地動説と天動説
 
「夏の新蕎麦」という表現は、大っ嫌いである。
夏という季節は、今いる自分の季節である。言葉を変えていうならば、私という、不動の自分がまずそこにいる。それを中心に考えた表現だと思うからである。
違う!地面が動いているのだ。つまり逆の季節を迎える土地から輸入しただけなのである。かつて、南半球の南アフリカ、ブラジル、アルゼンチンから蕎麦は来ていた。中国だって南方産は早く新を迎える。なぜそこを無視して報道するのか全く理解できない。
地動説的に考えれば、自分が移動するから、ずれた収穫期を迎える。商社貿易では問題にならない収獲期のずれである。オーストラリア産の米を食せば、夏に新米を食べられる。それを目的に食す人がどれだけいるだろうか?皆わからない現象で、売名をしたと評価されても仕方がない。それにつきあう報道もけしからん。記事を読むと馬鹿になる。わからない人間が書いたのだから当然である。四季の移ろいを大切にしてきた日本料理の恥である。