電気製品


フランスの電気は220V60Hzである。日本の電気製品はそのままでは動かない。220Vから100Vに降圧する変圧器が必要である。
引越しの際、使い慣れた日本の電気製品を持っていきたいところであるが、この電力事情による持ちこんで使える製品に限りがある。
まずはキッチン周りから。冷蔵庫のような常時電気を使用するものは望ましくない。変圧器で電圧を落とすことで電力の損失がある上に変圧器自体が劣化し漏電などの事故が起こることもある。常時接続しておくのは気持ちの良いものではない。洗濯機は日本とフランスとでは根本的に方式が違う。フランスではほとんど全てタンブラー式であり、家屋内の設置できる場所での適合性に問題があるかもしれない。フランスの水道水は圧力が高く、日本製の洗濯機の給水耐圧に余裕がないかもしれない。排水も日本のような排水パンはなく、配水管が出ているだけなので強制排水ポンプを備えたものでなければ十分な排水が出来ない可能性がある。なによりも水道水の水質から洗濯方法まで全て異なるので日本方式の洗濯に適した洗剤にめぐり合えるか疑問である。電子レンジ、電気オーブンなどもかなりの電力を消費するのでそれ相応の容量を持った変圧器を用意しなければならない。
消費電力は大きいが変圧器を用意してでも是非持っていきたいのが炊飯器である。最近の日本の炊飯器は高度なハイテク調理機器であり日本式に米を炊くということのみに特化した製品であるので他の国ではほとんどお目にかかれないし、あったとしても高価にしてかなり時代遅れのものである。つまり日本国内で市販されている100V仕様のものが最高である。電磁加熱式の炊飯器で500から1000Wは消費するので余裕を見て1.5KWの変圧器を専用で用意すべきである。昔ながらの文化鍋とガスコンロなら問題ない。
小物類でハンドミキサーなどは消費電力が小さく常時使用するものではないので問題ない。湯沸し保温ポットは常時通電している上に湯沸し時に大きな電力を消費するので好ましくない。水質の上でもカルシウムの析出が多くなり手入れが大変である。コーヒーメーカーはこだわりの一品でなければ諦めよう。無理して使うよりむしろフランスで良いものを見つけるほうがよい。エスプレッソ用なんかでもフランスでは安く手に入る。焼肉用などのホットプレートは消費電力が大きいがたまにしか使わないので変圧器さえ間に合えばあとは好みの問題である。ただし、食卓で鍋やホットプレートを直接つついて食べる食事は絶対に恋しくなる。
リビングルームへ行くと、テレビ、ビデオ類。フランスのテレビは日本とはビデオ信号方式が異なる。SECAMという方式の亜流でフランスと旧ソ連くらいしか使っていない方式である。フランスで市販されているテレビ、ビデオはたいていこのSECAMとPALという方式のハイブリットになっており、一部の機種で日本、アメリカのNTSC方式も互換があるものがある。フランスのテレビを見るにはこちらでテレビを買う必要がある。日本で録画されたビデオを見るのであればフランスのNTSC再生対応のビデオをテレビとあわせて購入するか、日本から日本のテレビ、ビデオを持ちこむことになる。日本にもマルチシグナル対応のユニバーサルビデオデッキがあるにはあるが高価で品薄で期待に添うようなのはきっと見つからない。なにもかも一台でこなすのはむずかしい。テレビゲームたとえばプレイステーションは日本仕様の出力信号すなわちNTCSを入力できる日本のテレビあるいはフランスのテレビを用意。当然変圧器も必要である。ハードウエア上の電源電圧、ビデオ信号のほかにソフトウエアー上の互換性があるので注意が必要。日本仕様、NTSC-Jと記されたハードウエアーおよびソフトウエアーはNTSC北米仕様およびヨーロッパPAL仕様とは相互に互換性がない。フランスで見つけた面白そうなソフトも日本の装置では使用できないし、日本のソフトもフランスで購入したハードで楽しめない。オーディオ関連ではアンプその他の消費電力次第で変圧器の用意となる。音にこだわる人はお気に入りのオーディオを持ちこむだろうし、携帯音楽機器なら電源の問題はない。DCアダプターを使用するタイプは日本のDCアダプターと変圧器を併用すると接続が美しくないのでフランスでアダプターを購入するとよい。1.5Vから12Vまでであれば電圧/極性切り替えスイッチとたくさんの変換プラグがついて40Fほどで手に入る。ご存知の通りCD、MD、カセットテープに互換性の問題はない。ラジオはフランスのFMが日本より広い周波数を使用しているので日本のラジオでは聞けないチャンネルが多くなる。日本では100MHz以上にテレビが割り当てられているからである。
