「金メダルへのターン!」1970年7月6日〜1971年9月27日放送 全65話

出演:梅田智子 前田吟 塩沢とき 青木英美 森田敏子 水谷邦久 他
沖さんの役名:立花一平 (登場は第55〜65話)

ミュンヘンオリンピックを目指して水泳に打ち込む速水鮎子(梅田)の物語。
空中を飛んでしまうトビウオ・ターン、隣のコースが鳴門の渦潮になってしまう渦巻きターン、水上を切るようなロケット・ターンなど、奇抜な技が出るのは当時のスポ根ドラマの特徴で、他には「サインはV」の稲妻おとしサーブ、「巨人の星」の大リーグボールなどがあった。当時の子供たちは、出来るはずもないこれらの技に一生懸命だった。
水泳をやっていた私もその例に漏れず、トビウオターンをするために友達に足を押してもらったり、ロケット・ターンをするために紐で手を縛って引っ張ってもらったこともあった。
鬼コーチが登場するのも常で、先生が自転車のチューブで私の体を縛り、プールサイドからゴムを引っ張って私を持って泳がせた時は、「これで私もオリンピックを目指せる!」と狂喜した。

それほど夢中になって観ていた番組でありながら、私は沖さんが出演していたことを全く忘れていた。これより前に放送された「クラスメート」で沖さんが好きになっていたのに、この大好きな番組では水泳のことばかりに夢中になり、沖さんのことなど目に入らなかったのだ。
だいたい私はオクテで、子供番組で色恋が出て来ると急について行かれなる傾向があった。
星飛雄馬が次々と恋愛を重ねたり、鮎原こずえが八百屋の青年に交際したりするだけで、もうドラマそのものに興味を失った。男を追って人間になった人魚の物語「魔法のマコちゃん」に至っては、許せない気持ちすら芽生えた。
そんな私だったから、オリンピックを目指す鮎子が急に男性に惹かれて行く展開が気に入らずに、記憶から消去したか、そこで興味を失ったかのどちらかである。

沖さん演じる一平は、同じ水泳選手の鮎子に好意を持ち、かなり積極的に誘い出す。
だが、スポーツマンとしての爽やかさはあり、女の子たちに「アポロン」と呼ばれたりする、いわば憧れの君だ。
最終回で披露する個人メドレーでは、素晴らしい泳ぎを見せてくれるのに、ビックリだ。「大追跡」での『私は泳げないんだ!』という台詞が有名になって、沖さんは泳げないと勘違いされることが多かったようだが、ご本人の申告通り水泳は得意だったようだ。
他の選手をみると、オリンピックを目指している割には溺れそうな人もいる。しかし皆さん随分頑張っていて、特に主演の梅田智子さんは、回を追う毎にフォームが綺麗になっているので感心した。
毎回オープニングでは元水泳選手の木原美知子さんが個人メドレーで泳ぐ姿が映るのだが、平泳ぎでターンした後、また平泳ぎでひとかきして、それから慌ててクロールに切り替えるのが、当時の私には気になって仕方がなかったのは、やはり水泳に夢中だったからだろう。夏が終わった時に、水泳を指導してくれた体育の先生に、この番組の主題歌のレコードをプレゼントしたほど、私はこの番組に夢中だった。


各話のダイジェストは以下の通り。

55.『水着に秘めた恋』
ヨーデルの音と共に登場する一平(沖さん)。
彼が連れていたポメラニアンの足を鮎子が蹴ってしまったことから知り合いになるが、彼も同じメドレーの水泳選手であることがわかる。
喫茶店で女の子たちに同席されそうになり、慌てて逃げていく姿がカワイイ。

56.『モーレツ!鬼監督』
人助けをしていたために、オリンピック強化練習の初日に遅れた鮎子は、鬼塚監督(長沢大)に帰宅を命ぜられる。
公園で鮎子をみつけた一平は事情を聞いて鮎子を励ました上、男子チームの監督(前田)に鬼塚を説得するように頼む。
「一平さんって、本当に頼りになれる人ね」と思う鮎子。

57.『合宿大作戦』
鬼塚監督は異性との交際を禁止するが、一平は鮎子を電話で呼び出し、明日からの男子の合宿は伊東、女子は下田なので、練習の合間に会おうと提案する。
「行くよ、必ず会いに行く」と、いきなり積極的な一平に戸惑う鮎子。

