★果たしてCD9Aのヘッドライトは現代風に生まれ変われるのか?

 

CD9A1992年に発表されてから既に13年を経過した車両である。当時は先進の技術を盛り込んだ物であっても、今となっては少々古めかしく感じる部分もある。運転している本人が一番目に付くのは内装で、ダッシュボードやメーター周辺のレイアウトやデザイン等、現代風にモディファイしたいと思うのは当然の事だ。それ故に私はメーターをEL化したり、ブーストメーターを取り付けたり、ちょっとしたアクセサリー類を飾ってみたりと工夫している。

ただ、外装だけはそう簡単には手を付けられないのが正直なところである。エアロパーツは高価で、取り付けも容易ではない。ステッカーを貼ったり、フロントバンパーにカナードやスポイラーを取り付けてみたりと、小物類で精一杯である。

しかし、昨年1つの大きな変化を遂げた。テールランプASSYをユーロテールに交換した事である。CT9A(エボ[ MR)風のこのユーロテールは確かに高価な物だったが、それに見合うだけの満足感を与えてくれた。

それに味をしめて、今回ヘッドライトに手を出す事になったのである。

 

購入から取り付けに至るまでの紆余曲折を検証というよりはレポートという形でお届けしよう。 

 

【検証1 - ヘッドライトとウィンカーの一式を購入 - 】 

 

今回購入した製品は、マルチリフレクター(ガラスカットがされていない)レンズで内部の一部がブラックアウトされている、これまたCT9A(エボ[ MR)風の物だ。

 

 

実は、このヘッドライトASSYは日本国内向けに販売されている物ではない。台湾の方が中国の国内向けのヘッドライトをヤフオクに出品しているのを落札したのだ。海外との取引となる事から少々不安もあったが、評価実績の高い出品者の方だったので購入に踏み切った。

 

お気付きだろうか?そう、中国は日本とは逆の右側通行の国なのである。よって、光軸の調整範囲も右側を良く照らせるような設計になっているのだ。但し、ウィンカーの方は光軸調整なんて無いので、問題は無い。これを日本国内で使用する場合、光軸調整を出来るだけ左を良く照らすように少々無理な調整をしなければ、対向車に眩しい非常に迷惑なヘッドライトになってしまうのである。如何に光軸調整をきっちりやるかが今回のポイントになりそうだ。そうは言っても、ある程度までは調整出来るだろうが、車検に合格する範囲には納まらないだろう。

 

また、コーキングを自分で追加し直した方が良いだろう。あのDepo社製だという事だが、ヘッドライトもウィンカーも明らかに隙間が開いており、コーキングが全然足りていないように見える。いや、明らかに足りていないのだ。レンズ内の曇りや配線のショート等のトラブルが起きないように防水対策が必須だろう。

私はコーキングを広範囲に渡って綺麗に施工する自信が無かった為、ホームセンターで小さいチューブ状のコーキング剤を購入し、部分的に追加した。

今回使用したコーキング剤はコーキングガンで押し出すような大袈裟な物では無く、家庭用の水周り等の簡易的なコーキング用の物だ。値段も398円でお手頃。色は透明(半透明?)を選択。チューブ式なので扱いやすいというのも選択した理由の一つだ。

コーキング前の写真は取り忘れてしまったが、以下のコーキング済みの写真を見て頂ければどれだけの隙間が開いていたかがご理解頂けるだろう。写真で見るよりも実物の隙間は結構酷い。製品としてこれで良いのか?と問いたくなる程の出来だった。

 

 

24時間以上放置しておくと、ゴムのように硬化する。これなら十分防水対策になりそうだ。

 

【検証2 - 光軸調整の方法 - 】

 

上記の検証1にて、光軸調整がポイントになるだろうと述べたが、そもそも光軸がどうなっていれば良いのか良く解っていない。事前に調べておく事にした。

 

車両運送法に定められているヘッドライトに関する事項としては、「ヘッドライトの光の到達距離は、ロービームで40m先まで、ハイビームで100m先までとする」と定められている。気になっていた左右の範囲についての記載は見当たらなかった(本当はあるのかも知れないが)。

つまり、光の到達距離の調整を法令通りにしておけば、左右の照らす範囲は任意という事になる(のかも知れない)。

若干肩の荷が下りた感もあるが、そう楽観視もしていられない。どの道きっちりと調整はした方が良いのだから。

 

では、実際にどうやって調整すれば良いのだろうか?

