俺たちは天使だ! 1979年4月15日〜11月4日放映

沖さんが亡くなられた当時のワイドショーで代表作として挙げられたのは、主に「太陽にほえろ!」と「必殺仕置人」で、この「俺たちは天使だ!」に言及されることは少なかった。それが今となっては、多くの人にスタンダードとして愛される作品となったのだから、ずっと沖さんの作品をみつめ続けて来た身には意外な展開だった。
何しろ放映は日曜の八時。同じ時間帯に放映されていたNHK大河ドラマは当時は国民的番組で、それを指摘された沖さんも「強敵ですが、がんばります」と意識した発言をしていた。
おまけに野球のナイター中継の、つなぎ番組でもあった。
七月に二回、八月は三回、九月が三回、十月も一回野球のために放送がなかったのだから、これが犯人当てサスペンスだったら、局に殴り込みに行く者が続出したに違いない。

主演ということで、ファンとしても気合が入った。沖さんも共演経験がある柴田恭兵さんや渡辺篤史さんを得て心強く思ったのか、神田正輝さんを加えた四人で石井幸一プロデューサーに、どうやったら作品が面白く出来るかを木下亮監督と話し合いたいと申し出たという。

「沖雅也と柴田恭兵は、その前に僕も参加した『大追跡』のメンバーでもあってね。この時の現場が楽しかったと。だから今回もあまり理屈っぽくならずに、アイデアを出しながら、現場を盛り上げて行けるようなものを作ろうという考えが、あったようです。
その頃、沖ちゃんは、『太陽にほえろ!』のスコッチ刑事があって、『姿三四郎』の桧垣源之助役も非常に良かった。これに『大追跡』も加わって、日本テレビにとっては殊勲選手と言えますね。俳優として脂が乗っていたし、ステキな人でした。そのわりに彼は、あまり主演作に恵まれていなくてね。だから、何とか主役の沖ちゃんの良さを、世間に認めさせようという、強気な気持ちがあったと思いますよ。」(石井プロデューサー)

また、もう一人のプロデューサー・加賀義二氏は

「自分では恰好悪いと思っていることを、思い切って愛嬌として画面に出してしまおう。地の演技で勝負しようよ − という申し出を快く承諾してくれた彼は、既に出来上がっているキャラクターに、駐車場に車を入れる時は必ず車止めに車をぶつけてしまう、車から降りる時は、頭を車の天井にぶつけてしまう等、普段の彼がよくやる失敗をつけ加えた。」

という当時のエピソードの他、その後メヌエル症候群で「火曜サスペンス劇場」を降板した沖さんを

「知り合いの医師と共に彼の自宅を訪ね治療してもらっての帰り際も、彼は手を出しかけて、 『握手しない方が良いよね』といたずらっぽく笑いかけたのが印象に残っている」

と追悼文を寄せている。
しかしどうしても気になる。何故握手しない方が良いのか。
鬱になると、自分の存在が他の人の迷惑になると考えてしまうらしいが、沖さんも自分が疫病神のように思えて、大事な恩人の加賀氏の迷惑にならないようにとでも思ったのだろうか。
お通夜の席、加賀氏は俺天のシンボルマークにもなったCAPの原画を持参して、棺に入れてくれるよう頼んだという。

当時はそんな事情を知る由もなかった私だが、こうして俳優・沖雅也を育てようとしてくれていた人がいたことを知ると、もう嬉しくてたまらない。
沖さんが亡くなられた時、画面から見ても明らかに病気だった沖さんを働かせ、自殺の危険がある病気だったのに、二日もの間探しもしなかった事務所や家族に、ファンの怒りの矛先が向いた。誰も彼を守ろうとしてくれなかったのか。誰も彼を本当に心配してくれたりはしなかったのか。
だが、こうして沖さんのことを本気で考えてくれていた人がいたということを知ることが出来て、改めて「俺たちは天使だ!」に感謝の気持ちを捧げたくなる。単に主演だというだけでなく、思い入れが深い一作。

ちなみに、CAPこと麻生雅人の企画段階でのキャラクター設定は以下の通り。
年齢:三十歳
出身地:北海道
職歴:警察八年勤務後辞職
家族:北海道に叔父・叔母
性格:自信過剰タイプ。合理主義に徹しすぎる
夢:毎日一流探偵として生きること。実行している
飲食:一流好みだが、毎日カップラーメンばかり食ってる。酒はマティーニ
趣味/服飾:ダンディ・美術
体技:ボクシング・空手。武器は何でも利用

なお、沖さんの実年齢は二十六(撮影中に二十七)歳。実はメンバーの中では最年少なのだが、設定ではナビ(28)、ダーツ(26)、ジュン(27)なので最年長。

メンバーとの関係は
ナビ:大学の自動車部時代に整備士兼ナビとして協力
ダーツ:刑事時代、犯罪者に間違われるところを助けた
ジュン:大学の自動車部の後輩
ユーコ:兄が大学の先輩
どれも放映には一度として出て来ないエピソードなので、今知ると面白い。


