モデル制作:デンボク、FUTATSU   写真撮影:FUTATSU   

劇場アニメ「空飛ぶゆうれい船より」
ゴーレム

 正面からのショット。カメラのレンズの影響か、ちょっと
細身な印象を受けますが、実際はもうちょっと胴体の
横幅が広く、どっしりした感じになります。 ミディアム
ブルーの色合いがとてもいい感じで気に入ってるんです
が、聞いた話では何種類ものソフビ原料を混ぜ合わせた
末に出来上がった色なんだそうです。 レシピも教えて
頂いたのですが、覚えきれませんでした..f(^^;

 傍らにちょっと写っているプラカラーの瓶は大きさの
イメージを掴んでもらうために置いたものですが、瓶の
大きさが解らない方も多いかも(笑)

 頭のアンテナ(?)をのけた高さがB5の大学ノートとかと
ほぼ同じですから、アンテナ込で約29センチって所でしょ
うか。 

 側面からのショット。 ゴーレムの胴体は前後対称の
いわゆるダルマ型のカーブを持った形で立体化されて
(確認できた限りでは昔海洋堂から発売されたソフビキッ
トとイベント当日版権のレジンキットがあったくらいですが)
いましたが、制作にあたってかき集めた資料のなかに
背中が平らになっているように見えるカットがあったので、
本作ではそれを再現してあります。(右下の画像) 

 鶴田のダブルチョップ風。 ランディ・サベージの
ダブルスレッジハンマーとかでも可。

 馬場さんの脳天唐竹割り風..っていうか選挙活動で
地元に帰ってきた候補者に見えるかも(汗) ぶんぶん
腕を振り回してビルを破壊する有名なシーンを思い浮
かべながら撮ったはずなんだけど..

 背面からのショット。 背を向けた状態のカットは
劇中ではほとんど出てこなかったので、ディテール
はもしかしたら設定と異なっているかも知れません..

 肩、上腕、肘、手首がそれぞれ別パーツになっている
ので、軸回転で可動します。 

 嵌着部分を回転させて
肘の曲げ伸ばしも可能!
脚の付け根も肘と同じ様
に可動するので、両腕を
前に出しても倒れません。

MAKING OF GOLEM

         ソフトビニール人形は、

          1次原型を作成
              ↓                 
 材質をワックス(蝋)に置き換えて嵌着部分の処理
などを施した2次原型を作成(いきなりワックスで原型
を作る場合もあるそうです)
              ↓
 2次原型にメッキをかけて金属の層を作り、金型を
作成
              ↓
 ゾルと呼ばれるソフビ原料を金型に注入し、高温で
焼き固めて成型

 と、大まかに書くとこういう工程で作られています。 ここからバリを取って組み立て、彩色とか
あるのですが、ここらへんはソフビ製ガレキを作った事のある方でしたらご存知かと思います。
僕(FUTATSU)が担当したのは一番最初の1次原型までです。 このサイトのほかのページに
上がっているフルスクラッチ作品と同じ流れ、材料で作られています。

 メカものを作るには、何はなくとも図面を書くところから。 原寸大で作図して、作り物の
ボリュームを目で理解しておきます。 昔は鉛筆で書いてロットリングでペン入れとか
してましたが、今はロットリングの代わりにイラストレータで書いてます。 修正が容易に
出来ますし、半分だけ作図して左右反転でくっつける..とかも出来ます。 それと何より
キレイな線が引けるので、プリントして、プラ板に貼って切り出したりもできますから
なかなか便利ですよ(笑) 
 そうやって書いた図面をクライアント(デンボクさんね)にFAXで送ってああでもない
こうでもないを何度か繰り返して、「これでよし!」となれば実制作に入ります。(ゴー
アヘッドキャプテン!と書こうかなと思いましたが、なんか寒そうなのでやめました)

 全てのパーツが揃って、仮組みした状態。 両腕と両足は同じものをキャストで複製しただけのもの。
胴体や頭はプラ板で船舶モデルよろしくキールを組んだのち、ポリパテの盛り削りで作っています。
 傍らに置いたタバコの箱で大きさが解ると思いますが、これだけの量のポリパテですから、ハラが
立つほど重たいです..削っているとすさまじく埃も舞うし..f(^^; 

 左の画像は両腕と両足の複製前の原型。
胴体と同じく、主にプラ板とポリパテで作って
いますが、このくらいの大きさだと、市販の
オプションパーツなどが使いやすくなってくる
ので、そういうのも積極的に投入するように
してます。 
 費用や求めるパーツ精度などで、投入比率は
変わってきますが、パーツを選ぶ上で重要な
ポイントは、形が近いものより大きさが近いものを
選ぶことです。 形はそのままで大きさだけひと
周り変える..なんていうのではもの凄い手間が
かかりますし、そもそもそのパーツを使う意味が
なくなってきます。 

上腕

下腕

スネ

正面

バストアップ

よこ

後ろ

 前出の仮組み状態のものに少し手を加えた後、版権申請用に着色した状態。 軍艦色をベースに、グレーを何色か使って
塗ってます。 この時点でスケジュールが押し気味(ワンフェスは年2回開催なので、結構タイトなスケジュールなんですが)
だったので、リベットはまだ付けられていません。
 

 ここまで出来た段階で一旦デンボクさんの元へ送り、修正箇所が無ければそのままワックス原型を作る作業にうつり、
修正箇所があれば送り返してもらって修正、となりますが、今回はリベットの付け足しと、腕部全体の修正を行っています。
上記4点の画像の状態でもそれなりにバランスは取れていますが、製品版と比べると凄く弱そうですね..

