| 日本の大主教・亜使徒 聖ニコライの奉事 1)日本の亜使徒・聖ニコライへのアカフィスト 其冠詞は、 ニコライよ、爾は光と眞實たるハリストスに役し、我が國を照し、使徒と等しきもの者と顯れたり。 大 晩 課 「主よ、爾に呼ぶ」に八句を立てて讃頌を歌ふ、第四調。 今日、我等屬神に祝ひて、ハリストスの成聖者にして、使徒に倣ひし者、言と度生とを以て福音を傳へし者、奇異なる司祭長ニコライを讃揚せん。彼其牧群と全教會の爲に祈り給へばなり。 ロシアの地が産み出だしし者にして、我が國の絶妙なる光照者、恩寵を蒙れる聖なる教會の子、ハリストス救主の眞なる役者、亜使徒・成聖者ニコライは、今生命の源たる聖三者の前に立ちて、世界の救の爲に祈り給ふ。 ハリストスの愛を承け認め、藉身せし神・言、人類の救主を傳へて、諸使徒に列りしニコライよ、爾はハリストス主なる義の日の光線にて爾の青春を聖にせり。今、衆人の爲に祈り給へ。 使徒と等しきニコライよ、爾はハリストスの暮れざる光に照され、日の出づる地なる我が國へ熱心に赴けり。人の心を福音にて照し、此を神聖なる愛にて暖かくせん爲なり。故に爾の牧群の爲に祈り給へ。 光榮、同調。 聖ニコライよ、爾は全き愛なる主・一体の聖三者を傳へ、且つ神の中に居り、我が國の民を愛する天の愛の中に居ること、藉身せし言の愛弟子の言ひしが如し。故に我等の爲に祈り給へ。 今も、生神女ドグマティク、第四調。 生神女よ、爾に因りて神の先祖と爲りし預言者ダウィドは、爾に大いなる事を爲しし者に、爾の事を歌ひ呼べり、女王は爾の右に立てりと、蓋父なく爾より甘んじて人の性を取りし神ハリストス、大いにして裕なる憐を有つ主は、爾母を生命の中保者と現せり、是れ慾に朽ちたる己の像を改め、山の中に迷ひし羊を獲て、肩に置き、父の前に攜へ、己の旨に協はせ、之を天軍に合せて、世界を救はん爲なり。 リティヤに讃頌、第一調。 亜使徒ニコライよ、神聖なる撫恤者、聖にして眞實なる神(しん)は爾の心と智慧を照せり。爾ハリストスを知らざる者に役せん爲なり。而して爾は我が國に来り、爾の行と言の眞實なるを以て藉身せし救世主を傳へたり。故に我等衆人の救はれんことを彼に祈り給へ。 日本の國よ、輝き慶べよ、蓋爾はニコライを成聖者及び使徒として有てばなり。彼は天にいま在す父の寶座の前に立ちて、爾の爲、及び爾が民の爲に祈り給ふ。我等心と智慧に福音を受け入れ、世世にハリストスと偕に生きん爲なり。 光榮、同調。 使徒と等しき成聖者ニコライよ、爾はハリストスを爾の心に受け入れたり。故に神の愛は爾の口より豊かに流れ出でたり。蓋爾は、衆人の救はれんことを欲する主、永遠の叡智なる神の子を傳へたればな り。 今も、同調。 全くきずなき神の母・童貞女マリヤよ、時の充滿至りて、爾は人類の救主、世界の光照者、無原なる父の獨生の子を生み給へり。成聖者ニコライは、使徒に倣ひて彼を我が國の民に傳へ給へり。 挿句に讃頌、第二調。 司祭長は斯くの如き者たるべし。即ち熱意に於て使徒と等しき者、度生の潔きに於て克肖者と同じき者、牧群の爲に死に至るまで生命を棄つるを決意せし者なり。成聖者及び神の役者ニコライよ、爾は正しく然る者たりしなり。 亜使徒ニコライよ、爾は眞實の日たるハリストスへ熱心に進みたり。故に我が國に於て使徒として役するの鬮が爾に當れり。爾は天使の如き克肖者の生を度り、爾の我が國に神の教會を植ゑしこと、美しき園をするが如くして、且つ死に至るまで己の牧群に忠なりしこと、花婿が麗しき花嫁にするが如し。故に、爾は司祭長の権杖を爾の右の手に與へし府主教の言を成し遂げて、永遠の生命の榮冠を戴けり。 