水車訪問


 ドイツの水車小屋を訪ねる方法はいくつかある。いくつかの小屋が固まって、いわゆる水車村をおとずれる散歩コ−スもあるし、車で訪ねる方法もある。今回(2001年)は自転車を借りて地図片手に約3時間のサイクリングとしゃれ込んだ。

  ドイツ製の自転車に始めて乗ったが、これがまた良くできている。優秀な国産自転車部品で有名なシマノさんも、うかうかしていられない。ペダルを逆に回すと後輪のブレーキがかかるようになっているのだ。乗る時は、ペダルを逆回転できないので少し慣れがいるが、下り坂などはいちいちブレーキをかけなくても自動的に速度制御してくれる。しかも内装7段式。山坂道の多い長距離サイクリング用という印象だった。
 この自転車を貸してくれたのはBad WimpfenにあるNeckarblichというホテル。事前に予約をしておいて駅から電話をすれば、支配人か奥さんが車で迎えに来てくれるはずだ。

 1998年8月、家族連れで巡った水車散策道(ドイツ製粉記念日番号73642)を紹介しましょう。同じ州、Welzheimというとても美しい所。その自然にとけこんだ、雄大な装置を見つめていると、まるで中庸をよしとせぬ、壮拳を自らたのむ先人の思いがこみあけてくるようだった。無言の行があり、ただただ美しさに魅了され、水重と高さできまる位置エネルギーの公式が、全く自然に着想してしまえるのではないかと思えるほど、大きな弧を描いて重く回転している。以下は現地案内書訳とする。(古都シュバービッシュハルの聖ミヒャエル教会の舞台階段から、マルクト広場左横にあるインフォメーションにて入手)

 周囲32km、時間の都合で10kmの近道も用意している。この地方を特徴づけている木骨建築の水車を見ることができる。このあたりはかつてローマの辺境防壁があり、ドナウ川上流の流れを利用して水車が数多く作られた。ヴェルツハイム森林域には、かつて26ヶ所の製材所や粉挽き水車があった。今なおバーデン・ヴュルテンベルクにおいて他に類を見ないほどの景観と、芸術的描写を描き出している。 
 過去からのずっと続く、たゆまない後継者によって、この景観をかたくなに守っている若い時代へと人々は引きずり込まれ、それは過去が再びよみがえってくるようだ。水車散策によって、人々は心の休暇をきっと与えられる事になるに違いない。
 12世紀始めにすでにハインスレスミルでは製粉が行われていた。それからすぐのところに有名なフメルガウチェと出会える。水車散策をしている我々は、歴史ある水車によって、天空をさまようヴェルツハイム空間へ引き込まれていくようだ。そしてフォーゲンベルグミル、モイシェンミルそしてオーバーミル水車は、東フリースの故郷としてそのままの姿を残している。それらの水車は8世紀にこの森に越してきた。
 一番古い水車は、ハグとガウシュハウザー・バッハに蒼然として横たわるメンツェルスミルである。ハグミルともう少しハグホフよりのオイルミルは、かつてはリムプルグ領主の所有だったところだ。1604年にはアーゲルベルグ修道院が所有していた、エーベンスベルガーミルが建てられた。クリンゲンミルは1812年から3年の間、有名な医師でもあったこの地域の支配者ユスティヌスケルナーの滞在場所であって、その様子は彼の詩集「水車のさすらいびと」として広く読まれ継がれている。