかったために前夜発として道の駅「にらさき」で車中泊をした。 公園の駐車場には早朝のために誰もいなかった。 山は雲に覆われていて見えない。 少し寒いので着込んで歩き始めた。

 岩場ガイドに従ってチップを敷いた遊歩道を歩くと、自然に登山道になる。 十一面岩末端までは迷うような箇所はなかった。 目印は皆無だが道は非常にしっかりとしている。 十一面岩から西に延びる尾根の末端を乗越し、岩小屋からトラバースして行くとガレに入る。 霧が出てきて周囲の状況がまったく解らないが末端壁の取り付き付近は通り過ぎたようだ。 ガレを横切って行くのかと思ったが対岸には道がなかった。 どうやら道はガレを直上しているものと判断した。 ガレは浮石も少なく比較的安定していてガレにしては歩きやすかった。

 やがてケルンの積まれた場所に着いた。 ここでもこのままガレを行くのか迷った。 正解は左手の樹林帯だった。 (晴れていれば、ガレを進めば岩場から遠ざかるので迷うことはないと思う) 踏み跡は時々薄くなったが上へと続いている。 左手にトラバースする踏み跡は正面壁への取り付きへのものだろう。 しばらく登ると左手に白クマのコルらしき小さなコルが見えた。。 白クマのコルではないかと思い、荷物を置いて往復した。 岩場を覗くが、視界があまりよくないので全体がよく解らない。 下山時に解ったのだが、ここは白クマのコルではなく、まだ白クマの下だった。 (仔クマを越えたコル) そして白クマのコルは気づかずに通り過ぎてしまった。

 次第にルートは沢状になりフィクスロープのある岩場になった。 最初は小さな岩を、2番目は5mほどのスラブ状をフィクスロープに頼って越えた。 3番目のフィクスロープのある箇所は岩が立っていて、しかもロープの状態に信用が持てない。 ここは体重が軽くクライミングの上手いOさんがロープを出して空身で越えた。 ロープのセットに時間がかかっていると思っていたら、荷物を2分の1法で引き上げ出した。 荷物は途中で引っかかってしまい時間がかかった。 そして大きな岩を狭い穴から越えると十一面岩東のコルだった。 当初行く予定だった瑞牆方面は岩壁となっていて、左から巻くしかないようだ。 少し偵察してみたが踏み跡はなかったが「時間をかければ行ける」ように見えた。 しかし今回は瑞牆をあきらめて十一面岩往復だけの計画を変えた。 ここからの標高差は200mほどだが、本峰までの見た目の距離を遠くに感じてしまった。

 コルから藪っぽい斜面を踏み跡を追って歩くと頂上岩塔下の広場に着いた。 周囲にはツツジやシャクナゲの花が咲いていた。 風が冷たいが岩壁を背にしていると暖かい。 岩峰に囲まれた周囲の雰囲気は素晴らしく、あたかも天空の楽園にいるかのようだ。 しばらく休んでいると霧が晴れ始め、大ヤスリ岩や本峰も見え始めた。 頂上へのルートとしてはいくつか考えられたが、上がどうなっているのか解らないので登るのを躊躇していた。

 そのうちに霧が完全に晴れた。 景色を見るために左に大きく回りこんでみた。 岩はフリクションがよく効いて、見た目より簡単に先に進めた。 ただし高度感がすごい。 十一面の頂上は大きな岩が積み重なっているかのようになっている。 一つ一つの岩の間がルートとなっていて、もう1段上へ行けそうだと思いながら登ってみた。 2箇所ほどクライミングをすると、なんと頂上に出れてしまった。 東側に一段下がったテラスにはシュリンゲの束が見えた。



 下降は往路を忠実に戻った。 コルの少し下からは安全を重視して懸垂にした。 2度の懸垂でフィクスロープの下に着いた。後は歩くだけで戻れる。 下降の途中で、行きに通り過ぎてしまった白クマのコルに気付いた。 もちろん荷物を置いて往復した。 コルに着くと有名な大フレークが目の前だ。行けそうにも難しそうにも感じた。 真横に見える急な壁はモアイフェイスらしい。 1段クライミングダウンして岩にしがみついて下を覗いた。 取り付きから壁全体が見渡せた。

 樹林帯の下降が終わり、ガレに出ると行きにはまったく見えなかった左岸壁がよく見わたせた。 上部はブッシュが目立つものの、壁の登り始めが切り立っている。 私は瑞牆山の開拓が始まる前にこの壁にルートを拓いたことがある。 もう40年近くの時が経っている。 あの時のルートはどこかと壁を観察したが、ルートを特定することはできなかった。


6月16日 天気:くもり
芝生広場6:40〜8:00ガレ沢から離れる〜9:25コル(十一面岩往復)10:45〜12:55芝生広場
(S記)

メンバー:S、O