40m先の壁または100m先の壁に映る光の陰をメジャーを持って行き来して計測していたのではちょっとした陸上競技になってしまう。

そもそもロービーム時に40m先で丁度良く調整してしまったら、ハイビーム時に100mで丁度良くはならないだろう。どちらも丁度良いポイントを探すなんて事は現実として難しい。

更に良く調べてみると、整備の規定として「光軸調整はハイビーム時で行う事」というものがあるらしい。これが法令として定められているのかどうかははっきりとしないが、どうもそうした方が良いらしい。

しかし、ここでちょっとした疑問が生まれた。

夜間運転する場合の殆どのシチュエーションでは、ロービームを使用しているのではないか、と。であればロービーム時に丁度良いように調整するのが筋なのではないか?仮にハイビーム時に丁度良いように調整した場合、ロービームに切り替えると40m先まで照らせないなんて事態もありえるのだ。そんな状態で夜間運転するのは如何なものか?横から飛び出してくる歩行者の発見が遅れる原因にもなる。自分が人身事故の加害者にならない為にも、ロービームで調整する方が私には適しているように思えた。

 

何れにしてもこのヘッドライトASSYで車検に通すつもりが無い(というか、多分通らない)ので、周囲にも自分にも最適な調整をすれば良いのだ。そう思う事にした。

 

さて、具体的な調整方法を検討しよう。

以下のような図形をイメージして欲しい。何だか小学生か中学生の頃に算数(数学)で見たような感じもするが、その当時勉強した事が今役に立つ!

 

 

つまり、こういう事だ。

ヘッドライトの光の中心点(B)、そこから地面と垂直方向に延びた線と地面が交わる交点(C)、その交点から40m先の光の到達点(A)、この3点を結んで出来る三角形(△ABC)があるとする。ここでヘッドライトから4m先に仮想の壁を作ってみると、何と縮尺が違うだけの同型の三角形(△BXY)がもう1つ出来上がるのだ。

 

 

よって、△ABCと△BXYの形は同一で、縮尺のみ違うのだから、ここで算出出来るαは、6cmという事になる。

単純に縮尺は1/10な訳で、わざわざ計算しなくても即算出出来るだろう。

Y点は地上高60cmな訳だから、X点は-6cmの地上高54cmだ。

要するに、40m先を見据えて調整をしなくても、4m先の壁に光を当てた時に光の上限際が地上高54cmであれば、丁度40m先まで光が届くという事だ。

もっと近くの壁を使わざるを得ないのであれば、1m先の壁に光を当てた時に光の上限際が地上高58.5cmであれば、丁度良いという事になる。

但し、近い距離を基準に調整する程見極めが難しくなるし、1mmの誤差が大きな差になるので注意が必要だ。

 

更に付け加えると、車高が変われば光の到達距離も当然ながら変わる。

車高が下がれば到達距離は短くなり(手前しか照らせなくなる)、逆に車高が上がれば到達距離は長くなる(周囲が眩しく感じ易い)ので、私のように夏と冬で5cm以上車高の差がある車の場合はそのあたりを考慮して調整する必要もあるだろう。まぁ、車高を変える度に光軸調整をするのであれば別だが・・・。正直それは面倒だ。極端な事を言えば、乗る人数や載せる荷物の重さでも車高は変わってしまうのだから。

 

後に、上記の方法を応用したもう少し効率の良い方法を思い付いたので、覚え書きとして記しておこう。

 

まず、A4用紙を4枚並べ、以下のような大きい四角形を作る。A4用紙の短い方の幅は約21cm、長い方の幅は約30cmなので、縦42cm×横60cmの四角形になる。

次に、4枚のA4用紙をこの形でテープ等で貼り合わせ、その境界には黒いペンで暗くても目立つように線を引いておく。結果的に十字が描かれる事になる。

そして、中央の横線から6cm下にもう1本横線を引いておく。

 

