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愛媛県四国中央市 海事代理士・行政書士  藤 田  晶  事務所
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インターネット異性紹介事業者の閲覧防止措置義務(いわゆる削除義務)に関するガイドライン

1 条文の解説

 インターネット異性紹介事業者の閲覧防止措置義務(いわゆる削除義務)については、インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(平成15年第83号)第12条第1項において、次のとおり規定されています。

 インターネット異性紹介事業者は、その行うインターネット異性紹介事業を利用して禁止誘引行為が行われていることを知つたときは、速やかに、当該禁止誘引行為に係る異性交際に関する情報をインターネットを利用して公衆が閲覧することができないようにするための措置をとらなければならない。

○ 削除の対象となる「禁止誘引行為」とは、法第6条各号において規定されていますが、次の書き込みが該当します。
・児童(18歳未満)を異性交際の相手方となるように誘う書き込み
・大人に対し、児童との異性交際の相手方となるように誘う書き込み
○ 「禁止誘引行為」は、性交等に関する文言(「H」、「セフレ」等)や対償に関する文言(「2万」、「¥3」等)を含まないものもその対象となることから、単に児童に関して異性交際の誘引を行えば「禁止誘引行為」に該当します(「遊びませんか」、「カラオケに行きませんか」等)。
○ インターネット異性紹介事業者に削除義務が発生するのは、禁止誘引行為の書き込みがあることを「知ったとき」です。禁止誘引行為の書き込みの存在を知らない場合にまで当該書き込みの削除義務が発生するものではありません。
○ 「速やかに」とは、一律にある時間の長さで規定できるものではありませんが、合理的に考えて「知ったとき」から「すぐ」であることが必要です。
○ 「公衆が閲覧することができないようにするための措置」とは、通常は禁止誘引行為の書き込みを削除することが想定されますが、削除以外の措置であっても、当該書き込みが閲覧できないようになる措置であればその他の措置であっても構いません。

2 該当性の判断

(1) 「禁止誘引行為」該当性
 
問 児童が、単に自分のプロフィールのみを記載し、メッセージは何ら書き込んでいない場合は、禁止誘引行為に該当するのか。
(答)
 通常、インターネット異性紹介事業のサイトにおいてプロフィールを書き込む行為は異性交際が目的であると考えられ、また、プロフィールを掲載した利用者に対して他の利用者がメールを送信することも想定され、当該サイトへのプロフィールの掲載自体が誘引行為と考えられることから、禁止誘引行為に該当します。

問 例えば、利用者のプロフィールを記載する欄に「16歳・女」等と書き込み、メッセージを記載する欄に「今から会える人いませんか」等と書き込む場合、これらの書き込みは、禁止誘引行為に該当するのか。
(答)
 メッセージを記載する欄における書き込み内容のみでは禁止誘引行為に該当しない場合でも、当該書き込みを行った利用者のプロフィール欄等の記載と併せて読めば、児童に係る異性交際を誘う書き込みと判断できることから、禁止誘引行為に該当します。

問 インターネット異性紹介事業のサイトにおける「16歳〜20歳の女の子で会える人いませんか」という書き込みは、児童に限定していないが、禁止誘引行為に該当するのか。
(答)
 「16歳〜20歳」といった場合は、児童である16歳及び17歳を明示的に含んでいることから、禁止誘引行為に該当します。

問 インターネット異性紹介事業のサイトにおける「女子高校生で僕と会える人いませんか」という書き込みは、児童に限定していないが、禁止誘引行為に該当するのか。
(答)
 高校生は通常15歳から18歳であるので、「高校生」を誘引する書き込みにおいては、15歳、16歳、17歳、18歳の者を誘引していることとなります。したがって、18歳未満の者を誘引していることが文言上明らかと言えるので、禁止誘引行為に該当します。

問 インターネット異性紹介事業のサイトにおける「私は女子高校生ですが、今から会える人いませんか」という書き込みは、児童に限定していないが、禁止誘引行為に該当するのか。
(答)
 「自分は高校生である」旨の文言により他人を誘引する書き込みにおいては、高校生は18歳の場合もあることから、児童であることが文言上明らかとは言えないので、「高校生」という文言のみでは直ちに禁止誘引行為に該当するとは言えません。
 ただし、当該書き込みをした利用者のプロフィール欄に「16歳・女」等の記載があり、これと併せて読めば児童に係る児童交際に誘う書き込みであると判断できる場合には、禁止誘引行為に該当します。

