生粉打蕎麦

 蕎麦粒子の形が一定でないのに気がつく。自然界に存在するもののすべてが一定の形をしていない。相違が判明すると確かに発見ではあるが当然のことでもある。

 何がこうさせているのか、それはある普遍性を含んでいるからに他ならない。普遍性とは何だろう。決定論から表現するとカオスであり、複雑がたくさん集まっている蕎麦という植物の粉であって、組織論で言うとフラクタルである。わかり難い表現かもしれないが、それが単純明快な説明であると考える。蕎麦と水とで練り、出来上がった物質の状態から眺めてみるのが手っ取り早い。植物が育ってきた環境に左右されず、DNA段階からプログラミングされていた普遍性である。

 タンパク質を作っているアミノ酸の結合はペプチドの名称が知られている。これらペプチド結合の連鎖は自己相似性を生み出し、そこに組織されるタンパク質はフラクタル構造を持っている。デンプン組織は、熱湯を加えることによって複雑系カオスとなる。その他の多糖類、脂肪酸や酵素、ビタミンの類も相重なって働いている。これが麺の微視構造だ。どこまでの微小物質を粉体と指すのか、粒子を良くわきまえた上でないと解せなくなるほど、付着の意味合いの興味は尽きない。

 蕎麦粉や小麦粉は時間のスケールを入れると、その状態にしても生命の残っているものだ。結果として既に与えられているという考え方である。当然の結果としての普遍性は切り口を変えれば、又違う表情を見せる。そこが粉を見るうえでのポイントである。今までラボで測定してきた結果から、線形表現した。これはコンピューター解析が出来うるということである。しかし結論からいうと、厳密には線形で無いのである。 ⇒くわしくは、著書「蕎麦匠心得(そばしょうこころえ)」を読んでください。出版社:営業部(03-5816-8282)