「気分よくやってます」

「俺たちは天使だ!」は、仲の良い探偵たちが画面から飛び出して来て、こちらを仲間に誘うような魅力がある。
実際に沖さんはメンバーと仲が良かったと聞く。渡辺篤史さんの自宅にはよく行っていたというし、沖さんが亡くなられた時、渡辺篤史さんが「彼の自宅に行くと・・・」とおっしゃっていたので、お互いの家に行き来するほど仲が良かったのだろう。当時、渡辺篤史さんと親同士が決めた許婚だったという女性は、沖さんに紹介されたという。
ま、そんな話はともかくとして、沖さんは最年少でありながら、主役として皆を引っ張る役を見事にこなしていたようだ。

*読売新聞の記事より

テレビの画面で見る沖雅也は、むっつりとしている。「太陽にほえろ!」(日本テレビ系)で演じた“スコッチ刑事”のイメージが、以後の作品で尾を引いているようだが、素顔はまことに陽性だ。
いま出演中の「俺たちは天使だ!」(同)では、探偵のボス役。ブーメランを武器にしたアクションが見せ場になっている。
「ブーメランが悪いやつに当たらないで、こちらにビューンともどって来て、投げた本人が逃げ回るなんてシーンはどうだろう。おかしいよ、きっと」
こんな軽口でスタッフとやり合ったり、共演の渡辺篤史、柴田恭兵、神田正輝をつかまえては、遊びの談合。
主役といえば座長格。そうした立場が自然と態度に出て、全員の緊張をほぐす役にさせているのだろう。気分よくやってるなあ −− といった感じである。

*沖雅也タイムス (週刊テレビガイドの特集記事)より

〜〜「俺たちは天使だ!」について 〜〜

「俺たちは天使だ!」と「細腕一代記」の二本のレギュラーで大忙しの沖雅也。特に「俺たち・・」の、コミカルな演技と、小道具に使うブーメランの投げ方がカッコイイと、男子中学生からのファンレターも急増。
「あれは、アドリブドラマっていうぐらい、共演者全員のアイデアでどんどんセリフが変ったりするんです。とにかく、お客さんがバカバカしいと笑ってくれるドラマを作ろうということでして」。
そのブーメランも、大型、小型、特殊装置のあるものなど、沖のアイデアがいっぱい。
今月末で撮り終えるということで、現在国際放映で急ピッチの追い込み態勢。
「クーラーの入ってないスタジオなので、氷柱を立てて皆頑張っている。それでも汗ぐっしょり。あー、冷たいビールを飲みたい」。(後略)

〜〜 引越し 〜〜

八月初旬に、住み慣れた麻布から青山に引っ越した。 「こんどは3LDKと広くなって住み心地いいですね。事務所にも近くなって便利。引越し理由ですか?実は、趣味でアンティークな家具をコレクションしていますが、これが収まらなくなりましたね」

〜〜 盆栽は玄人なみ! 〜〜

好青年にしては、古風な趣味ばかりで、盆栽もそのひとつ。こちらは“国風盆栽展”に出品し、二位に入選するほどの風流人。一鉢百〜四百万もするものばかり、約八十鉢もコレクション。 「いまは、テラスが手ぜまになって、大宮の盆栽村にあずけています。専門家に手入れしてもらっています」

〜〜 麻雀実戦教室 〜〜

中止など、予定外のオフが、、仲間を集め。。メンバーが足りないと、事務所の社長に電話で頼み込むほど。
「好きですね。いま一番面白い時なんでしょう。負ける方が多いよ。でも勉強勉強。いずれ、借りは返すつもり」

他に、後援会員とグァムツアーの予定(9月22日〜26日)や、新番組「体験時代」「甦る日々」のことも書いてあり、 「実は、十一月から来春放送予定の新番組の撮影が始まって三本になります。本編(映画)もやりたいのですが、どうも時間がとれなくて・・・」というコメント。相変わらず多忙なスケジュールで、沖さんの目の下にはクマが目立つようになっていた。


ミセス&ミセス 1979年3月27日放送

一時間もゲストは沖さんだけで、沖さんについての番組を放送してくれるなんて、そうそうあるものではない。しかも、新番組「俺たちは天使だ!」の宣伝のための出演だが、デビューから今までを、沖さん自身の言葉で聞くことが出来たこの番組は、最初から最後まで興奮のしっぱなしだった。
観たかった〜、と思われる方も多いだろうから、ここに内容を記しておく。
司会は評論家の山谷親平氏。

