出会い系サイトの広場
出会い系サイト届出手続代行センター
愛媛県四国中央市 海事代理士・行政書士  藤 田  晶  事務所
海事代理士・行政書士   藤 田   晶  事務所 社団法人 日本海事代理士会 正会員
愛媛県行政書士会 会員
〒799−0101 愛媛県四国中央市川之江町3023番地の4
電話:0896−58−1821 FAX:0896−56−6023
http://www.geocities.jp/fujita_office/ 著作権相談員(管理番号 第0939068号) 
出会い系サイト等に係る児童の犯罪被害防止の在り方について
(抜粋)

(平成20年 1月10日 出会い系サイト等に係る児童の犯罪被害防止研究会)

第1 出会い系サイト等の現状(略)

第2 出会い系サイト等に係る児童の犯罪被害防止の在り方に関する提言


1 児童を出会い系サイト等に起因する児童買春等の犯罪被害から守るために
 今、多くの国民が携帯電話を持ち歩くようになり、その多くはインターネットに接続できる機能を有している。また、パソコンや家庭用ゲーム機から日常的にインターネットにアクセスできる環境にある家庭も増えている。
 児童を取り巻く環境もその例外ではなく、特に近年は小・中学生や高校生の間で携帯電話の普及が進み、インターネット社会に気軽に参加する児童が増えている。児童がインターネットに接続できる携帯電話を持っていることが珍しくないという我が国の状況は、世界的に見て特殊と言われている。
 しかし、インターネット上には、児童に有害な情報のみならず児童の健全育成を阻害するおそれのある情報も存在し、それらが氾濫している。
 そのような中、出会い系サイトについては、同サイトの利用をきっかけに児童買春等の犯罪被害に遭う児童が急増したことから、平成15年に出会い系サイトの利用に起因する犯罪から児童を保護することを目的とした「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」が制定され、同年9月に施行された(事業者規制部分は12月施行)。
 しかしながら、法施行後4年を経過した今、第1で俯瞰したとおり児童の犯罪被害は一旦減少したものの再び増加に転じている現状にあり、当研究会は、出会い系サイト等に係る児童の被害の現状に深く憂慮し、被害防止を図るためには法規制の在り方も含めた何らかの対策を早急に講ずるべきであるという結論に達した。
 新たな対策は、より責任のある者はそれに応じた義務を担うべきという原則に加え、社会全体としても児童の犯罪被害防止について取り組むべきという視点に立って、立てられるべきである。もちろん、その方法は最小限の誓約で最大限の効果が得られる方法とすべきであることは言うまでもない。このような観点から、「出会い系サイト事業者としての責任をいかに果たすか」及び「児童による利用をいかに防ぐか」について議論した。
 まず、出会い系サイトの利用に起因して児童買春の犯罪を行った大人については、当然最も重い責任を負うべきであり、児童買春罪、青少年保護条例違反等で厳しく処罰対象とされていることから、今後も警察において着実に検挙を進めていかなければならない。
 次いで、児童が被害者となるこれらの犯罪のきっかけとなるサイトを自らの意思で運営している出会い系サイト事業者については、被害児童数が依然として高水準で推移している現状にかんがみ、相応の責任を担ってもらうことが必要である。特に児童が出会い系サイトを利用している現状に対しては、現行の児童の利用防止を図るための制度を見直すことが必要である。その際は、新たな規制や対策が遵守されるよう、実効性が確保される仕組みとなるよう十分に考慮するべきである。例えば、児童の犯罪被害が発生していないサイトを運営している出会い系サイト事業者の、児童の犯罪被害防止に向けた取組を参考にすべきである。
 さらに、保護者及び出会い系サイト事業者に役務を提供している事業者といった、児童の被害防止に関係する立場にある者の責務も考慮する必要がある。
 また、出会い系サイトではないが児童買春等児童の犯罪被害が相当程度発生しているサイトについては、直ちに出会い系サイトと同様の責任を負担すべきとはいえないものの、これらのサイトも一定の自主規制を中心とした対策を講じることが必要と考えた。
 提言は、「出会い系サイト事業者としての責任を果たすために」「児童による利用を防ぐために」「適格でない者を事業者から排除するために」の3つの柱とし、届出制の採用、児童に関係する書き込みの削除、児童の年齢確認の強化等の対策を盛り込んだ。具体的方法については、以下で、各提言ごとに示した。