成聖者ニコライよ、爾は使徒と同意にして同座なる者、主教職の高きに揚げられ、ハリストスの光を我が國の民に輝かしめ、此を福音の信に堅め給へり。故に我等の爲に主に祈り給へ。 使徒と等しきニコライよ、爾は人の前に爾の主を認め、主も爾を天の父の前に認めたり。蓋爾は己の口の言及び度生を以て永遠の生命を傳へ、我が國の民を生ける神の教會に與らしめ、世界の燈と爲りたればなり。 光榮、同調。 成聖者ニコライよ、人類を救はんが爲に来り給ひし者、至愛なる獨生の子、永在なる父の本性の像たる者は爾を召して、福音を傳ふるに於て己に役せしめたり。蓋主は、萬民に教を傳へんことを其弟子に命じたればなり。故に、爾は聖神の恩寵に堅められて、我が國の民に教を傳へ、洗を授け、地に神の國を植ゑ給へり。 今も、生神女讃詞。 讃詞、第四調。 使徒と等しく同座なる者、ハリストスの忠實にして神智なる役者、聖なる神(しん)に選ばれたる笛、ハリストスの愛に滿ちたる器、我が國の光照者、亜使徒・大主教聖ニコライよ、爾の牧群の爲、及び全世界の爲に生命を保つ聖三者に祈り給へ。 早 課 第一の誦文の後に坐誦讃詞、第三調。 亜使徒ニコライよ、爾は、神が人と爲りしこと、及び永遠の救がハリストス・イイススに在るの眞實を我が國の民に傳へ、人の心に神の愛と義を施し給へり。 光榮、同調。 造られざる三者、神聖なる三位の惟一者よ、爾は聖なる教會の役者の神聲なる舌を以て、爾の造物を愛と平安の神聖なる生命に招き給ふ。故に、聖なる教會に於て輝きし日本の福音者ニコライが其牧群たる我等の爲、及び衆人の爲に爾に奉る祈りを納れ給へ。 今も、同調。 至聖・至潔なる童貞女・女宰よ、爾は神を身にて生むに因りて元祖母エワを詛の縲絏より解き給へり。今爾の子は、凡そ爾を愛し爾の庇護の下に趨りつ附く者を救ひ給ふ。故に日本の光照者・亜使徒ニコライと偕に我等の爲に彼に祈り給へ。 第二の誦文の後に坐誦讃詞、第五調。 爾は聖神の恩寵に因りて罪なる諸慾に克ち、己に於て古き人を變容せしめたり。蓋善き志を以て至上なる神の旨を行はんと欲して、己をも諸人をも暮ならざる光にて照し給へばなり。 光榮、同調。 使徒に倣ひしニコライよ、爾は、天に在す萬民の父の旨、即ち衆人が永遠の救を得ん旨を行ひて、世界の救主・神の子が身を取りしことを傳へん爲に爾の道を我が國へ向はしめ、諸人をハリストスの恩寵にて照し給へり。故に我等の爲に祈り給へ。 今も、同調。 生神女よ、日本の成聖者ニコライと偕に爾の子に祈りて 諸人が永遠の救を得んことを願ひ、且つハリストスを 知らざる者を天の光にて照し衆に恩寵の力を賜はんことを求め給へ。 多燭詞の後に坐誦讃詞、第六調。 今、我が國の民は屬神に樂しみ、且つ我等と偕に凡そハリストスを愛する者も祝ひ、主に歌ひて言ふ。世界の救主よ、光榮は爾に歸す、蓋爾は、今我等の爲に爾に祈る成聖者ニコライ、使徒の生を度り福音を傳へし者を我等に賜へばなり。 第五十聖詠の後に讃頌、第六調。 成聖者ニコライよ、爾は地より天へと熱心に進み、且つ己が爲に生くるに非ず、乃ち己の友の爲に生命を棄つるを命ぜし爾の主が爲に生き、我が國に救の福音を傳へ、爾のうち中にハリストスの像を見し諸人をハリストスに歸せしめ給へり。 規程、第四調 第一歌頌 イルモス、主、我が神よ、我爾に歌はん、蓋爾は民をエギペトの奴隷より引きいだ出し、ファラオンの兵車と軍とを沈め給えり。 成聖者ニコライよ、我が國は爾を斯くの如き者と知れり。乃ち度生にて天使、意にて使徒、神の人、ハリストスの光に燃ゆる燈、ロシアの地が産み出しし者、天の父の愛する子なり。 