司「今日で思い出スタジオは最後になります。(中略)最後は若手のホープ、沖雅也さんです。どうも。(拍手)どうも、おはようございます」
(『沖さんおはようございます』と見学者のファンの声に沖さん苦笑)
司「あえて何もしなくても、若い方ってのはああやって出て来るんですねえ、いいですねえ。
さて、沖雅也さんは今『姿三四郎』で大活躍ですね。こないだ、沖さんの弟さんの役やってる方の方が海からおっこちゃってね」
沖「あ、石橋正次さんです」
司「死んじゃったけれども、まだ兄貴の方はこうやって物分りよく出て来てね、ちょいちょい。(沖さん苦笑)でも大活躍ですけども。
さあ、まずその、『姿三四郎』での活躍ぶりから観てみましょう」
(『姿三四郎』が流れる。桧垣源之助の登場に「キザな格好してんだな」と自分でツッコミを入れる沖さん。さらに、三四郎との決闘シーンでは司会からロケ場所をきかれ、「御殿場です。でも寒い場所なんですね、これが」などと話す声も聞こえる。
投げ飛ばされた桧垣から、いきなり場面が沖さんの顔に変わり、会場から笑い声が出る)
司「あそこで受身はうまく行かなかったんですかね」
沖「いえ、受身がとれない技をうたれたんです」
司「うたれちゃった。まあ、こうやって観ていると、今横顔観てたんだけどね、やっぱり真剣ですね、自分の芸は。じーっと観てますね」
沖「いや、そんな大したものでもないです(笑って照れる)」
司「でも、桧垣さんの鋭さが出てましたよ、今」
沖「そうですか」
まあ、今あなた興奮して蹴飛ばされても、あっち飛んでっちゃうから心配してたんだけど」(笑)
司「どうです、しかし自分のビデオ観てると。勉強になるでしょ?」
沖「そうですね、まあ粗が多く観えますんでね。最近はそうでもなく、なんともなく観てますけど・・・そうでもなくってことは、客として観てますけど、なんていうか、割と無責任に観れますけど、本気で観たらちょっと」
司「そうですか。とにかくあなたはアクションからメロドラマから幅広いでしょ。今日はそこんところを色々な角度からたっぷり今までのところを拝見したいと思います。よろしくお願いします」
沖「はい。よろしくお願いします」
司「さて、沖雅也さん、生国は大分県ですな」
沖「そうです」
司「大分県ってのは、なかなか親分肌の厳しい人が多いですよね」
(子供の頃の写真が出て、笑い声が起こる)
沖「これは昭和28、9年、二歳か三歳ごろじゃないですかね」
司「お父さんもこれからいよいよ活躍しなきゃならんって時にあなたが生まれて。お父さん、厳しかったそうですね。九州帝大経済学部、エリートだったんですね」
沖「そうですね」
司「だから息子さんもエリートにしようと思って」
沖「ひっちゃきにやったんですね。スパルタですね」
司「(四歳の写真が出て)ここらへんから鍛えられたんですか」
沖「ええもう、かなり鍛えられましたね」
司「一人っ子?」
沖「いえ、違いますけれども、九州の方っていうのは男をわりと貴重がる風習が(笑)」
司「で、女の子はあんまりいじめない、というか鍛えない」
沖「鍛えないっていうか、女の子は可愛く育っていい嫁さんになるっていう・・・男はそうはいかんっていうことで、もうちょっと芯をしっかり持てみたいなことで」
司「お父さん大正何年生まれ?」
沖「49で50年ですからね(没年齢とその年のことと思われる)」
司「大正十年ぐらい?それじゃ私と同じぐらいの年頃だな」
沖「そうですね」
司「そうですか、鍛えますか。大正二ケタ生まれっていうのはだらしがないんだけどね」
沖「あ、そうですか?」
司「僕らはねぇ、戦争行って友達が死んだりなんかしたでしょ。で、ヒューマニズムヒューマニズムって言い過ぎちゃってね。それで少し悪いことに駄目になっちゃったんだけど、おたくのお父さん、さすが九州帝大で」
沖「あのね、戦争ですごく変わったらしいですね。戦争から行って帰って来てからね、ものすごく変わって・・決起するんだって、帰ってきてから五年ぐらい日本刀を持ってた」
司「それで鍛えられちゃったわけですね」
沖「戦争っていけないですね。人間を変えたんですね」
司「子供の時にこんなんじゃかなわねえって東京へ出て来ちゃった、逃げ出しちゃったわけでしょ」
沖「そんなことはないんです」
司「じゃあ東京行くよって言って」
沖「いや、結局家出少年ですから」
司「あ、家出したんですか」(笑)
沖「ええ、まあきっかけは色々あったんですけれども、要はなんというか、こう・・・」
司「自由を求めて?」
沖「いや、そんなカッコいいもんじゃないです。えー、何にもなく、ただフラフラッと出てしまったというのが、本音のようですね、別に自由を求めてこれから俺は東京に出て一旗揚げるんだっていうのはこじつけであって」
司「で、何やりました?最初東京に出て」
沖「えー、ラーメン屋さんに勤めました」
司「食う商売だからね、まず食にありつかないと。どうでしたか、ラーメン屋さんは」
沖「ただ、しんどかったですね」
司「ああ、出前やなんかでね」
沖「出前もありますけど、一日中立ちっぱなしでしたからね」
司「それからトラックの運転助手とか、バーテンさんとか、ファッションモデルになって、それから日活と」
沖「そうです」