2 出会い系サイト事業者としての責任を果たすために

提言@ 都道府県公安委員会に対する届出制の採用が適当である。

(1) 出会い系サイト事業者を把握できない現状と問題点
○ 現行法では、出会い系サイト事業者に対する是正命令を規定する一方で、出会い系サイト事業者把握のための制度を何ら設けていない。そのため、事業者を特定するためには、公開情報から判明するアクセスプロバイダやサーバ管理者に対して出会い系サイト事業者の情報開示を求めることとなるが、平成17年の個人情報保護法の施行を契機とした個人情報保護の意識の高まりを背景に、アクセスプロバイダやサーバ管理者において任意に協力することが難しい現状にある【図表8参照(略)】。
※@ 出会い系サイト事業者に対し、自己が管理するウェブサーバを提供している場合(いわゆるホスティングサービス)のサーバ管理者又は他人が管理するウェブサーバにインターネット接続サービスを提供しているだけの者(いわゆるアクセスプロバイダ)は、いずれも出会い系サイト事業者ではないので、届出義務の対象外である(これらの者が出会い系サイト事業者を兼ねている場合を除く。)。
○ また、出会い系サイト事業者が海外サーバを利用している場合に、海外のサーバ管理者やプロバイダの協力を得ることは通常困難であり、無料レンタル掲示板(サーバ)を利用している場合は、そもそも無料レンタル掲示板の管理者は契約の相手方である出会い系サイト事業者に関する情報を持っていない例が多い。【図表17参照】。
○ 出会い系サイト事業者が、仲介業者を介して電気通信事業者と契約していることも考えられ、電気通信事業者の契約相手が出会い系サイト事業者と一致しない場合もある。
○ このため、法令に違反する事業者(サイト開設者)が判明せず、これらに対する警告や行政処分が不可能という問題が起きている。
(2) 届出制を採用するメリット
○ そこで、出会い系サイト事業者を特定できないという上記の諸問題を解消するため、出会い系サイト事業者には、都道府県公安委員会に届け出ることを義務付け、罰則で担保することが適当である。
○ 届出を通じて出会い系サイト事業者を特定できることにより、行政処分が不可能という問題が解消されるとともに、速やかな行政処分が可能となり、より法の実効性が確保できるようになる。また、あらかじめ事業者を把握することが可能なので、任意の手段である行政指導等により、きめ細やかな措置が可能となる。
※ 届出制の代わりに、必要な時に契約者情報を保有する者に協力を義務付ける方法についても検討した結果、以下のような点で届出制の方がより相当性が高いと考えられる。
・ 関係者の協力を求める場合、電気通信事業者(プロバイダ)、レンタルサーバ会社、金融機関、広告主等出会い系サイトによる児童の犯罪被害との関連性が希薄な第三者に対してまで負担を課することとなる。
・ 単に出会い系サイト事業者と契約を締結しているというだけで、出会い系サイト事業者を特定するコストをこれらの者に負わせるべきではなく、当該コストは、本来、児童の犯罪被害に対する責任のより大きい者、つまり出会い系サイト事業者が負担すべきである。
・ 図表17のとおり、関係者に協力を義務付ける方法ではサイト開設者の特定ができないが、届出制ならば把握が可能である。

