フランスブロードバンド事情

1998年に渡仏した当時の日本のこと、インターネット接続と言えばダイアルアップが当たり前。しかも首都圏ではトラフィックが集まる夜11時以降では大手プロバイダのアクセスポイントは飽和してモデムから話中の音が聞こえる始末でした。そのときフランスではどうだったかというともちろんやっぱりダイアルアップ。インターネット以前に深く浸透したミニテルという電話回線につなぐ情報端末のおかげでインターネットの出る幕はありませんでした。おかげでその後何年かはフランはネット後進国に甘んじなければなりませんでした。 ADSL回線の普及も日本に遅れ、速度も当初から512kbpsのみという貧弱なものでした。これには電話回線収容局からの距離で人口密度の低いフランスが不利であル問いう事とともに、局からの距離が十分でもその向こう側にあるネットのバックボーンがブロードバンドを許さないという推測をしておりました。しかしこのところのフランスネット事情はどうでしょう?都市部でくまなくADSLが使えるようになり、フランステレコムの独断場だった通信事業が、多くの競合企業の登場で大きく様変わりしています。

ブロードバンド以前より登場し始めた割安電話会社は今度はインターネット回線を抱き合わせてやってきました。ネット業者はIP電話で対抗です。おかげで20Mbpsのインターネットと通話料無料のIP電話がセットで月26-30ユーロにまでなりました。

日本では放送とネットの垣根が云々と騒がれていますが、フランスではテレビも映画もブロードバンドで配信されるようになりました。ADSL契約とともに電話線から地上波、衛星、ケーブルのテレビ放送がデジタルで配信されます。最新映画のオンデマンド放映も行われています。ここまで電話線が情報インフラとして多くを担うようになったのは、もともとあったケーブルテレビはテレビとしてはともかく情報通信に疎かったこと、そして最近建てられる新しい住居にはアンテナを立てない風潮があることでしょうか。回線インフラの活用と言う点でフランスは日本の先を行っているかもしれません。

しかしこれがこの先5年はどうかというとわかりません。日本では着々と各家庭により高速通信が可能な光ケーブルが届きつつありますが、フランスではまだ家庭向け光は聞いたことがありません。

28 déc 2005

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