司「苦労したでしょうねえ、そういうことになりゃ」
沖「その当時は若くて無軌道ですので。無軌道といっても熱がないわけじゃないんですが、何かやりたいわけですよ、ギラギラしてて。何かやりたいんだけど、やりたいことがみつからないということでね、あっちフラフラこっちフラフラしてたわけですよ。たまたま運が良くて、私の場合こういう世界に入ってね、俳優という職業につけたけれども、ちょっと一歩間違ったら、今頃はちょっとこうね、どっかのおあにいさんになってたかも知れないし。そのへんは自分でも」
司「まあ、青春の全ては実験であるっていうんだから、一応思い切りやって良かったですね」
沖「そうですね。苦労したとは思わないです。その頃は、苦労だとは思ってなかったです」
司「(スチールが出て)そこで日活へ入られて。今の『純潔』でデビューしたんですね」
沖「はい、デビュー作です」
司「懐かしい映画ですね、『純潔』。ご覧下さい」
沖「え、観る?んですか?!」
(映画が流れて)
沖「かぁ〜っ!(会場で笑)しゃべらないでくれ、頼む!」 (さかんに照れる沖さんに会場は大爆笑)
沖「はぁぁ・・・。(台詞が出ると)うわぁ〜っ!(さかんに照れる)しっかりしろよ、お前・・・参ったな、ホントに・・・まだやるんですか?・・・(キスシーンに)あんなことしてる・・(『やめて』という丘みつ子さんの台詞に)やめて(笑)・・・」
司「とにかくこの番組で楽しみなのは、ああいうとこが出て来た時に、ゲストがみんな照れくさそうにすることですよ、司会者としては」
沖「趣味が悪いですよ〜」
司「しかしどうです、あれで丘さんは新人賞を」
沖「はい、43年にもらいました」
司「それで次の年に沖さんが」
沖「はい、44年に私が」
司「あの当時は映画ってのは少し斜陽化して来たけれども、でもまだ作ってる人は一生懸命やってたんですね」
沖「そうですね」
(CM。CM明けに「沖さん!」と掛け声がかかる)
沖「う・・・はい!」(笑)
司「すごいですね。色々苦労して日活に入った。日活で今のように映画を撮って。どれぐらいいました、日活には」
沖「えっと、実際は四年とちょっといました。テレビと並行して・・・テレビも三年目ぐらいから出て」ました」
司「三年で、映画はどれくらい撮るんですか、普通は」
沖「人によって違いますが、年間に皆さん十本以上はやっていらしたんんじゃないですか」
司「その間に色んなものをこなすっていう基礎が出来たわけですか」
沖「いや、それは自分ではどうかわかりませんけれども、その頃はただもう、楽しくて、なんと言うか、がむしゃらにということで」
司「沢山手紙いただいたんですが、ひとつだけ印象に残ってる、広島市の○○(地名)の○○さん(実名)から。 『日活時代には生意気だというので、一部の人から沖さんは殴られたり主役を降ろされたりしたり、随分苦しめられたこともあったそうです。沖さんの趣味や考え方は、若い人に似合わず古風なところが私には魅力です』と。そういうことあったんですか?」
沖「え・・いやいや、殴られるとかそういうことはないですけど、結局その、ツッパッてますんで。若い頃ってのは皆さんツッパるでしょ?で、やっぱり先輩方に言わせると、いい意味でね、あの、ツッパッてればいいんだけど、ただ単に生意気だけで終わってしまうようなところを直そうとして、いわゆるツッパるのはいいけれども、生意気だけで終わるなと、男ってのはそういうもんじゃないということを・・・そういうことだったと思いますね」
司「いわゆる誇張してちょっと書かれたんですね」
沖「そうですね」
司「当時の芸能ニュースをひとつ」
沖「え?・・はい」
司「昭和43、4年ですね」
沖「(画面が出て)44年ですね」
『おや?日活の沖雅也さんですねぇ?スポーティな格好で、一体何するんですか?エメラルド・ラインの仲間、丘みつ子さん、西恵子さんたちも一緒ですね。
なわとびですか?ああ、ボクシングを始めるんですね。彼には、そんな趣味があったんですかね? ところがこれは、このたび誕生した日活の新しい路線、エメラルド・ラインでデビューする沖クン。未来の裕ちゃん、渡哲也さんになる日を夢見て、体を鍛えておこうっていう魂胆です。もう一人のエメラルド、長谷川照子さんはあいにくお仕事で来られませんでしたが、丘さんたち、一生懸命声援です。ああ、やられてるわ、可愛そうね。もっとファイトを持って!もう夢中です。
これからの日活をしょって立ってもらわなければならないメンバーですので、仲良くやっていかなければね。もっとも、この様子なら安心です。きっと、新しいイメージで活躍してくれることでしょう』
司「なかなか楽しそうじゃないですか。色々鍛えられたとかいう話があってもね。しかし、こんなもんじゃ俺は止まるかっていうのがあったでしょ。俺は大スターになってみせるんだって。当時、夢はでっかく持って」
沖「ええ、わりと頭でっかちでね、その頃から『俺はもうスターだ、一人前の俳優だ』って自分では思ってたんですね。今考えるとオソロシイことで」(笑)
司「大分県の人ってそういう人多いですよ、大体」
沖「頭でっかちが多いですか?」