(3) 出会い系サイトに該当性に関するガイドラインの見直し等の必要性
○ 届出制を採用した場合、SNS※Aといったコミュティサイト等の取扱いをはじめ、どのようなサイトが出会い系サイトに該当するのかが不明確であると、結果としてサイト開設者全般に対して萎縮効果を与えるおそれがあることから、届出制の導入について消極的な意見もあった。
○ 出会い系サイトは、法第2条において「インターネット異性紹介事業」として定義されており、法第6条(不正誘引罪)で厳格な定義が要請される犯罪の構成要件とされていることからも明らかなように、どのようなサービスを提供しているサイトが出会い系サイトに当たるのかは、法律上十分明確にあっている※B。そのことを前提に、現行法でも、出会い系サイト事業者には児童の利用禁止の明示義務等が課せられており、同義務違反を理由に都道府県公安委員会が是正命令をなしうるので、届出制を採用することにより新たに上記のような萎縮効果が生じるとは考えられない。
○ しかしながら、インターネット上では法施行後も様々な形態のサービスが生み出されているので、サービスの類型ごとに、現行の「インターネット異性紹介事業」の定義に照らしてその該当性を判断しやすいことが望ましい。行政においては、既存のガイドラインについて関係業界の意見も聴取した上で必要な見直しを行うことなどにより指摘された懸念の払拭に努め、インターネット上の各種サイト開設者が判断に迷うことのないようにする必要がある。
※A ソーシャル・ネットワーキング・サイトの略で、一般に、会員制をとり、参加者が互いに友人を紹介しあうなどして、共通性を持つ新たな友人関係を広げるサイトをいう。
※B 警察庁では、法制定時に、サイトにおいて提供されるサービスに応じ、そのサイトが出会い系サイトに該当するか否かを示すガイドラインを作成し公表している。

(4) 実効性のある届出制度に
○ 届出制を実効性のあるものにするため、届出をしない出会い系サイト事業者に対する罰則を設ける等、実効性を担保するための措置を検討すべきである。この場合において、サイト開設者全体に萎縮効果が生じないようにするためにも、(3)のガイドラインの見直し及び周知に配慮する必要がある。

提言A 出会い系サイト事業者には、児童に関係する書き込みを知ったとき、その書き込みの削除を義務付けることが適当である。※C

(1) 児童に関係する書き込みの現状と問題点
○ 出会い系サイトは、法によって、児童の利用が本来認められていない。にもかかわらず、出会い系サイト事業者による児童でないことの確認に際し利用者の自主申告方式による確認が認められていることもあって、児童が出会い系サイトを利用している実態があり、児童に関係する書き込み(不正誘引に当たる書き込みを含む。)をきっかけに、児童の犯罪被害が発生している(平成19年7月から9月の発生事件についての調査結果では、出会い系サイトに関係する児童被害全体の20%。)【図表4参照(略)】。
○ 警察庁において被害児童の多い出会い系サイト事業者10社に対して聞き取り調査をした結果、9社が児童に関係する書き込みについて自主的に削除を行っていた【図表9参照(略)】※D。これらの事業者は自主的にサイト内を監視し、児童に関係する書き込み等の不適切な書き込みを削除しており、事業者自ら被害防止のための取組を進めていることが判った。このような事業者による自主的な取組は、被害防止の観点からも望ましいことである。しかしながら、自主的な削除の程度は事業者ごとに様々であり、また、研究会で聴取した出会い系サイト事業者からは、法に抵触する投稿に対して警告メッセージを発しても、その警告には何らの権限もないことから、違反者に対し効果がない場合もあるとの指摘があった。このため、自主規制にのみ期待することは自ずと限界があると考えられる※E。また、被害児童が利用している出会い系サイトの中には、事業者を特定できないため連絡がつかず、自主的に削除を行っているかどうか不明な事業者もある。
※D 警察庁が聞き取り調査した出会い系サイト事業者の自主規制の内容は、本提言で義務付けを求めている削除対象よりも広範な書き込みを削除対象とするものが多かった。
※E 自主的に削除を行っている事業者が運営する出会い系サイトでも児童の犯罪被害が発生しているが、仮に自主的な取組がなければ、書き込みが更に多数放置され、より多くの児童の犯罪被害が発生したと思われる。