 

この紙を使うと光軸の調整がぐっとし易くなる(はずだ)。

使い方は、4m先の壁にこの用紙を貼る。その際に、中央の横線の高さがヘッドライトの中心点と同じ高さになるように(今回であれば60cm)、また、中央の縦線の位置が車体の中央と一致するように貼っておく。で、この紙に照らされた光を見ながら調整をすれば、調整するたびにメジャーで測る必要等無いのである。

上の図のように、黄色い範囲内に光が収まるように調整すれば、取りあえず上下方向の調整は完了となる。

問題なのは左右方向の調整なのだが、左右のヘッドライトの光の焦点を考慮し、車体正面が暗く両側が明るい状態(イメージとしてはV字というか、中央が窪んだ状態)にならない位置を探るしかない。注意しなければならないのは、左右の光を重ね合わせる事だけに重点を置き、左右の照射幅が狭くなり過ぎてしまうのだけは避けたい。右側の照射幅が狭くなるのは多少であれば良いが、左側は良く照らすようにしておきたい(左側通行だから)。

まずは片側ずつ上下方向の調整をした後で、両側を一緒に左右方向(照射幅)の調整をするのが一番し易いだろう。

 

ヘッドライトを交換してしまう前に、純正時で光軸が調整された状態を測定しておくと完璧だ。

 

【検証3 - ヘッドライトとウィンカーの取付 - 】

 

さて、光軸調整も何とか出来そうな気がして来たので、早速ヘッドライトとウィンカーを取り付ける事にしよう。

まずは純正のウィンカーを左右とも外してしまおう。ウィンカーは単にスプリングフックで引っ張って固定(抜けないように)されているだけなので、そのフックを外して手前に引き出せば良いだけだ。当然バルブのコネクタは抜く。バルブは付属していたので再利用せず、スペアに取っておこう。

 

 

ヘッドライトASSYの取り外しはエンジンルーム内に手を入れる隙間が余り無い為、非常に作業がし辛い。運転席側はLLCのリザーバータンクを外してしまえば簡単だが、助手席側は大変な事になっている。何とかして固定用ナットを緩め無ければならない。

固定しているナットの位置は以下の4箇所だ。

 

 

何とか4箇所のナットが外せたので、これでヘッドライトを外せる・・・と思いきや! グリル部分の奥にあるバンパーの固定用ステーとヘッドライトの一部が干渉してしまって、ヘッドライト自体を手前に引き出せないのだ。

 

 

ヘッドライトの固定方法(構造)からして、ここ(ヘッドライト内側)が手前に引き出せない限りは外せない。手前に引き出す為にはグリル部分を大きく歪ませるか、バンパーを外す必要がある。

グリル部分を歪ませるのには限界があり、破損の恐れもある事から断念した。つまり、ヘッドライトの交換にはバンパーの脱着が必須という事になる。

 

これはまた大掛かりな作業になってしまいそうな予感・・・。

 

面倒ではあったがバンパーを外さなければヘッドライトも外せないので、フロントをジャッキアップし、各部の固定ボルトとナットを外していく。この辺りの作業は以前苦労しただけに手馴れたものだ。バンパーを手前に引く前に、忘れずにフェンダーを養生テープ等で保護しておく。そうしないとバンパーを手前に引いた途端にバンパーの両端がフェンダーと干渉し、傷だらけになるからだ。

 

 

バンパーが外せれば後は簡単。ヘッドライトは既に固定用ナットの全てを外してある為、手前に引き出して外してやるだけだ。

無事にヘッドライトとウィンカーが外せた直後の状態。人の顔で言うところの目にあたる物が無いので、何だか髑髏っぽい・・・。

 

 

のんびりとはしていられないので今回購入したヘッドライトASSYを取り付ける。若干取付に加工が必要かもしれないという情報があったので純正との形状の違いを確認してみると、確かに一部が干渉しそうだ。

 

 