司「大分県気質ってのはそういう人が多いですよ。ほら、昔からちっちゃな藩に分かれてがちゃがちゃやってたからねえ。みんなお山の大将でね。あなた一人じゃないですよ、共通だな、こりゃ。
思い出の映画って言うと『斬り込み』とか」
沖「『男の世界』とか」
司「(スチールが出て)今これ出て来たのは『男の世界』ですか。石原裕次郎さんとね」
沖「はい」
司「渡哲也さんとの『斬り込み』、これからひとつご覧になっていただきたいと思います」
沖「(画面を観ながら)渡さんはああやってカッコよく出て来るんですよね」
司「この頃は日活は渡哲也さんで支えてたんですな」
沖「そうですね、あと高橋英樹さんと」
司「これは・・渡さんとは大分共演したんですか」
沖「ええ、随分お世話になりました。そうですね、5本か6本ぐらいは」
司「石原裕次郎さんはもう、あんまり出て来ない?」
沖「ええ、自分でいろんな映画をお作りになっていて・・・プロダクションはもう、石原プロってお作りになっていらっしゃって、会うこともあまりなくて」
司「その石原さんともね、共演なさった・・・ご覧下さい」
(『男の世界』が流れる)
司「石原裕次郎さんと結構対等にやってるじゃないですか」
沖「そんな、また・・・(笑)」
司「しかし、石原裕次郎さんはすでに独立してやってたから、渡哲也さんみたいに共演する機会はなかったでしょ」
沖「ええ、ですからこの映画でね、一緒にやらしてもらえるってことで、非常にあの、緊張したんです」
司「そういうもんですかね」
沖「ええ、やっぱり大先輩ですからね。話もしてもらえないみたいな先輩ですから。それがその時一緒にやりましてね、優しいんですよね、わりと。で、ああ、いい先輩だなって思って・・そう思いましたね」
司「先ほど、俺はツッパッてたでしょ、ツッパッてだしょっておっしゃるから、石原さんなんか気にもしないでやってたかと思ったんだけど」
沖「それはだから度胸がないんですね(笑)。ツッパリきるだけの度胸がないんじゃないですかね」
司「人間の作った垢みたいなものは別なんですね、長い間の」
(CM)
司「さて沖雅也さん、こうやって日活でばっちり基礎をやられましてね、それからテレビへ進出されました。その第一回が『火曜日の女・クラスメート』、こういうわけです。昭和46年です。このへんから中高生のアイドルになり始めたんですな」
沖「いあ、アイドルっていうのもオーバーだけど、ファンレターが『クラスメート』に出たら来るようになりまして。ファンレターってのは初めてなんですよね。そういう風にもらったのは」
司「返事、書きましたか?初めての時は」
沖「ええ、書きました」
司「今は書ききれないですね、とても」
沖「ええ、今もでも全部見るようにしています。一人の人に書くと皆に書かないと罪悪感があるから、一応見て、どういうことを言ってきているのか、見るようにしています」
司「それから、第二作が『さぼてんとマシュマロ』。懐かしい〜って声が聞こえてきた」
沖「(オープニング映像が出て)これはね、ほら、右手が動かないんですよ。鎖骨折ってましてね。で、まだ中に針金入れたままやっているんです。だからね、よく見てると右手が動かないはずですよ」
司「しかし今ビデオを拝見している間に、あなた右の鎖骨を折って、右手が全然動かなかったって言うんですが、そういわれてみないとわかんないですね」
沖「ええ、わかんないですね。ほとんどごまかして撮ってまして、全部、右の肩に針金が入ってましてね。それで右手がほとんど動かないんですね」
司「よくやってましたね」
沖「やっぱりね、それはあのテレビ・・あの、吉沢京子さんと仕事ってことで、必死でしたからね。これを逃したら私にはもうチャンスはないだろうって思ってましたからね」
司「なるほどね」
沖「とにかく、何があっても俺はっていう・・・」
司「敢闘精神ですな。この前後ですか?お父さんが亡くなったっていう話は」
沖「いえいえ、もっと後・・」
司「ああそうですか。しかし、お父さん亡くなられた時は、大分ショックだったそうですな、あなたも」
沖「ええ、大分っていうか・・愕然としましたね」
司「若いんでしょ、僕と同じ年だっていうんだから。何で亡くなったんですか?酒の飲みすぎですか?」
沖「いえ(苦笑)、心筋梗塞で、五十で死んだんです」
司「ああ、まだ本当は・・そうですか。やっぱり、ショック受けましたか。スパルタ教育で絞りに絞られても」
沖「そうですね、結局向こうがまだ五十ですから、わりとまだ交流がないですから。僕もまだ4年前ですか、僕もまだそういう風に親父に対して労わろうとかそういう気持ち も起きないし。若い頃ですから。お互いがツッパッてるから平行線なんですよね。ただね、死んでから初めて昔スパルタをしたり、親父が思ってた気持ちというものがね、わかるようになりましたね。やっぱり親っていうものは、そういうもんなんだろうっていうことで、男は親父が死なないと本当に一人っていうか、男として一人前になれないっていうことを、よく先輩方から聞いていたんですけどね、それを身をもって体験したというかね」
司「父親はいつも悲壮であるっていうけれども、親父の役っていうのはそういうもんですわな、大体が」
沖「そうですね、そういう風に言う・・」