(2) 出会い系サイト事業者に削除を義務付けることの効果
○ そこで、出会い系サイト事業者は、本来18歳未満が利用できない出会い系サイト内において児童に関係する書き込みを知ったときは、削除することを義務付けることが適当である。
○ 削除を法的に義務付けることにより、児童に関係する書き込みが速やかに削除されることが期待でき、また、書き込んでも削除されるとなれば出会い系サイトを利用しようとする児童に対する抑止力になることから、児童に関係する書き込みをきっかけとして発生する児童被害についての未然防止効果が期待できる。
○ 前述のとおり既に出会い系サイト事業者が自主的に削除に取り組んでいることから、削除を義務化したとしても事業者に新たに課せられる負担は実質的に少ないものと考えられる。むしろ事業者が削除を行う根拠として、法律による義務が加わることにより、出会い系サイト事業者に対する訴訟リスクの軽減に資するものと考えられる。
(3) 削除の対象は限定的かつ明確にすべき
○ 出会い系サイト事業者は法律上児童の利用が認められていないことにかんがみ、削除を義務付ける書き込みは、「児童に関係する書き込み」に限定すべきである。具体的には、@児童が異性を誘う書き込みと、A大人が異性の児童を誘う書き込みとすべきである。
○ 削除の対象は、可能な限り明確にしておく必要がある。判断のための要素を大きく「児童」及び「誘う(誘引)」の2点に絞り込めば、「児童」の概念は既に法により年齢が18歳未満とされており、かつ「誘引」の概念は既に法第6条の不正誘引で犯罪の構成要件とされていることから、十分に明確である。
 なお、出会い系サイト事業者が削除すべき書き込みと削除すべきでない書き込みとをある程度容易に判断できるようにするため、削除の対象となる書き込みについて新たなガイドラインを整備し周知を図ること等を検討すべきであろう。
○ また、出会い系サイト事業者に常時監視の義務を課することまで求めるものではなく、あくまでも出会い系サイト事業者が「知ったとき」に削除義務を課することが適当である。(「知ったとき」とは、削除すべき書き込みの存在を出会い系サイト事業者自らが認知したときのみならず、行政庁等からの通報により認知した場合を含む。)
(4) 出会い系サイト上の書き込みの削除義務と表現の自由について
○ 特定の書き込みに限るとはいえ、出会い系サイト上の書き込みについて事業者に削除を義務付けることに関しては、表現の自由との関係で、慎重に検討を進めなければならないことは当然である。
 なお、研究会においては、この観点から自主的な削除を促進することが適当であるとして、削除の義務付けに消極的な意見もあった。
○ 現行法で、出会い系サイトは児童の利用が認められていない場所、つまりサイト上の「18歳未満立入り禁止場所」となっている。そのような場所において、児童の書き込みや児童を誘う書き込みを削除することは、投稿者たる児童又は児童を誘う書き込みをした大人の正当な権利利益(表現の自由)を侵害するとまでは言い難い。また、法第6条において不正誘引に当たる書き込みについて、刑罰をもって禁止されており、出会い系サイト内での表現の自由は既に制約されている。よって、今回新たに出会い系サイト事業者に対し児童に関係する書き込みについての削除義務を課すことは、投稿者の表現の自由についての従来の制約の枠を超えるものではないと思われる。
※ 年齢確認の強化と削除の義務付けとの関係について
 後述する提言Cでは、児童でないことの年齢確認の強化を求めている。年齢確認を強化することで児童の利用防止に一定の効果は見込まれるものの、対面確認でない以上児童の利用を完全には防止できないという限界がある。そこで、削除義務を含めた他の措置と年齢確認の強化とを組み合わせ、相互に補完することによって、効果的な児童被害の防止が図られるものと考えられる。

(5) 実効性を担保するために
○ 研究会においては、実効性の観点から義務付けに消極的な意見もあった。そこで、削除義務の実効性を担保するため、事業者が違反した場合(認知していながら削除しない場合)に行政処分の対象※Fとするなどの措置について、警察庁において検討すべきである。その場合において、1件だけ削除義務違反のあった出会い系サイト事業者までも直ちに行政処分の対象とするのではなく、違反を繰り返している場合に限定するなどの配慮が必要である。
※F 法第7条あるいは第8条に違反する行為も直ちに刑罰が科される対象でなく是正命令の対象とされていることとの均衡上、直ちに刑罰を科す対象とすることは避けるべきである。

提言B 出会い系サイトに関係した児童被害の防止活動を行う民間団体に対し、公安委員会が情報提供等の支援を行うことが適当である。

(1) 民間団体に対する情報提供等の支援制度を
○ 提言Aのとおり、出会い系サイト事業者が児童に関係する書き込みを知ったときは当該書き込みを削除することを義務付けた場合、実際に削除対象となる書き込みがあったときは、当該事業者に出来るだけ速やかにその存在を知ってもらい、削除に結びつけることが必要である。
○ そこで、民間で児童に関係する書き込みに関する情報を収集する団体、その情報を事業者に提供する活動を行う団体等に対して、公安委員会が届出を受けた出会い系サイト事業者のURLや児童の被害に係る犯罪の発生状況等の情報を提供することなどによって、これらの民間団体の活動を支援することにより、事業者に児童に関係する書き込みの存在をできるだけ早く知らせ、削除義務の実効性を向上させることが重要である。
○ 現在このような活動を行っている団体としては、インターネット・ホットラインセンターや(社)全国少年警察ボランティア協会がある。

