ヨーロッパ臼石材
 石臼に適した石材は単1組織で、硬くない方が良い。材質にざらつきと鋭さとを合わせもった能力が必要で、その表面には殻物をたたき切る鋭い溝を施すことが必要である。挽砕される穀物の種類によっても当然材質が異なり一般には3種類に分けられている。(J.F.Lockwood著、Weizen Muellerei独文訳)

その1つ
 フランスの「ブール石」

(bouleとは今ではフランスで石の様に硬いパンを意味する。bourgはほぼ五千万年前にアルプス隆起によって褶(しゅう)曲した古い山塊である。ジュラ山脈の南端で、新酒で有名なボージョレ地方の東部にあたる。)
 これは石英部のわりと均一化した天然石であり、他の構成要素としてはケイ素や炭酸カルシウム、酸化鉄、酸化アルミニウム(アルミナ)を微量元素としている。
それらが表面摩擦の質と強制破壊を以てして、その品質は最高峰を誇っていた。
これらの天然岩石は、かつて約10mの幅と深さをもって大地をえぐりとっていった。しだいに爆薬による採掘手段を使い、もはや1片の岩石も裂けなくなってしまった。それでもなお素手でかき集めながら掘り起こした、良質な鉱床に覆われていた大地は、その優秀なる装置材質確保の為に一掃されてしまったのである。

その2
 「ダービーシャイヤー・ピーク石」

(英国中部の州名Derbysire、ダービー競馬で有名)
これは砂岩の1種であり、フランス・ブール石よりも軟らかい。耐摩耗性は低い。
大豆やカラスムギ製粉に使われる。この石は一枚使用で石片による合成はしない。
ざらついた、がさつな面で粉砕作業をする。

その3
「人口石」
 3mm厚、もしくはもっと薄いブール石や金剛砂を使用し、これは硬質セメントで練り固められる。
石英、珪素、ダイヤモンド、コランダムも場合によっては使用される。
表面のすべり摩擦の調整ができる。完成品は定められた石の硬度に対応するように作られる。
人工石には柔らかな部分が無いので、どのようにして自然石に近づけるかが問題となる。
中に詰める粒子との相関で、数えきれないほどの臼面が得られる。自然石よりもメンテナンスがいらないし、おおよそ100t挽くのに1度の目立て作業で済む。
そのことでエネルギー消費は減ったし効率もあがった。