司「子供が一流のいい学校に入ると、お母さんがターッと挨拶して回るけど、子供が悪いことすると親父が出て来るわけでね、大体親父っていうのはそういう役でね」
沖「しかし、そういうこと言うとお母さん方に怒られますよ」
司「いやいや、あーそうですか。しかし、あなたそれからぐっと人間が変わったっていう話しがありますね」
沖「そうですかね。本質的なものは勿論変わらないんでしょうけれども」
司「もっぱら評判ですよ」
沖「自分なりに何かひとつ感じるものがあって。人っていうのは例えばつながりとかそういうことも大切にして行こうっていう風に」
司「そういうところで変わったところで、今度は沖雅也さんは『太陽はほえろ!』でスコッチ警部で大活躍です。(笑いが起こる)『太陽にほえろ!』だ」
(『スコッチ刑事登場!』の回が流れる)
司「まあ、あそこが沖さんの一番いいところだね。パッとこう、余計なこと喋らずに黙ってじーっとこうやってね。(拍手が起こる)ね、皆手を叩いてる。あそこがいいところですよ。あん時余計なこと言うとまずいのね」
沖「そうでしょうね、きっと」
司「うん、黙ってじーっとね。どうです、自分で「太陽にほえろ!」の感想は」
沖「これはなんていうかそういう風なね、クールな、何ていうか、いわゆる一途な面がね、逆に見ると冷たいっていうだけに見えるものを出そうということで始めてですね、で、良かったんですけど。でも、本当に人間的にね、内面的に自分っていうものがまだ固まっていない部分があったと思うんですよね、自分では。本当の意味で人間的な大きな塊があればね、そういう役もこなせるんですけど、ちょっと、ちょっと無理なところもあったと思うんですけどね」
司「まあいいですよ、観てる方はあれで十分です」
沖「そうですか(笑)」
司「十分です」
(CM)
司「ちょっとこれをご覧下さい」
(歌手デビュー当時の芸能ニュースが流れる)
沖「またこれ(笑)」
「テレビ、映画と若い力をフルに発揮して人気上昇中の沖雅也クンが歌を吹き込み(沖さんのわざとらしい咳払いが入る)、同時にファンの集いを開きました。(『哀しみをこえて』が流れる)
沖「恥ずかしいですね、これはホントに・・」
「今はやりのカッコいいルックスにノーブルな魅力を備え、ティーンのハートをくすぐるのは、スターの要素がいっぱい。素顔の彼は意外と盆栽、釣りが趣味。19歳とは思えない、落ち着いたムード派青年です。『後援会を作るのが夢でした。今日のこの日は記念すべき日です。与えられたチャンスを逃がさないよう、今日と明日を常にフレッシュな気持ちで生きよう』と誓った沖雅也クンでした」
司「今、ちょっとアクションが多くて、歌あまりはっきり聴こえなかったんですが、ひとつやって下さいよ、『ジャックナイフ』を」
沖「あ、やる、やるんですか」
(『ジャックナイフ』を生で歌う沖さん。手拍子と「沖さん!」という合いの手が入る。「カッコいい!」「ステキ!」「アンコール」の声も)
沖「(歌い終わって)参りましたね、今日は」
司「奥さん奥さんって言ってるのかと思ったら沖さんなのね。最初、何で奥さんって・・」
沖「あのね、よくあるんです。呼ばれる時にね、「おくさん」っていう発音をする人がいるんです」
司「ああ、そうですか・・皆奥さん奥さんって言ってるから、何言ってるのかと思って」
沖「今は、でも沖さんって・・」
(ファンたちの「お・き・さ・ん!」という声)
司「ああ、わかったわかった(笑)」
沖「わかりました(笑)」
司「しかし、なかなかいい歌ですね、『ジャックナイフ』。あなたにピタッと合ってますね、ムードにね」
沖「そうですか」(拍手が沸く)
司「ところでね、あなた自分自身の分析はどうですか。僕はこう、ニヒルだとか孤独だとか色んな世間の評判あるけども、こうやって話してみるとちっともそうじゃない感じがするんだけど、どうですか、俳優として沖雅也を分析すると」
沖「ええ、わりと自分の周りに張り巡らすね、あの〜、何ていうんですか、壁が、あの〜、非常にそういう風に見えやすいタイプではないかと自分では思うんですが。ですから、本人自体は非常に寂しいというか、寂しがりやというか。そういう、人と話をしたり色んなことをしたいというのがある・・」
司「僕もそう思うな、あなたは現実派、心理学でいうとね、現実派連帯型だと思うの。連帯感が必要なんじゃないかなっていうことを、いつも心の中で思っている人だと思うな」
沖「そうですかね」
司「で、こう、交際の仕方がね、相手を判断しないと動かないっていうタイプだから。相手がわけわかんないとしょうがねえからってじっとしている、それを誤解されてんじゃないかと思う、ね?」
沖「そういう所があると思います」
司「よく合うでしょ?下手な八卦より合うんだ(笑)。しかし、こうやって一時間しゃべってると、大体わかって来るんだね」
沖「さすがですね」
司「結婚なんかはどう、まだですか?」
沖「もちろん独身です」
司「もうボチボチもらってもいいんじゃないですかね」
沖「あ、それも・・」
司「もうもらってもいいですよね」
(「しないで!」という声がかかる)
司「じゃあもうしばらく、ああいうことだから応えましょう」
沖「ええ、じゃあもうしばらく」
(「ありがとう」の声がかかる)
司「ありがとうって(笑)。まあしかし、あなたは大人しい女性がいいんでしょ」