問 インターネット異性紹介事業のサイトにおける「20歳以下の女の子で会える人はいませんか」という書き込みは、児童に限定していないが、禁止誘引行為に該当するのか。「18歳以下」という書き込みの場合はどうか。
(答)
 インターネット異性紹介事業のサイトは児童の利用が禁止されており、そのようなサイトにおいて「20歳以下」と言った場合は、通常「18歳、19歳及び20歳」を指すと考えられることから、禁止誘引行為に該当しません。
 ただし、「18歳以下」と言った場合は、文言上18歳未満の存在を前提にしていると考えられることから、禁止誘引行為に該当します(18歳未満の存在を前提としないのならば、単に「18歳」と記載すると考えられます。)。

問 児童や誘引行為を表す隠語を用いた書き込みは、禁止誘引行為に該当するのか。
(答)
 書き込まれている用語について、禁止誘引行為を直接意味する用語の代わりに隠語として用いることがインターネット異性紹介事業において通用しており、又は、書き込みにおける文脈やその他の者による書き込みの内容等から、当該用語が禁止誘引行為を直接意味する用語の代わりに隠語として用いられていることが判断できる場合は、禁止誘引行為に該当します。

(2) 「知ったとき」該当性

問 インターネット異性紹介事業者は、自らのサイトで禁止誘引行為が行われていないか、常にチェックする義務があるのか。
(答)
 法律上、インターネット異性紹介事業者には、禁止誘引行為について、常時監視する義務はありません。

問 「知ったとき」とは、インターネット異性紹介事業者自らが禁止誘引行為を発見した場合のみを言うのか。
(答)
 禁止誘引行為が行われていることを「知ったとき」とは、インターネット異性紹介事業者自らが発見した場合のみならず、登録誘引情報提供機関や警察等、外部からの情報提供により知ったときも該当します。児童被害防止のためには、外部からの情報提供を常時受け付ける態勢を設けることが望まれますが、そのことを義務付けるものではありません。

3 努力義務について

 上記1及び2で説明したいわゆる削除義務以外に、インターネット異性紹介事業者には児童の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するための措置を講ずる努力義務が課されています。この努力義務について、法第12条第2項には次のとおり規定されています。

 前項に定めるもののほか、インターネット異性紹介事業者は、その行うインターネット異性紹介事業を利用して行われる禁止誘引行為その他の児童の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するための措置を講ずるよう努めなければならない。
  ※ 「前項」とは、法第12条第1項を指します。

○ 「禁止誘引行為その他の児童の健全な育成に障害を及ぼす行為」とは、禁止誘引行為に限らず、広く児童の健全な育成に障害を及ぼす行為全般を指します。例えば、児童以外の者による売春を誘引する書き込み、児童買春若しくは淫行をあおる書き込み又はわいせつ図書等をインターネット異性紹介事業の電子掲示板に掲載する行為がこれに当たります。
○ 「児童の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するための措置」とは、例えば、次のような措置が該当します。
・ 自らが運営する出会い系サイトに書き込まれた売春を誘引する書き込み(禁止誘引行為に該当する書き込みを除く。)を削除したり、アップロードされたわいせつ図書を削除したりすること。
・ 禁止誘引行為に該当する書き込み行為が禁止されていること、違反した場合は書き込みが削除されること等を、規約に掲載したりサイトに表示したりして、利用者に注意を喚起すること。
・ 禁止誘引行為を行った利用者について、規約等に基づき利用停止措置をとること。
・ 法第12条第1項の規定に基づくいわゆる削除義務の対象となる書き込みを自ら発見し、又は通報を受けること等により知った場合、速やかにこれを削除するための体制を整備すること。
○ 「努めなければならない」とされているとおり、法第12条第2項の規定に基づく措置を講じないことにより、本法の規定に基づいて刑罰を科せられたり行政処分を受けたりすることはありません。しかし、児童の健全な育成に資するとの法の目的に照らせば、インターネット異性紹介事業者が積極的にこれらの措置を講ずることが強く期待されます。

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