3 児童による利用を防ぐために

提言C 年齢の自主申告方式を一部廃止し、年齢確認方法を一層強化することが適当である。

(1) 児童でないことの年齢確認方法の現状と問題点
○ 現行法は、出会い系サイト事業者が利用者が児童でないことを確認する方法として自主申告方式を認めているが※G、年齢詐称により児童の利用が容易に行われ、これをきっかけとして児童の被害が発生している現状にあることから、現在の年齢確認の方法では不十分と言わざるを得ない。
※G 法制定時は、インターネット上で簡便かつ確実に相手方の年齢を確認する方式が普及していないという理由から、すべての事業者が実行可能な方法として自主申告方式(サイト上で「18歳以上ですか」の質問に「はい・いいえ」をクリックする等)を認めた。
(2) 年齢確認方法の一層の強化
○ そこで、児童による利用をより難しくするため、児童でないことの年齢確認方法を現在より強化することが適当である。
○ 技術の進歩による簡便かつ確実な方法が開発され実現予定があるのであれば、その方法を採用することも検討すべきであることから、警察庁において、携帯電話の固体識別番号に年齢識別機能を付加する方法、携帯電話の属性認証技術のサービス実現の予定等を調べた結果、近々、我が国で技術的に簡便かつ確実な方法が実現するという情報は得られなかった。
○ 現在利用可能な確認方法としては、テレフォンクラブ営業(店舗型・無店舗型電話異性紹介営業)の規制内容※Hを参考に、例えば次のような方法が考えられる。
・ クレジットカードによる支払い等18歳未満が使用できない手段により利用料金の支払いを求める方法
・ FAX等で運転免許証等の必要部分(生年月日又は年齢を記載した部分)を送付させる方法
※H テレフォンクラブ営業の規制については、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則」第66条第1項(及び第72条第1項)参照。

提言D 児童の利用を防止するため、出会い系サイト事業者の責務を法に明記することが適当である。

(1) 児童を「退場」させる仕組みの必要性
○ 現行法は、出会い系サイト事業者が利用者が児童であることを事後的に認知した場合でも、事業者にその利用を停止させることまでは求めていない。一方、自主的な取組を行っている出会い系サイト事業者の中には、利用者が児童であることが判明した場合には利用規約に従って退会手続きをとるなどの措置をとっているものもある。
○ そこで、児童による利用を可能な限り未然に防ぐため、児童の利用防止に関する出会い系サイト事業者の取組が実効性のあるものとなるよう、出会い系サイト事業者の責務を法律に明記することが必要である。
○ なお、児童を誘引する書き込みを行った大人の利用者に対しても、出会い系サイト事業者において自主的に適切な措置が採られることが望ましい。

提言E フィルタリング※Iの普及を促進するため、法に保護者及び携帯電話事業者の責務(努力義務)を規定することが適当である。
※I インターネットのウェブサービスのうち、特定の条件が合致するページや特定の条件に合致しないページ(ブラックリスト方式及びホワイトリスト方式と呼ばれている)の閲覧を遮断するソフト又はサービス。