沖「いや、あのね、女性のタイプってのは僕はあんまり、ないんです」
司「ああ、何でもいい、いや、何でもいいってことは(笑)、ま、そういうわけですから、ひとつ」
(再び「沖さん!」と声)
沖「はい(笑)」
司「今日はいつもとちょっとムードが違うんで」
沖「私もいつもとちょっとムードが違うんで(笑)」
司「まあしかし、いいファンですねえ」
沖「そうですね、朝早くからありがとうございました」(拍手)
司「ほんとにいつもの『思い出スタジオ』とムードが違って和気藹々でね、私も楽しくやらせていただいてますが、今度は沖さんの趣味の話をうかがいたいんですが、盆栽は有名ですね、あなたの盆栽はね」
沖「ええ、もうでもこういう世界はわりとひとつのことやると、それがちょっと珍しいとすごく、それを何というかすごく集中するみたいなとこがありますけどね。それで盆栽って言ったら、えっと言って盆栽屋さんみたいに盆栽盆栽っていう話が多いんですよね。別に僕が盆栽やっていることは皆がオーディオに凝ったりね、例えばギターを弾いたりレジャーに行ったりすることと変わらないという風に理解してくれると僕はすごく嬉しいんですけども、盆栽に凝っているからといって、別にあの人は変わってるとかジジむさいとかね(笑)、そういう風に思われちゃうのは、ちょっと残念です」
司「そりゃそうですね。今はマルチカルチャー、ね、色んな文化があるんだから、好きな趣味をやりゃいいんですよね。若いのが盆栽やっちゃいけないなんてのが、そっちの方がもう既に老化しちゃってるんだよね。しかし、儲かっていいですよね、あの趣味はね」
沖「盆栽ですか?」
司「儲かるでしょ?あれちょっとうまく育てりゃ何万円でしょ?売らないんですか」
沖「売らないです。あの・・」
司「絶対売らないんですか。じゃあ本物の趣味ですよね」
沖「それを生業にするぐらいなら、やらないです」
司「ああ、そうですか。しかし、趣味でほら、またどっか東京か埼玉県で盆栽を集めるところがあるでしょ。あそこに何か出品して値段がつくと喜んでいる人もいますよね」
沖「あ、そうですか?」
司「丹精込めてやってね」
沖「それはそれでひとつの意味があると思うんですけどね。あの、一生懸命作ったものが皆さんに評価されてある程度、例えば、金っていうのはあくまで何かを決めるひとつの材料でしかないわけでしょ。自分の気持ちが入っているものが、ある程度何か評価されて一つの金銭になるってことで、自分のエゴが満足するっていうみたいなことじゃないですかね。それで売るわけじゃないんだけど、これいくらついたってんで私が頑張ったって」
司「うんうん・・ところで盆栽のことはあんまり分かんないんで、あんまり聞いてるとボロが出るんで次行きますけどね。四月から新しい番組があるそうですね、強力な番組が。さっきPR室でちょっとうかがって来たんですがね」
(「俺たちは天使だ!」)とファンから声が入る)
司「え、何?」
(「俺たちは天使だ!」と再び声)
司「え、知ってんの?大したもんだなあ」
沖「『俺たちは天使だ!』っていう・・」
司「今映ったのがスタッフですね」
沖「はい、そうです」
司「で、沖さんはどんな役やるんですか」
沖「探偵ですね」
司「探偵?」
沖「はい」
司「ほう、ロックフォードメモっていうやつですな」
沖「ちょうどその日本版・・」
司「日本版ですな。沖さんは今までアクションだけど、探偵でもって暴れまくるんですな」
沖「そうです。今観たみたいに渡辺篤史さんとか神田正輝さん、柴田恭兵さん、それから多岐川裕美さん、小野寺昭さん・・それから勝野洋さんにも友情出演で出ていただきまして・・あの、下川辰平さんとか色んな方が」
司「それは探偵だから、さっきのスコッチ刑事みたいにピストルバンバン撃ったり、そういうことはしないんでしょ?」
沖「ええ、ピストルは探偵だから持てない・・」
司「ああ、持てない持てない。なるほど。空手かなんかでやるんですか?」
沖「いえ、これね、それでひとつ考えまして、ブーメランを」
司「ああ、ブーメランを。あれはいいわな、投げたら戻って来るんだからね」
沖「例えばこっち・・(といいかけるが、司会のとぼけた話に笑いが起こる)」
司「銭形平次なんか銭みんな投げっぱなしだから」
沖「でも銭形平次だって中にほら、糸通して(笑)。例えばね、障害物があって後ろの方に敵がいる時に、何故か向こうにピッと投げるんですね。で、回って後ろの敵が倒れる(笑)。非常にマンガチックな」
司「なるほど。とにかく、『俺たちは天使だ!』を一部観てもらいましょう」
(『俺たちは天使だ!』の番宣が流れる。 CAP「えー、この物語は」
秋野太作さんが出て「この番組は、三分に一回エログロヌードだよ」
福原さん「違うの!この番組は違うの」
CAP「失礼しました。この物語は」
秋野「エログロヌードだよ」
福原さん「違うの!この番組は違うの」
CAP「失礼しました。えー、この物語は」
秋野「三分に一回エロエロ・・・」
CAP「この物語はですね、日本随一といってもいい一流名探偵のシリーズ。わが麻生探偵事務所。場所は青山通りの一等地。設備とメンバーは正真正銘のデラックス版」
(探偵たちが名前入りで紹介される)
