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   統合医療への流れにおける漢方薬の役割
福山大学名誉教授、(株)日本生物製剤プラセンタ・アロエ研究所長 八木 晟

 近年、アメリカでは医療費削減や医療費対効果の面から補完代替医療が盛んに行われてきた。その補完・代替医療のなかで、科学的に立証された理論を現代医療・西洋医学にとりいれて、治療効果を高めようとするのが統合医療である。補完代替・統合医療への動きのなかで内服療法の主役は、医薬品としての多くの実績を持っていた生薬・漢方薬製剤であり、これらは益々医薬品としての重要な位置を占めることとなる。

漢方(東洋医学)は元来、病人個人の証にもとずいて治療を行う個の医学として発達してきた。一方、西洋医学は、医薬品の薬効・薬能はもとより統計処理を経て、対照となる患者全体(オーフアンドラッグは除く)の医療を目指して確立された。

漢方薬を含む薬物の代謝酵素やトランスポターの発現レベルでの個人差の解析などは、病人個人の薬物への代謝機能とともにその副作用と安全性にも関わってくるので、患者の治療効果を挙げる面で注目されてきた。医薬品と漢方薬との併用が多くみられる高齢者の場合、それらの併用相乗効果と副作用の軽減はさらに重要な課題となる。  

統合医療、混合診療やアンチエイジングが日常話題となる中で、新しい科学的手段(薬物動態などを含む)に支えられた漢方薬治療(漢方)が長寿社会の日本で強く期待される。