パネル展用メッセージ   紹介していますメッセージはパネル展用に頂いたものです。 HOME へ
国立駿河療養所
所長 江川 勝士さん
「ハンセン病は治る病気です」
ハンセン病資料館運営委員
佐川 修さん
「偏見は無知から生まれる」
全療協 事務局長
神 美知宏さん
「ハンセン病対策と患者人権」
全療協 執行委員
平野 暉人さん
「人と会うのが怖い
駿河療養所 入所者自治会
会長 西村 時夫さん
「隔離から共生へ」
栗生楽泉園 入所者自治会
会長 藤田 三四郎さん
「入園56年目を迎えて」
菊池恵楓園入所者
太田 国男さん
「仮想を実現するメディア」
弁護士
徳田 靖之さん
「知って何をするか」

ハンセン病を学ぶ為にお薦めの順番に並べています
    衝撃の写真
    小中高生の為のハンセン病知識
    ハンセン病の歴史
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メッセージ
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    ふるさとメモ
(豆知識)

    私たちの想い
「ハンセン病は治る病気です」 
            
国立駿河療養所 所長 江川 勝士
 ハンセン病は治る病気です。治療しなくても治ってしまうこともあります。しかし、治療薬のなかった時代は病が重くなってしまう人がいました。これはハンセン病に限らずすべての感染症に当てはまることです。ハンセン病がことさらに怖い病気と勘違いされたのは、病気の活動期の症状と病気が治った後の後遺症とが区別しにくいことに起因するのではないでしょうか。病が進むと体の表面近くにある細い神経繊維が破壊されてしまいます。神経は破壊が進みすぎると完全には再生しません。したがって一部の神経はその働きを永久に失ってしまいます。治療により体の中の病原菌がなくなってもこの失われた働きは元に戻りません。この後遺症による障害があるためにハンセン病は治らない病気だ−いつまでも体内に菌を宿している−と誤解されてきたのだと思います。
 ハンセン病の主な症状である知覚障害は日常生活を営む上で大きな障害になります。
 Mさんはかつてハンセン病にかかっていました。今でも両上肢の肘から指先までと両下肢の膝からつま先までの知覚がありません。畑仕事を終えてシャワーを浴びようと、瞬間湯沸し器を使いました。まず足を洗いました。次に体へとシャワーをかけたとたん飛び上がりました。熱湯に近いお湯だったのです。両足とも皮下に達するやけどを負ってしまいました。
 Iさんは山が好きです。特に山芋の季節になるとうきうきして山に出かけます。ある日ご機嫌で山から帰ってきました。一風呂浴びて掘りたての山芋を肴に一杯やり床につきました。翌日、寒気と震えで目がさめました。右足が赤く腫れあがっています。足の裏に小さい傷がありどうやらそこから感染したらしいのです。前日山に履いていった靴を調べてみると小さい石ころが靴底に残っていました。石ころを踏みつけたために出来た傷に気づかずに風呂に入ったため感染したのだと思われました。
 指先に刺さったとげに気づかず、あるいは指先に出来た小さな傷に気がつかないまま水仕事、土いじりなどを続けたために化膿してしまい骨髄炎まで進んでしまって、やむなく指を切断せざるを得なくなることがあります。
 私たちが生活する限り、気づかないうちに小さい傷をしょっちゅう作っているのは誰でも経験することでしょう。痛みを感じればその場で治療するでしょう。
 知覚に障害を持つ人たちは小さい傷に気づかないことの恐ろしさを熟知し、細心の注意を払って生活しておられるのですが、それでも活動する限り小さな外傷を受けることは避けられません。その結果手足の感染症が絶えず、指の変形などが進行してしまいます。このことがハンセン病は治らないし進行性であるという誤解を招いているのだと思います。
 ハンセン病は治らないものと思っておられるハンセン病体験者の方も居られるぐらいです。治れば知覚が正常になり、動かない指も動くようになるはずではないかと。
 ハンセン病が活動しているときの症状と後遺症が同じなのですから無理もないのですが、この両者をはっきり区別して考えてください。

 ハンセン病は治る病気です。障害が重くなる前に治療すれば後遺症も残りません。