「闘魂」 1970年10月4日〜1971年2月14日放送 日本テレビ 全20話

出演:あおい輝彦 新藤恵美 高城丈二 菅原謙次 香山美子 山内明 小畠絹子 金田龍之介 他
沖さんの役名:松村義昭


日露戦争の勝利に沸く日本。
車夫をしながら弁護士を目指す苦学生・川島(あおい輝彦)は、姿三四郎の後輩として、講道館の矢野正五郎(菅原謙次)の元で柔道を学んでいた。
ある夜、川島は彼を恨む空手家・谷川(大下哲矢)と、その弟子松村(沖さん)に出会う。川島はヤクザと付き合い、良家の子女を誘惑している男だと谷川に吹き込まれた松村は、川島を制裁すると宣言して大学対抗試合に臨み、勝利する。松村が空手使いだと知った川島はその技の恐ろしさに驚く。
川島と想い合う明石房江(新藤恵美)だが、無実の罪を着せられて死んだ川島の父と衆議院議員の令嬢である房江とでは、結婚に障害があった。房江の父は愛人の家で殺害されて没落しており、房江の母は何とか明石家を保つために良家との縁談を進め、川島に房江を諦めさせようとする。
川島と、その先輩で今は理由があってやくざとなった直次郎(高城丈二)は、直次郎の恋人の芸者・(香山美子)を横恋慕する男たちと、謎の男・いさき屋の主人(金田龍之介)の用心棒から常に狙われる身となる。そして房江の父を殺した真犯人と目される『にせあんま』の影が彼らを襲う。さらには川島を横恋慕する令嬢・律子(呉恵美子)や房江に横恋慕する鳴海(福田豊土)の嫉妬と妨害もあり・・・。


〜〜 エコヒイキ付きみどころ 〜〜 

評判の良かった竹脇無我版「姿三四郎」の後番組。
前作と同じく矢野正五郎を菅原謙次さんが演じている他、高子役だった新藤恵美さんもヒロインを続投、勝野洋版「姿三四郎」では沖さんが演じた檜垣源之助を演じていた高城丈二さんが、主人公を助けるやくざ・直次郎役で出演している。
原作も「姿三四郎」と同じ富田常雄で、正に続編という形で制作されたようだ。
川島役のあおい輝彦さんは、一途で賢明な青年を爽やかに演じていて、柔道のシーンも見事にこなしている。
松村との対決シーンではちょっとだけ投げの息が合わないこともあったが、全体として迫力ある試合となっている。
ただし、物語は第7話の律子の登場で怪しくなる。
律子は勝気な良家の令嬢で、川島に横恋慕するところは「姿三四郎」の高子と同じなのだが、良家のお嬢様とは思えぬ言動は、まるでコメディーだ。視聴率が伸び悩んでテコ入れのために考えられたキャラなのだろうか。
律子が川島に突き飛ばされてひっくり返るシーンなどは、子供の頃に見た正司敏江・玲児の漫才を思い出してしまう。この令嬢、父親は素晴らしい人格者なのだが、一体どうしてこんな娘が育ってしまったのだろうか。この娘に房江が本気で嫉妬するとは信じられない。
謎の呉服屋の主人役の金田龍之介さんの演じ分けはお見事だし、他も皆さん適役なので、この娘だけが物語の中で浮いたキャラとなって暴走するのが残念だ。

沖さん演じる松村の父は九州の大名の武術指南役をしていたが、事情があって国を追われて亡くなった。父の遺志を継いで谷川に空手を習っていた松村だが、夜中に宿直をしていた川島を襲った時にかけられた矢野の武士道精神に満ちた言葉に感銘して、講道館の弟子となる。こんな設定も檜垣源之助と似ているが、松村は川島のライバルとなるのは登場直後だけで、誤解た解けた後は良き友達となり、一度だけ突然また誤解して川島を「色魔だ!」と呼んだりもするが、川島が落ち込んでいる時には下宿に訪ねたりする優しい青年。試合のシーンの側転や飛び蹴りなどの大技が堪能出来る作品。
沖さんの出演は第4、5、6、7、8、10、11、12、13、14、15話で、16話以降は登場しない。1971年3月から放送された「クラスメート」の撮影が始まったのだろうか。



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