(1) フィルタリングの普及を促進するために
○ 現行法では、出会い系サイトを利用する際の年齢確認の方法として自主申告方式を認めていることから、児童が容易に出会い系サイトを利用できる実態があり、また、仮に年齢確認が強化されても対面による確認でない以上、児童の利用を完全には排除できないことから、児童が使用する携帯電話等から出会い系サイトにアクセス出来ないようにするフィルタリングは、児童の犯罪被害防止に有効である。また、海外の事業者が行うサイトの児童による利用の防止にもフィルタリングは効果的である。
○ 各方面の取組によってフィルタリングの普及促進の効果が上がっていることは事実であるものの、フィルタリングを利用するか否かの判断は、最終的には児童を監督する保護者の意向に委ねられていることから、保護者に対する利用促進の働き掛けが必要であるとともに、携帯電話事業者による販売契約時や機種変更時におけるフィルタリングサービスの推奨が特に重要である。
○ そこで、法に保護者及び携帯電話事業者の責務を明記することにより※xi、保護者については、フィルタリングの必要性についての意識を高めて利用促進を更に図るとともに、携帯電話事業者については引き続き普及努力を促し、販売代理店によるフィルタリングサービスの告知・推奨の徹底をも図ることで、児童の被害防止を図るためのフィルタリングの利用の底上げを図る必要がある。
※xi 法第3条(インターネット異性紹介事業者の責務)、第4条(保護者の責務)及び第5条(国及び地方公共団体の責務)に規定する「児童によるインターネット異性紹介事業の利用の防止」には、フィルタリングの普及促進が既に含まれているが、法文上特記することにより、普及を後押しする効果を期待している。 
○ なお、出会い系サイトに限らず、携帯電話事業者や通信業界によるフィルタリング普及促進のための自主的な取組によりフィルタリングの普及が進んでいることや、現在総務省において「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」を立ち上げ、広く違法・有害情報全般についてのフィルタリング機能の導入促進策について検討が行われているところ、その議論の行方を見守るべきであることから、たとえ努力義務であっても法律上明記することは適当ではないかとの意見もあった。
○ このほか、フィルタリングの効果について保護者や利用者の賛同が得られ、利用がより促進されるためには、フィルタリングサービスに関する技術的・方法論的な改善を図ることが必要ではないか、との意見もあった。

4 適格ではない者を事業から排除するために

提言F 本法に違反した者は、行政処分(事業の停止命令を含む)の対象にすることが適当である。
 また、事業者の欠格事由を設け、該当者は事業廃止命令の対象とすることが適当である。


(1) 不適切な運営を防ぐ仕組みの不足
○ 現在は、出会い系サイト事業者を特定できない場合を除き是正命令の前段階の警告によって違法状態が改善されているが、今後、出会い系サイト事業者に対してより厳しい義務を課した場合には、違反行為を繰り返す事業者が出現するおそれもあるところ、現行法には、是正命令の仕組みはあるものの、このような事態に的確に対処できる仕組みがない。
(2) 事業の停止命令の仕組みを設ける効果及び欠格事由の新設
○ 事業の停止命令の仕組みを設けることにより、是正命令の仕組みだけでは規制に従わない事業者に対しても、法令の遵守を促す効果が期待できる。
○ 不適格者を排除するため、例えば、探偵業法(探偵業の業務の適正化に関する法律)のように、欠格事由(例えば、暴力団員、児童、一定の前科者等)を設け、出会い系サイト事業者が欠格事由に該当することが分かった時に事業廃止を命じる制度を設けることが適当である。
(3) その他
○ 罰則を設ける等、停止命令・廃止命令の実効性を担保するための措置を警察庁において検討すべきである。

5 その他

提言G 出会い系サイトではないが、当該サイトの利用に起因した※xii児童の犯罪被害が相当程度発生しているサイトの運営者は、自主規制として、ネット上で出会った異性との交際の危険性についてサイト上で注意喚起すること等を行うことが適当である。
※xii 法第1条の「インターネット異性紹介事業の利用に起因する」の「起因」と同じく、サイトを利用したことによって犯人と知り合い、児童が児童買春等の犯罪被害に遭うことを表す。