小物の電気製品でドライヤーは最近、旅行携帯用にユニバーサル電源仕様のものが市販されているがこれで済まそうとすると大変である。旅行ではなく何ヶ月も何年も旅行用のものでは使い悪い。フランスで現地調達も手ではあるが使い慣れたものが一番である。大き目の変圧器を用意しよう。電気ひげ剃りも同じく使い慣れたものがよいがこちらは問題ない。
フランスの掃除機はピンからキリまでであるが、一概にパワフルである。靴を脱がずに外のごみまで多く持ちこむのであるから当然である。一方、日本の掃除機はコンパクトで小回りがきく。変圧器併用で使うにあたって注意を3点。フランス式に靴を脱がない生活をするならばごみの多さで日本の掃除のごみパックはあっという間にいっぱいになる。ごみパックは日本でしか手に入らない。そして変圧器が必要なので機動性が極めて悪くなる。
情報機器類。電話は家屋のプラグの形状こそ異なるが方式はいっしょ、変換プラグで接続、使用可能である。ファックス、留守電は自動受信がうまく行かないらしい。フランスで買うしかないのだが、こちらで手に入るファックスは日本のものと比べて恐ろしく時代遅れで地味で魅力を感じない上に高価である。ファックス付き電話はファックス付き電話でありたいてい留守電はついていない。留守電は別個に装置が必要。需要と供給を如実に表す。携帯電話はだめ。イリジウムなら大丈夫でしょう。コンピューターは電源がユニバーサルであれば問題なし。ノート型やプリンターなどの周辺機器は電源にアダプターを使用するがこれがたいていマルチ電圧対応なので変圧器は不要。デスクトップやディスプレイは確認が必要。国産メーカーの国内モデルはコストダウンのためまずマルチ電源になっていないでしょう。
変圧器は電力容量と使用する機器の消費電力を良く考慮した上で選定する必要がある。長時間使用するものであれば容量いっぱいでの使用は控える。50%くらいは余裕を持とう。万が一のときには火をふくことだってある。二次側の電圧をコントロールする制御回路付きのもの、プレーカー、安全装置のついたものがおすすめである。変圧器の代わりは手に入るがそこにつながる日本仕様の電気製品はフランスでまず手に入らない。使い慣れたお気に入りの物となるとなおさらである。取り寄せようにも引越し荷物でない電気製品の発送には関税がかかる。<BR>
変圧器はどの電気屋にもあるものではない。50W程度の旅行者携帯用の小さな変圧器は簡単に見つかるがこんなものいくつあっても役に立たない。変圧器にも安定化されていないものがありこれらは熱源用と称されていることがある。出力が不安定で電子機器への使用推奨していない。<BR>
変圧器の必要ないユニバーサル電源仕様の製品も電源変換プラグが必要である。フランスはコンセントの形が違う。変換の際、アースの接続を忘れずに。
最後にウチの電気事情を紹介。

キッチン
変圧器100W−−−バーミックス(ハンドミキサー)

食堂
変圧器1500W−−−電子レンジ、炊飯器、オーブントースター、電子ピアノ
どの組み合わせでも、同時に2つは使えない<BR>

リビング
変圧器1000W−−−コンピューター、ディスプレイ、掃除機

変圧器100W−−−テレビ21インチ、ビデオ、プレイステーション、ミニミニコンポ

寝室
変圧器1000W−−−ドライヤー、ひげ剃り充電器、掃除機

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