亜使徒ニコライよ、爾は言と行を以て、我が國の民をして、人類に仁慈と愛を顯し給ふ爾の神の大なるを讃揚せしめ、地上に神の前に凡その義を行へり。故に、爾の就寝は諸聖人と偕にして、爾は生命を施す聖三者の前に立てり。 使徒と等しきニコライよ、爾は全身全靈にて使徒と等しくして、爾の心に神の聖神を獲得せり。故に、永遠の生命の言を流し、爾の度生に於て己を以て信と義と温柔の模範と爲せり。我等も此の恩寵を得んことを願ひ給へ。 生神女讃詞 至浄なる者よ、爾は永遠の救の役者と顯れたり。蓋爾は、神と人との間の惟一なる中保者、神の子ハリストス・イイススを、其の人と爲りしに因りて、地に生まれたる者の 性に合わせ給へり。故に、凡そ呼吸ある者は爾を崇め讃む。造成主及び天の主宰が爾に因りて地に来たり給へばなり。 第三歌頌 イルモス、信者の防固及び美譽、不朽の泉、善き願の賦與者たるハリストスよ、爾の愛に我を固め給へ。 成聖者ニコライよ、爾は神の牧群の守護者、我が國のハリスティアニンの教師、使徒の意に熱心に倣ひし者なり。勇みて暮れざる光に於て主宰の寶座の前に立つ者よ、全世界の爲に祈り給へ。 亜使徒ニコライよ、爾は實り豊かなる木の如く我等に顯れたり。蓋爾は神の國の福音に根を張り、敬虔に於て成長し、全きに達したればなり。我が國は爾の祈祷と労の實をハリストスの教會の諸子に於て顯せり 聖ニコライよ、爾は神聖なる炎に心を燃され、年の若きと其の諸慾を顧みずして、我が國に永遠の福音を傳へて爾の志を成し遂げ、使徒の行に與れり。 生神女讃詞 童貞女にして世界の救主のきずCなき母たる者よ、爾の僕婢に爾の助を與へ、爾の祈祷に因りて爾の民を凡その罪と禍より免れしめ給へ。我等地上の度生に天の恩寵に與り、永遠の生命に天の光榮を見ん爲なり。 座誦讃詞、第七調。 使徒と等しき讃美たるニコライよ、爾は青春をハリストスに捧げ、神の光に輝き、己を悉く聖にして、高きに置かれたる燈火、永遠の生命の道を教ふる者と爲れり。蓋爾は我が國に於て爾の諸子をして世の海の淵を渡らしめ、永遠の生命に導き給へばなり。 今も、同調。 ハリスティアニンの庇護者、及び地上に於ける善なる扶助者、世界の守護者たる生神女マリヤよ、爾の祈祷に因りて、我が國及び全世界に爾の子の教會を固め、爾の民を凡その悪より救ひ給へ。 第四歌頌 イルモス、ハリストスよ、爾は寛容に因りて叡智を以て天を傾け、人体を取りし者として地に顯れ給へり。故に我等皆呼ぶ、人を愛する主よ、光榮は爾の力に歸す。 爾は天使の如く生きんが爲に生まれ、神のみを讃美せんと欲し、世及び凡そ其中にある悪を捨て、卓抜なる修道者と爲れり。乃ち神品職に飾られ、我が國に於て使徒の如くに生き、多くの人をハリストスに歸せしめ給へり。 成聖者及び使徒ニコライよ、爾は實にハリストスの像と爲れり。蓋爾は常に労して祈り、福音の愛の鋤にて冷へたる土を耕し、救を施す福音の種を蒔き、百倍の収穫を得たり。爾の植ゑ給ひし所の我が國の教會は今喜び輝けり。 亜使徒ニコライよ、爾は上よりする東の光を極東の我が國に傳へ給へり。自ら神の前に燃ゆる火の如き者たるに因りて、彼の光を我が國の民の心に燈し、且つ此れをハリストスの愛にて暖め給へり。故に爾の諸子の爲に祈り給へ。又、世界に平安と愛を固めんことを祈り給へ。 生神女讃詞 女宰・神の母よ、爾は己の子と分れずして、天の光榮に於て彼の前に立てり。且つ地に生まれたる者を捨てずして、其の祈祷を納れ、爾に祈る者に臨み給ふ。蓋爾は人の心の苦難を知り給へばなり。 