神奈川県の山の仲間 浮雲の記録です


山行記録

大菩薩山系・葛野川釜入沢

2011年7月24日



”連続する滝はすべて登れる、短いが快適な沢である”


 Uさんから葛野川釜入沢に誘われたが、私はどこにある沢かも知らなかった。 葛野川の上流の地形図を見たが、釜入沢の名はなかった。 この沢は「東京基点沢登り120ルート」に紹介されているので、さっそくコピーを送ってもらった。 ようやく大菩薩山系の東側にある奈良倉山を水源とする沢と判明した。 ガイドには「知られざる沢」と書かれていた。 ネットで見てもあまり記録がないことから、便利な場所の割には入渓者が少ない沢であることが伺える。

 下山路がないので、急な藪尾根であるとなりの深入沢との中間尾根か釜入沢右俣が下降路として考えられる。 この猛暑の季節に快適でなさそうな下降は短時間にしたい。 今回はこれを嫌って、車2台で行き、1台を稜線の松姫峠にデポした。 釜入沢の源頭には松姫峠に通じる林道が通っている。

 深城ダムの管理事務所に車を置いて、ここから沢靴で歩き始めた。 ゆるい下り道を数分で釜入橋である。 目指す釜入沢の流れははるか下で、橋の上からは見えないくらい深い。 両岸は急で、橋の袂から下ることはできない。 まず法枠に沿って階段を少し登り、右手の薄い踏跡から急な斜面をトラバースぎみに進む。 ガレで踏跡を失ってしまったので、木につかまりながら少し強引に河原に降り立った。

 しばらくは河原歩きが主体である。 やがて顕著な二俣があった。 ここから滝場が始まるようなので早目な1本をとった。 二俣を左に入ると、また二俣である。 「アレ?」と思って地形図を見ると、先ほどの二俣は左岸からの支流の合流点であった。 今度のが標高710m地点の二俣である。 右俣はおだやかな流れのなっているが、左俣は小滝が連続しているのが見える。 滝はいずれも高さが5mもないような小滝だ。 両岸はゴルジュとはならず開けていて明るい。 滝は黒っぽい色をしているが、ヌメリではなく岩自体が黒いようだ。 皆しっかりとしたホールドに恵まれ快適に越せる。

 やがて核心とされている3段13mの滝である。 ガイドブックでは唯一巻いている滝である。 見た目は容易だが、時間もあることだし慎重を期してロープを出した。 左岸にある途中の指ほどのブッシュに支点を取り水際を登った。 結果的には容易だった。 ここからも小滝は連続した。 どれも快適に登れる。 くつろげるような広い河原がないので、セカセカと先を急ぐ結果となってしまった。 水が少なくなると同時にシャワーが冷たくなってきた。

 標高1000mあたりから源頭の様相を呈し、苔むした岩を水がしたたるように流れていて気持ちよい。 今までは人の痕跡がない沢だったが、ここを越えるとゴミが目立つようになった。 たぶん稜線の林道工事の影響だろう。 水が枯れると沢は藪に覆われて、適当に斜面を登る。 源頭は何かの森林調査で相当の人が歩いているらしいが、刈った小枝が踏み跡を覆っていて歩きにくい。 うんざりするころに林道に出た。 ここからは水平の道を30分も歩かないで松姫峠に着いた。 行動時間3時間強の小さな山行だった。 深い瀞や釜もない沢なので、盛夏より春や秋に向いた沢と思った。


天気:うすぐもり
深城ダム9:05〜9:20入渓〜9:55二俣〜11:50林道〜12:15松姫峠
(S記)

メンバー:S、U、他1