製粉のきっかけ
 人類が粉にした最初のきっかけは何だったのだろうか?そこら辺に落ちている石を使って、穀物をたたいて砕くか、磨り潰すかして、生で食べても腹にもたれないようにした結果なのだろうか?

 アフリカ西岸に位置するギニア共和国の森深くに住むチンパンジーが、適当な自然石の上へ木の実をのせて、器用に割っている行動をメディアで見た。彼らが木の実を割っている石は、根気良く使っているうちに、段々と角が取れて石器らしくなるという発見もあるらしい。

 くちばしの細いハシボソカラスが胡桃を空中から投げつけて中身を取り出す行動は良く知られているし、同じく線路とか車道の上に木の実や貝をそのくちばしでつまみ置きする習性があるとか聞く。大脳の発達と粉を挽く習性とかが果たしてどこまで関連し、これが製粉の歴史とどこまで関係しているのか判らないが興味は依然として残る。⇒参考Chimpanzee

 これらの動物と人間と根本的に違う事は、人間が何時の間にか意思を持って、コウ石として石の加工、つまり道具となる石の工作を施してきたいうことだ。自然石を研磨するため磨石や台石に打たれた跡、コウ打痕は各地の遺跡で発見されている。石器の製作には何を見てからか、これから作る人の持つ、自然石から完成するまでのはっきりとしたイメージが必要だ。頭のなかで描いた設計図が必要である。その物を作る根本姿勢は、現代の製粉機械のみならず、集積回路の石、そしてコンピューターまですべての機械道具の発展につながってくるといっても決して過言ではない。

 各所の遺跡からはその昔、実をつぶして粉にしたかもしれない、様々な植物の花粉が出土している。住居の敷地内から蕎麦の花粉が出ているので、食べ方は別として、もうこの時代には蕎麦を食材にしていたのだうという考えも決して否定できない。日本中部以北の遺跡では、すでに蕎麦を人工栽培していただろうと考えられる痕跡までも見つかっている。小麦の場合は、中近東地域の遺跡から栽培した痕跡と石臼が平行して出土している。