第五歌頌 イルモス、我が主よ、爾は光、信じて爾を崇め歌ふ者を闇き無智より引き出だす聖なる光にして、世界に来り給へり。 使徒と等しきニコライよ、爾は親類より遠く、爾の友より遠くして、故郷より遠き我が國に於ける労多き度生を選び、神に固められてハリストスの教會を植ゑ、爾が心の器を愛の油にて満たせり。 神に召されし成聖者ニコライよ、爾は労と病を負い、多くの苦難に耐へ、己を悉く使徒の行に捧げ、主の言を我が國の民に福音し、生ける生贄として己を主に献げたり。 爾は天のイエルサリムを求め、アウラアムに倣ひて爾が先祖の境と地より出で、約束の地を得たり。爾が彼の地に受けたるは安息と楽に非ず即ち多くの苦難なりしたれども、爾は教會の畑が神に新しき人を實らしむるを見て喜べり。 生神女讃詞 生神女マリヤ、至浄なる母、童貞女、神の愛の秀でたる器、世界の救に役せんが爲に凡その世代より選ばれし者よ、世界は爾の轉達に護られ、且つ爾は己の仁慈を以て諸民に臨み、凡そ地に住める者に救を賜はんことを祈り給ふ。 第六歌頌 イルモス、主我が神よ、我等夕に朝に昼に爾を崇め讃む。我等の聲を聞き給へ。爾は、三位にして一体なる神、己の愛を凡その造物、殊に人類に注ぎ給ふ者を明らかに傳へたり。其の獨生子の人と爲りしは人類を神聖なる生命に與らしめ、我等はハリストスに従ひ、教會が父と子と至善なる撫恤者の名に因りて施す所の更生、水と神(しん)とに由る者を受く。 多くの労及び苦難を負ひし爾の心は喜びに満てられたり。蓋爾は、凡そハリストス救主に従ふ者の十字架を担ひて彼に従ふべきを知ればなり。生命を施す十字架は爾を大なる力にて固め、爾は言と度生とを以て、我等を固むるイイスス・ハリストスに因りて我等能くせざる所なし、と衆人に傳へ給へり。 ニコライよ、爾は眞なる牧者、世界の燈、暗闇に居る者の光、屬神の目を持たざる者の教導者と顯れたり。神より預かりし人を救はん爲なり。爾は凡その人の爲に凡その者と爲れり。故にハリストスの教會にて使徒と等しき者と稱せられ、全世界の爲に屠られし羔の神聖なる寶座の前に立つ者に加へられたり。 生神女讃詞 女宰よ、民中の富める者は爾の顔の前に立ちて祈り、爾と爾の子、乃ち罪に因りて被れる禍より人類を免れしめ、世界を救はんが爲に爾より生まれし者とを讃揚す。爾は凡そ爾に趨り附く者に地上の喜びと永遠の喜びを與へ給ふ。爾は凡その喜びの中の喜びなればなり。 小讃詞、第四調。 成聖者・亜使徒ニコライよ、我が國爾を旅人及び異邦人と受けしに、爾は初め我が國に於て己を外来者と知りたれども、ハリストスの光と暖かきを流し、爾の敵を屬神の子と爲し、彼等に神の恩寵を與へ、ハリストスの教會を建てたり。今、此の教會の爲に祈り給へ。蓋我等其の諸子は爾に呼ぶ、我が善き牧者よ、慶べよ。 同讃詞。 成聖者・亜使徒ニコライよ、爾は實に己の中にハリストスの像を抱き、愛を以て敵に勝ち、偶像の迷を滅し、神の教會を築き固め、水と神(しん)に因りて神の國の諸子を生む者として我が國に顯れ給へり。今我等爾の諸子はハリストスの信を保ち、爾、我等の爲に祈る者に呼ぶ、我が善き牧者よ、慶べよ。 第七歌頌 イルモス、少者を炉に焼かるるなく護りて、火を滅しし主を歌ひて言はん、我が先祖の神よ、爾は崇め讃めらる。 亜使徒・成聖者ニコライよ、爾の心は斯くの如きを喜ぶ。乃ち爾が洗盤にて神に新たなる人を産み、逆らひの子の怒りより愛へ、暗闇より光へ、不信より信へと移り、曾て窘逐せし者の新たに使徒と爲りしことなり。 爾は使徒の如く爾の愛を顯し、爾を殺さんと欲せし敵なる澤邊を友の如く迎へ、眞實に因りて彼をハリストスへの従順の虜とし、パウェルと名付け、ハリスティアニン及び上の神の司祭とせり。