(1) 出会い系サイトではないが、当該サイトの利用に起因した児童の犯罪被害が相当程度発生しているサイトの現状

○ 出会い系サイトではなく児童の利用が法的に何ら規制されていないサイトにおいても、当該サイトの利用に起因した児童買春等児童の犯罪被害が相当程度発生していることが判明している【図表16参照(略)】。また、被害の傾向を見ると、出会い系サイトとは異なり、青少年保護条例違反(淫行等)が最も多い。
(2) 対策の必要性
○ 今後、出会い系サイトの児童の利用規制が強化されれば、このようなサイトに児童の被害がシフトする可能性は否めず、また、現に児童の犯罪被害が相当程度発生している以上何らかの対策を講じるべきである。このようなサイトは、提供されるサービスが出会い系サイトとは異なることから、直ちに出会い系サイト事業者と同様の責任を当該サイトの運営者に求めることは適当とはいえないものの、このようなサイトの一部の運営者は児童の被害防止対策を現に行っていることから、これを参考に、どのようなサイトについても、一定の自主規制を中心とした対策を講じることが必要である。
○ そこで、サイトの利用に起因して、主として児童買春・児童ポルノ禁止法違反、青少年保護条例違反等の犯罪被害が相当程度発生しているサイトの運営者に対して、例えばネット上出会った異性と交際することについての危険性についてサイト上で注意喚起するなど、自主的な取組を進めてもらう必要がある。このようなサイト上での注意喚起等であれば、低負担で容易に可能な手法である。
○ また、サイト運営者の運営方針として、当該サイトを異性交際目的で利用することを禁止していることを利用者が知らない場合もあると考えられるので、サイト上の見やすいところへのその旨の表示に自主的に取り組むことを求めることも適当である。
○ これらにより、児童への警鐘効果及び誘引しようとする者への心理的な抑止効果が相まって被害の減少が期待できる。

6 今後の課題等

 児童に向けた広告メールの送付の禁止について
(1) 現状と問題点
○ 出会い系サイトにアクセスしたことのある中高生のうち、「広告メールを見て」アクセスした出会い系サイトを知った者は32.0%であり【図表13参照(略)】、また、出会い系サイトに関係した被害児童のうち広告メールをきっかけに当該サイトにアクセスした者は9.2%であった。(警察庁による被害児童調査(平成19年7〜9月))
(2) 検討の内容
○ 広告メールから出会い系サイトを認知する児童数の減少が期待できることから、児童に向けた広告メールの送付の禁止について検討した。具体的には、年齢確認が出来ていない場合の広告メール送付を禁止し、広告メールを送れる場合としては、年齢確認済みの会員に対する広告メール送付あるいは児童でないことの確認メールを事前に送付し自主申告で確認を受ける方法である。
○ 現在政府内においては、出会い系サイトの広告を含む迷惑メールの規制の在り方について、総務省が特定電子メール法、経済産業省が特定商取引法の見直しを検討しているところ、政府内のこれらの議論の行方を踏まえつつ、現行法が改正された場合における規制の効果も見極めた上で更に児童に向けた広告メールを規制する必要性の有無について今後検討すべきである。

 私人(第三者)が児童に利用させる行為の禁止について
(1) 検討の内容
○ 今後、提言Cのとおり年齢確認義務を強化した場合には、私人(第三者)が児童に利用させる行為(例えば、大人がログインして児童に使用させるなど。)が敢行されるおそれがある。そこで、私人(第三者)が児童に利用させる行為を禁止して未然防止策をあらかじめ講じれば、このような脱法行為を封じる効果がある。
○ しかしながら、実際に私人(第三者)が児童に利用させた具体的な事例は把握されなかったので、私人(第三者)の特定の行為を犯罪化するこのような措置を提言に盛り込むことは、見送ることとした。

 今後の運用で配慮すべき点について
(1) 出会い系サイト事業に関する相談窓口について
○ 出会い系サイト事業者や自己の運営するサイトが出会い系サイト事業者に該当するのか判断に迷う事業者に資するよう、今後、本法の運用に関する適切な相談窓口を明らかにしておくことも必要である。
(了)
受付時間 9:00〜17:00 (日曜・祝日を除く。)
日曜日・祝日でも上記時間内であれば可能な限りご対応いたします。お気軽にお問合せください。また、他のお客様と面談中等で、お電話がつながりにくいことがあります。時間をおいてお掛け直しいただければ幸甚です。
藤田 海事・行政 事務所
海事代理士・行政書士  藤 田  晶
 
著作権相談員(管理番号 第0939068号)
〒799−0101 愛媛県四国中央市川之江町3023番地の4
電話 0896−58−1821
FAX 0896−56−6023
http://www.geocities.jp/fujita_office/
出会い系サイトの広場
出会い系サイト届出手続代行センター
出会い系サイト〔インターネット異性紹介事業〕届出
トップページに戻る
いらっしゃいませ…藤田 海事・行政 事務所です。