債務帳消しキャンペーン講演会

 

1月10日(日)9時半ミサ後に北沢洋子氏(IMF・世銀を問う連絡会)をお迎えして、2000年債務帳消しキャンペーンについてお話をうかがいました。

お話の趣旨は次の通りです。

●JUBILEE2000、債務帳消しキャンペーンとは?

 「2000年に向けて、最貧国の返済不可能な対外債務を帳消しにしよう」という民間レベルの世界的キャンペーンです。

 ことの起こりは.......というと、1990年にアフリカのキリスト教協議会が、2000年をJUBILEEの年として、先進国政府に債務の帳消しを呼びかけたことに始まる。そして、1994年に教皇ヨハネ・パウロ2世の使徒的書簡「紀元2000年の到来」において、国際債務問題に言及しました。

 『キリスト者はレビ記(25・8-12)の精神にしたがって、世界中のすべての貧しい人のために声をあげ、聖年が多くの国々の将来に深刻な脅威となっている累積債務をすべて帳消しにしないまでも、大幅に減額することを考慮するのにふさわしい時であることを提言しなければなりません』

 この後、世界中のキリスト教会、労働組合、医師会などがこの運動に参加した。現在では、英、米、独、仏、伊、カナダなどでJUBILEE2000連合が発足した。

  

●最貧国の債務の実態

 重債務の最貧国の数は38ヶ国にのぼるが、その殆どはサハラ以南の黒いアフリカに集中しています。

その特徴は、

1)ほとんどが公的な債務である。

たとえば、日本のODAの円借款、欧米の貿易保険が焦げ付いたもの。

2)アジアなどの途上国に比べて、IMF,世銀、アフリカ開銀など多国間債務の比率が多い。

日本政府の場合、毎年二億ドルの”無償援助”をしている。ところが、欧米のような贈与ではなく、日本の場合は低い利子の融資もこの”無償援助”に含まれている。この一部を債務返済に当ててきたが、本来必要なODAそのものが行かなくなる。不足分は利子の高い通常の世銀融資を受けることになる。

3)債務の返済は、財源は国家財政だが、結局、輸出で得た外貨を充当することになる。

例えば、ケニアの場合、最大の輸出品であるコーヒーの代金がすべて債務返済に充てられ、生産者の農民には代金が払われていない。そのため、農民が高利貸しから借金をし、個人の債務も増え、子供を学校へやれなくなり就学率も半減したという!

また、世銀への債務はなんとしても返さなければならないので、国家予算の相当な部分(国家予算の80%)を債務返済に充当することになる。その分、教育費や医療費が削減されることになる。 

4)アフリカの通貨が下落したため、債務が自動的に増えてしまった。

5年前、IMFの勧告によりフランス語圏アフリカで通貨が100%切り下げられた。そのため債務は軒並み2倍になった。タンザニアでは通貨のシリングが100分の1に値下がりしたため、債務は100倍になった。

5)もはや、今日ではアフリカの債務の全額を返済することはできなくなった。

世銀の統計では、アフリカは返済すべき額の43%しか支払えなかった。この際、返済できなかった分は債務に加えられていく!

以上のことから、アフリカの債務の増大は、世銀の政策、ODAの激減、輸出品の値下がり、通貨の切り下げなど外因によるところが大きく、アフリカ政府の失策だけを非難することはできない。また、債務については、なんの責任も無い貧しい人々、とくに女性や子供が債務返済の犠牲になっているということは、道義に反することではないか。

 

●もし、債務帳消しをしなかったらどうなるか?

 10億人もの人達の命に関わる問題。たとえば、ちょっとした予防注射をすることができなかったばかりに病気になり、必要な手当てを受けられずに命を落す子供たちが続出する可能性がある。

 また、政情不安定から内乱などへ発展し多くの命が失われ、いわゆるPKO活動のために、さらに巨額の軍事費が使われることになると予想される。



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