彼は永眠する迄、福音を傳ふるに留まりたり。 使徒と等しきニコライよ、爾は我が國の民がハリストスに歸せしめらるるを見んことを熱心に願へり。故に長年我が國に留まりて、其の学を究め、神聖なる言を我が國の言に訳し給へり、爾の諸子の之を解せんが爲なり。今、主宰の寶座の前に立ちて我等の爲に祈り給へ。 生神女讃詞 母・童貞女よ、爾に於て常の法變へらる。蓋爾が胎の荒れたる親より生まれしは至りて讃美たることにして、爾の腹に於て言は肉体と爲れり。爾の眠りし後も、柩と死とは爾を留めず、乃ち爾の子は爾を天より高き所に移せり。爾は彼方に亜使徒ニコライと偕に世界の爲に彼に祈り給ふ。 第八歌頌 イルモス、衆人の贖罪主・全能者よ、爾は降りて、炎の中に敬虔を守りし者に露を注ぎて、歌はしめ給へり。悉くの造物は主を歌ひて崇め讃めよ。 使徒にして義人たる成聖者ニコライよ、爾は死に至る迄、救主ハリストス、乃ち己の葡萄園に爾を召しし者に忠實にして、彼の爲に労せり。野生の枝を神聖なる木と合せん爲なり。爾今其の枝の實を結ぶを見て、ハリストスを世々に讃揚し崇め讃む。 我が國の民は爾を斯くの如き者と知れり。乃ち行ひに於て眞に使徒、度生に於て天使、意に於て子を愛する父なり。爾我が國の民を愛すること己よりも大にして、我等の爲を思ひて福音を傳へんが爲に多年を捧げ、實り多き畑の如く我等の心を耕し給へり。今永遠の喜びの中に我等の爲に祈り給へ。 捧神なるニコライよ、爾は諸族の教師たる首座のパウェルに倣ひ、己を捨て、凡その人の爲に凡その者と爲り、艱難辛苦を顧みずして、爾の言と行ひとに因りて我が國の民にハリストスの愛の律法を教へ給へり。衆人の救主に祈りて、爾が労せし所の葡萄園を固めんことを求め給へ。 生神女讃詞 少女・神の嫁マリヤよ、爾はイイスス救主を生み給へり。彼は世界と古き人とを悉く新たにし、其の藉身に因りて我等の性を己に受け、罪なき血にて我等の罪を洗ひ、復活に因りて永遠の生命の門を我等に開き給へり。 第九歌頌 イルモス、至浄なる童貞女よ、神の言ひ難き秘密は明らかに爾に於て行はる。蓋神は慈憐に因りて爾より身を取りて生まれ給へり。故に我等爾を生神女として崇め讃む。 聖ニコライよ、爾は諸聖人の會に加わりし者、敬虔と信との行者、永遠の眞實の言を傳へ、救ひを傳へし者なり。爾天に不死の生命を有ちて、爾が我が國の民に傳へし救主の前に立つ。 聖三者は、凡そ神の義に渇く者に永遠の生命の飲物を與ふる器として爾を選び給へり。爾は、眞に神を知る智識の飲物を爾の諸子に與へ、我等の足を救ひの道に向はしめ、父と子と聖神の名に因りて我等に洗を授け給へり。 日本教會の首座主教にして亜使徒なる聖ニコライよ、爾は爾の牧群の人の父及び教師、轉達者及び教導者なりき。故に多くの人の心をハリストスに引き附け、ハリストスの愛の網にて我等を漁し得たり。衆人の世々にハリストスと偕にせんことを祈り給へ。 生神女讃詞 昔エワは罪に陥るに因りて無花果の葉を綴り合せ、腰に巻けり。爾は天の父の旨に従ふに因りて金糸にて織りたる衣を纏ひ、神聖なる華美にて飾られ、原母を詛ひと死より免れしめ、生命を賜ふの主を人類に生み給へり。 光耀歌、第四調。 天の光は爾地の人を照せり。故に爾の心は輝き、爾の度生は悉くハリストスに因りて固められたり。乃ち爾自ら救ひの道を歩みてハリストスに従はん爲のみならず、諸人をも主に導かん爲なり。 光榮 天の父よ爾に祈る、無原なる子よ爾に願ふ、至聖なる神(しん)よ爾に呼びて言ふ、日本の使徒ニコライをせしが如く我等を眞實の光と爾の愛にて照し給へ。