CAP「そしてキャプテンは僕」
(アクションとブーメランのシーンが流れる)
CAP「その僕らを助けたりいじめたりする人たち」
(藤波弁護士や新妻署の面々が紹介される)
CAP「そして僕らは、群がる何事件を次々に解決して行く」
一同「俺たちは天使だ!」
CAP「俺たちは天使だ!」)
(会場から「がんばって」の声)
司「ああ、そうですか。日曜日の八時」
沖「そうです」
司「するとどっかの局で『草燃える』とか何とかやってる、あれにぶつかるわけですなあ」
沖「はい、あの、大敵でございますが、頑張ります!!」
(拍手)
司「でもこりゃあやりかたによっちゃ、向こうが『草枯れる』になっちゃって。こりゃあなかなか面白いですな。ブーメランってのはなかなか面白いですな。あれしかしあんなごついもんですか。パーンとひとつ当たっちゃったらひっくり返って」
沖「ええ、あの、倒れるそうです」
司「じゃあブーメランの、あそこんとこだけもう一度観ましょう。好きですよ、あそこんとこ」
(ブーメランをインタビュアーに教える沖さんの映像) インタビュアー「今日はひとつ、ブーメランの投げ方みたいなものを」
沖「ええ、じゃあひとつ伝授。殿中松の廊下」
イ「じゃあ、よろしくお願いします「
沖「ええ、これまずね、肉のある方がね、顔へ向くように。それでなるべく、これ位の角度で、四十五度ぐらいの感じで、そういうので、投げるのと引くのと、こうスナップを」
イ「なるほどね、この微妙な感じをね」
沖「そう、この微妙な感じを。カーブというか、ドロップというか微妙な感じを」
イ「なるほどね」
沖「ちょっと行ってみますか。いよっ!・・・あ、行きましたね。スーッとね、ああいう感じになるわけです」
イ「いよっ!・・あ〜、初めて投げた割には」
沖「うまいうまいうまい」
司「狙えるんですか」
沖「ええ、ホントはね、ブーメランっていうのは真っ直ぐ飛んで行って敵を倒すために作られたものらしいんです。それをあの、オーストラリアの原住民の方が、中に一人へそ曲がりがいて。あの、曲がるのが大きいと戻って来るんですけどね、曲線が真っ直ぐだと戻って来ないんです。へそまがりが間違って曲がったやつを作ったんです。それを投げたら戻って来ちゃったんですね(笑)。それが始まりらしいですよ」
司「じゃ、まごまごしてるとてめえの頭に当たるってことになるわけですね」
沖「ええ、手で受けるとかね、足で受けるとかね。ブーメランの先生に伝授を。殿中松の廊下」
司「先生なんているんですか?ブーメランの」
沖「ええ、いらっしゃるんです」
司「面白いですな。何ていうんですか?『俺たちは天使だ!』ね」
沖「はい、今忘れましたけど、江守徹さんとか長谷直美さんとか、もういっぱい色んな方が」
司「あなたが主役ですな」
沖「いや、まあ主役というか皆でね、何ていうか、皆で、皆で、皆でやろうっていう」
司「しかしまあ、こう色々拝見して来ましたけど、とにかく楽しそうに仕事やってらっしゃるけど、しかしこう、あなたの場合は変なスキャンダルも聞かないし、周りに女の子がぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃくっついてるって話も聞かないし。ファンは別ですよ、ファンの方は別ですけども、あのペタペタっとしたやつ(白粉をはたく仕草)、ああいうのもないし、今日仕事一本でパッと来たっていう感じですな。何か信念というかそういうのがあるんですか?」
沖「あの、何に対して?仕事に対して?」
司「そうそう、あのどの女性と恋愛してって話はちっとも聞かないけれど、とにかく仕事一辺倒で」
沖「どっちかっていうと仕事に対するものの方が強いですよね。でも最近は、女性の白い手がいつか包んでくれるであろうという日々を待ちながら、毎日を過ごしておりますが」
司「年頃ですか」
沖「ええ、なかなかその白い手が現れずに、あの・・」
(「ダメ!」という声が入る)
沖「ああ!(笑)よろしくお願いします」
司「しかし、しばらく知らん顔した方がいいですよ。そのうち誰かおせっかいが、いい見合い結婚か何か持ってきますからね、そういうのを」
沖「ええ、見合いはいいですね」
司「あ、見合いはいい?見合い賛成?」
沖「ええ、見合い賛成です」
司「確かにそうですね。恋愛もいいですが、恋愛は抱いてみたい抱かれてみたい一緒になりたい、なりたいなりたいが愛・欲なんだね、これね。見合いの方が何も知らないでぱっと一緒になって、これが俺の母ちゃん、俺の父ちゃんって両方で大事にし合うから」
沖「未知数な部分がね、僕は見合いが好きなんです」
司「育って行くのよ、愛がね」
沖「もちろん恋愛しても未知数な部分があるんですけれど、恋愛してある程度分かり合っちゃうと、それからもう愛憎の苦労があるというような」
司「じゃ、いい人をみつけてください」
沖「はい」
司「はい、そういう訳でございます。最後は沖雅也さんでした」
沖「どうも失礼いたしました」

ビミョーに司会者と噛み合わない雰囲気が伝わるだろうか。むしろ、沖さんの方が気を遣っている雰囲気だった。


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