―写真館 ミナミヌマエビ―
ミナミヌマエビ
 国産の大卵型エビの代表格で、ショップでも安価で手に入る種。ゾエア期を持たず、親と同じ形で生まれるため繁殖させやすいのが特長です。ヤマトヌマエビのようなカラフルな模様はありませんが、環境によって色彩を変化させ、また個体によっても微妙に色が違うので、それなりに楽しめます。肉食魚の餌やタイ釣りの餌にも用いられます。
 卵の手入れをするメス。抱卵したメスは、遊泳脚を揺すって卵が孵るまで世話をします。卵は常に新鮮な水にさらされていないと死んでしまうようで、卵を親から離して人工的に育ててみましたが、24時間以内に実験に使用したすべての卵が死んでしまいました。卵は通常、2〜4週間で孵り、稚エビは生まれるとすぐに親と同じ生活を始めます。
抱卵
 ヤマトヌマエビやスジエビなどは、生まれた当初はゾエア幼生であるため、飼育は難しいのですが、ミナミヌマエビは稚エビで生まれるため、エビ繁殖の入門に最適です。写真は交尾直前のオス(右)とメスで、メスの遊泳脚格納部の側板は卵を守れるように大きく広がっています。また、背中には内子が見えています。
 抱卵脱皮したメスです。これより前、メスは胴体背面、背腸の周囲に内子を形成し、内子が十分に成育すると抱卵脱皮を行い、内子を遊泳脚に産み付けて外子を形成します。抱卵脱皮するとフェロモンのようなものを発するらしく、オスはその匂いを辿ってメスを追いかけますが、メスも逃げ回るため探すのは一苦労です。オスたちが水槽中を駆け巡っているような状態のときは、どこかに抱卵脱皮したメスがいるはずです。
 交尾中のメス(左)とオス(中央で仰向けに写っている)で、右のオスはとりあえず抱きついてみたものの、中央のオスに先を越されて為すすべなしといった感じで傍観しています。エビの交接器(メスの場合は産道も兼ねます)は腹側にあるので腹面を合わせて15分ほどその姿勢を保ちます。交尾が済むとフェロモン?の発散は止まり、オスたちもメスを追いかけなくなります。メスは足場のしっかりした場所を探して2〜3時間そこに留まり、やがて産卵を始めます。
 産卵を始めたメスです。卵がこぼれないように、体を折り曲げ、産道を遊泳脚で覆いながら、胴体と胴体側板、および遊泳脚で構成される空間に卵を産んでいきます。卵には若干の粘着性があり、遊泳脚に付着します。卵が十分に定着すると、世話をしながら通常の生活に戻ります。この際、環境が良いと、抱卵した状態で続けて内子を形成し、毎月稚エビを孵化させるようになります。抱卵脱皮から産卵まで、抱卵行動全体では長いと半日程度かかりますが、産卵自体は2分程度で、写真は20秒の間を空けて撮影したものです(右が20秒後で、左と比べて7〜8個卵の数が増えているため色が濃く見えます)。産卵時間が短いのは、突然の水流や邪魔などで体勢が崩れ、補整しようと遊泳脚を使うと卵をこぼしてしまうことになるため、邪魔が入らないうちにという考えからですが、それでも水流で足場の水草が揺れたり、同居魚や他のエビが近づいてきたりすると抱卵に失敗することがあります。したがって、確実に抱卵させるには、エビ専用水槽で飼育数を抑えめにする必要があります。

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