我等彼と偕に永遠の國に於て爾の前に立つを得ん爲なり。 今も 希望を有たざる者の希望、凡そ世の嵐に遭ふ者の避處、主の瑕なき母よ、凡そ爾に趨り附き爾に助けを求むる者の聲を聴き納れ給へ。蓋我等爾の外他の望みを有たず、他の佑けを有たざればなり。 「凡そ呼吸ある者」に讃頌、第四調。 聖ニコライよ、爾は司祭長インノケンティイ、シベリア及びアメリカの民に福音を傳へし者に會ひ、彼の心の燈明より使徒職の油を受けたり。蓋彼は爾に於て神の熱意を固めたればなり。乃ち爾永眠に至る迄、ハリストスを知らざる者の爲にハリストスの畑に種を蒔く者として日本に留まらん爲なり。 使徒と等しきニコライよ、爾は神の叡智の寳藏なり。日本に於て新しき知識の富を得、之を以て我が國の民をハリストス主に與らしめ、我等を導き、戒め、世界の救主に従はんことを切に勧め、永眠に至る迄、屬神の鋤にて畑を耕し福音の種を蒔き、爾の労多き度生を終へたり。 成聖者ニコライよ、昔預言者のせしが如く爾は心にて呼べり、我は此所にあり、爾を知らざる人に我を遣はし給へ、我彼等の永遠の救ひに役せん爲なり。爾は斯くの如く天の父の旨を行ひ、遠き日本の地に旅立たんと欲して、己に於て神の全き像を顯せり。 爾は我が國にて眞の神を知る智識の燈火を燈し給へり。蓋我が國の民は、叡智と知と眞實、凡その人を照し永遠の生命の門を開き給ふ者、世界に輝きし智慧の光を探し求めたればなり。 使徒と等しき聖ニコライよ、爾は諸天を経たる司祭長イイススの前に立てり。蓋爾の愛と信とを主に捧げて言へり、主よ、我は爾の役者の如く行ふべきことを行ひしのみ、と。故に爾は主の至りて甘美なる聲を聞く、樂しみて我が喜びに入れ、と。斯く爾は朽ちざる光榮の冠を戴けり。 光榮、同調。 爾が度生の燈明の油の尽くる時、爾の心は喜びに満てられたり。蓋我が國にて偶像崇拝の夜は明け、義の日たるハリストスが輝きたればなり。爾は神・一体の三者に新たなる民を歸せしめ、聖なる堂を建て、永遠の生命を得たり。爾の祈祷に因りて我が國の教會を固め給へ。 今も、第八調。 女宰よ、爾の僕婢の祈祷を納れ、我等を諸々の苦難と憂ひより免れしめ給へ。 大詠頌 聖體禮儀 眞福詞は、カノン規定の第三及び第六歌頌。 提綱、 其聲は全地に傳はり、其言は地の極に至る。 句、諸天は神の光榮を傳へ、穹蒼は其手の作爲を誥ぐ。 使徒経の誦讀はエウレイ書三百三十五端。 福音経の誦讀はマトフェイ十一端。 領聖詞、其聲は全地に傳はり、其言は地の極に至る。 ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ ● ここに掲載した「日本の大主教・亜使徒 聖ニコライの奉事」はロシア正教会モスクワ総主教庁出版の月課経(2月)に収められている。この日本語訳は現在東大に学んでいるアレクセイ・ポタポフ氏による。 この訳が日本の正教徒に与えられた意義は大きい。試訳ではあるが、今後多くの信徒と識者の祈りの中から生れるご意見を取り入れて、より完全な奉事となることを願う。現時点では、この他にイーゴリ清水兄の翻訳もあることを付記しておく。 ニコライ大主教は日本の亜使徒であり、日本に正教の信仰を伝え、育てた。どれだけ私たちが真剣に聖ニコライに祈りの転達を願うかが、今後の日本における正教伝道のベクトルになるであろう(長司祭 イオアン長屋) ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ |
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