 本業のものすごく忙しい時期と締め切りが重なり、本来ならイベントに間に合わないような時期の納品になって
しまい、申し訳ない思いで当時は生きた心地がしませんでしたが、デンボクさんをはじめ関係各位の多大なる
フォローのおかげでどうにかワンフェスで販売できそうなめどが立ったと聞いた時には反動で体調崩しそうに
なるほど安心しました。 ちょうど去年の今頃の話だったと思いますが、デンボクさんや関係各位の皆様に
とっては冷や汗のかき通しだったのではないかと反省するばかりです..

  ソフビ人形によくあるディフォルメなどは一切せず(デンボクさんのソフビはみんなそうですね)、直球勝負
で造形しましたので、ソフビになるとどうなるんだろう?という不安もほんの少しだけありましたが、出来上がった
物は適度に角が取れてくれたので、より劇中の雰囲気に近づいたのではないかと思いました。 サンプルが
我が家に届いたときにはあまりに嬉しかったので、実家に持っていって見せびらかしましたし、抱いて寝ました(笑)

 ソフビ原型は初めてでしたので、原型制作ですったもんだしてしまいましたが、「ゆうれい船」ファンの皆様に
とって、これが当時の興奮を思い起こさせるものとして映っていることを願ってやみません。

 デンボクの皆様ならびに成型業者の皆様、イベントで購入してくださった皆様、本当にありがとうございました!
                          また何か原型やらしてください!←こらこら

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 幽霊船長との2ショット。 幽霊船長は2006年冬のワンフェスで、デンボクにて発売されたものです。

最後になりましたが、デンボクさんのサイトをご紹介しておきます!

http://dbk.fc2web.com/

 石森、手塚作品を中心とした懐かしのキャラクターたちがソフビで見事に
再現されています。 

 暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごし
でしょうか? 僕は毎日、子供に弄り回されて
弱りきった昆虫みたいな状態ですごしています
(苦笑)

 さて、まだまだ暑い今日この頃ですから、今
回も水ものネタをご紹介する事にしましょう! 

 1969年に「東映まんがまつり」のメインプロ
グラムとして公開された劇場長編アニメ
「空飛ぶゆうれい船」に登場する巨大ロボット、
ゴーレムです。

 ..って色塗ってねぇーじゃん!とか言われる
かも知れませんね。 別に「明日はどっちだ?」
とコーナーを間違えたわけではなく、これが
完成品です。 画像を見てお分かり頂けると
思いますが、ソフビ人形なんです。
 2005年8月開催のワンダーフェスティバル
で、当サイトともリンクしてます、デンボクさん
からイベント限定で発売されたものです。 

 世代的に「空飛ぶゆうれい船」はテレビで
放映されたものやビデオで何度か見ただけ
なんですが、「ゆうれい船の使いゴーレムだ!」
と叫んでビル街を粉砕するシーンは子供ながら
とても鮮烈に映りました。 ゴーレムが暴れる
さまは勿論の事、それを迎撃する国防軍は
全くゴーレムに歯が立たず撤退(ゴーレムが
出現する直前に、国防軍の戦車が民間人の
車を容赦なく踏み潰すところが何とも..)
するところや、恐怖で逃げ惑う人たちがしっかり
描かれているところがそう感じさせたのだろう
と思います。 

 現在の目で見てもかなりどぎつい社会風刺
が盛り込まれており、痛快な娯楽作品とは
言いがたいところはありますが、作画、演出、
ストーリー、音楽のどれをとっても名作と呼ぶ
にふさわしい作品であることは確かです。

 放送コードが厳しい、というよりナーバス過ぎ
る地上波テレビでは恐らく放映不可能な気が
しますが、ビデオやDVDが発売されています
ので、未見の皆様にはぜひともお勧めしたい
映画です。

  

 なぜにゴーレムを作る事になったのか?ですが、これを販売してくださったデンボクさんと、ワンフェス参加を通じて知り合ったから、
というのが最も大きな理由..というか、それ以外思い当たるものが無い、というのが正直なところです。 メールのやり取りをする中
で、「ゴーレム作ってください」といわれて「わかりました!」と答えた覚えはあるのですが、 その前後に何があったのやら..

 もともとソフビ人形は好きで興味もありましたので、機会があれば原型作りには挑戦してみたかったですし、 火焔竜や009の
キットをワンフェスで発表していたころから「ゴーレムも作ってください」という要望は何件か寄せられていたので、渡りに船とばかり
に引き受けたのだろうと思います。 作ると決まってから、火焔竜を作る際、資料面でお世話になった方に大慌てで資料をお借りしに
伺った事や、その足で「空飛ぶゆうれい船」のレンタルビデオを借りて帰った事は昨日の事の様に覚えているんですが..

ゴーレムの3ショット、シナリオでは、ゴーレムが複数登場する予定だったみたいですが、こんな感じだったのでしょうか..?
中央が製品版。 背後左の赤いやつは予告編バージョンの無彩色サンプル。右はテストショット版です。 

こんな感じです。

正面

よこ

うしろ