58.『裸の反抗』
下田の合宿では、鮎子は最大のライバル御園いずみ(森田)と同室になるが、もう一人の同室者・大河が一平からの電話を受け取ってしまい、彼が訪ねて来ることがバレてしまう。

59.『ビキニ大騒動』 8/16
タイトル通り、水泳選手が合宿所にビキニを持参して、海ではしゃぐ。子供番組なのに、お父さんへのサービスなのだろうか?
白浜の合宿に入った女子選手たちだが、陸上でのトレーニングばかりが続くことに不満が募り、とうとう協会に嘆願書を提出する決意をする。だが、選手が東京に向かおうとする途中、伊東の駅で一平につかまる。
せっかく鮎子に会いに来た一平だが、鮎子は自ら率先して海に飛び込むことで、一人罪を背負う。
いきなり服を脱いだ鮎子は、下にビキニを着ていた。冒頭で一平と海辺でたわむれる空想シーンが出るので、二人で泳ぐつもりだったのだろう。

60.『燃えろ!根性』 8/23
一人責任を負ってプールサイドの掃除をさせられる鮎子を心配する一平だが、監督に心配しないように言われる。
実は、このデッキブラシで床を磨く作業が、腕の力の弱い鮎子を鍛えるためだった。空手キッドのようだ。

61.『涙のゴールイン』 8/30
合宿の体力が快復しないまま試合に臨む選手たちだが、すごい技が出る出る。
鮎子の「背面トビウオターン」「二回転トビウオターン」が出たかと思えば、御園いずみの渦巻きターンと無呼吸泳法、日向のロケットターンと、みどころいっぱい笑いどころいっぱいだ。ロケットターンの人は、前からロープで引っ張ってもらっているとしか思えない。CGなどなかった頃の特撮を楽しめる。
若き日の逸見政孝氏が実況担当。沖さんの出演はなし。

62.『ガンバレ!水泳日本』 9/6
前回に続いて、沖さんの出演はなし。
これが赤プリ?と疑ってしまうような、シュールな光景。公園で見出しを貼って新聞を売っているおばさんたちという光景も昔っぽい。実際にそうやって売っているところは見たことがないような気もするが、当時は世間にニュースが広まっていることを知らせるためのシーンとして、よく登場していた。そして、新聞の印刷機械が廻る絵に、ニュースの文字が入る方法へと移行して行った。「太陽にほえろ!」では、よくこの輪転機が登場。

63.『勝利への団結』 9/13
番組当初から姉にいじめられ、ライバルの御園いずみにいじめられていた、明るく耐えるヒロイン・鮎子だが、とうとういずみと和解する。
沖さんが出演されるころには治っているが、最初はいずみさんの腿の傷が痛々しくて、子供心にもいずみさんが可哀想に思えたので、この和解は嬉しかった。
またまた沖さんの出演はなし。

64.『驚異の空中回転ターン』 9/20
いよいよオリンピック代表選考会の日がやって来る。
足首を痛めた鮎子が、片足でトビウオターンが出来るように工夫する。それより速く泳ぐ工夫をした方が良いのではないかと思われるが、オリンピックは体操で目指した方が良いのではないかと思うほど高く飛んで一位になる話。
足首を痛めていることに、いち早く気がついた一平は、夕暮れの帰り道を歩きながら「無理をしちゃ、だめじゃないか」などと諭す。絵になる二人だ。
代表決定戦では、仲間の男子選手が泳いでいるのに、鮎子の笑顔をみつめている一平。ベタぼれのご様子。

65.『栄光の金メダル』(終) 9/27
足は良くなったという鮎子の言葉に嘘はないようだが、依然として足をひきずって歩く鮎子を見て、一平は大学の先輩の医師に相談する。
オリンピック選考会を目前にした緊張や恐怖が、無意識の言い訳をさせているのだろう、リラックスさせてやる必要があると教えられた一平は、鮎子を児童公園で遊ばせる。回転球をまわしながら笑顔の二人は、昔のベタな恋人たち。←やっかみ入り
代表選考会の二日目、一平は200メートル個人メドレーで日本新をマーク。バタフライもお上手です。
沖さんはこの年の7月15日に左肩を骨折しているので、これはその前の撮影だったようだ。












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