上の写真で判る通り、純正ASSYでは切り欠かれているのに対して社外品は切り欠かれていない。干渉しそうな部分を電動リューターで切削し、微調整をしながら取り付ける。

続いてウィンカーも取り付けてしまおう。こちらは無加工で取付出来た。付属のスプリングフックも問題無く使用出来た。

 

 

この時点で全ての配線をし、ヘッドライトとウィンカーの点灯確認をしておく。

ちなみに、今回ヘッドライトASSYを交換するにあたって、関連部品を新調している。白のLEDスモールランプ、純正ハーネスに接続する保護ハーネス、5,000K(らしい)のH4バルブだ。

 

 

これによる変化がどれ位のものなのかは、最後に検証する事にしよう。

しかし、点灯確認中に問題が発生。LEDのスモールランプが左右とも点かないのである。LEDは+と−の極性がある為、逆に取り付けてしまったようだ。一度引き抜いて極性を逆にして取り付け直し、正常に点灯した。

しかし、更なる問題が発生。ウィンカーが点灯(点滅)しないのだ。正確には今回取り付けたウィンカーだけが点灯しない。しかも、ドア横のサイドウィンカーの点滅速度が異常に速い。恐らく倍位の速さだっただろう。

問題の切り分けの為に、今まで取り付けていたウィンカーに戻してみたが正常に戻る。バルブ切れでこんな症状は出ないはずなので、問題はソケット(コネクタ)部分であると判断し、新しい方のソケットの端子の接触を確認した。

結果、バルブに接触するはずの端子がしっかりと接触していなかった事が原因だった様で、端子を軽く折り曲げてやる事で正常に接触するようにした。その後は正常に点灯するようになった。

 

各部の固定用ボルトとナットを本締めし、ガタツキが無い事を確認してからバンパーとインナーフェンダーを元通りに取り付けていく。

 

 

この状態では光軸がメチャメチャになっているので、暗くなってヘッドライトを点けざるを得なくなる前に調整に丁度良い場所まで車を移動しておく必要があった。改めてヘッドライトとウィンカーの点灯が正常に出来る事を確認し、早めに移動する事にした。

点灯出来る事を確認する前に移動して、暗くなってからいざ点灯!という時に点かなかったら夜道を走るどころの騒ぎではない。明るいうちならばウィンカーさえ正常に動作すれば何とかなるかも知れないが・・・。危険である事は勿論、整備不良で切符を切られるかも知れないので注意が必要だ。

 

      【検証4 - 光軸調整の実施 - 】

 

光軸調整の方法については上記で述べた通りだ。この方法を実際に試してみよう。

光の届く範囲の調整なのだから、当然作業は夜になる。近所に人数の少ない屋上駐車場を持った大型店舗があり、屋上なので当然壁もあるので、そこで作業をする事にした。

暗い中での作業というのは非常にし辛いもので、LED5連装のハンディライトを照らしてもなかなか上手くは行かなかった。

ヘッドライト裏の調整ネジは上側(内側)のネジが左右方向の、下側(外側)のネジが上下方向の調整用だ。左右方向の調整は、時計回りに回せば左へ光軸が変わり、上下方向の調整は、時計回りに回せば上へ光軸が変わる。どうやら純正品と同じのようだ。純正品の本体にも同様の刻印がされていた。

 

 

光軸を調整する際、プラスドライバーを以下の図のように使うのが一般的である。

 

 

片側ずつ出来るだけ正確に調整する為に、片側の調整中はもう片側を隠す(またはバルブを抜いておくとか)等の工夫をした方が良いだろう。

最悪、調整に失敗もしくはどうしても自分には出来ないと感じてしまう事があるかも知れないので、出来るだけ自宅もしくは近い所で調整する事をお勧めしたい。暗くなってからヘッドライトを付けずに走る勇気があれば、また、光軸がメチャメチャでも気にせず走る視力があれば別だが・・・。私は調整中に何度くじけそうになった事か・・・。

特に左右方向の調整だ。正直な話、調整出来ているのかどうか良く判らない・・・。いくら回しても光軸に変化が無いのだ・・・。

 

【後日追記】

 

上記の光軸調整のネジの回転方向について解り辛い表現があった為、補足説明を。

上記で言うところの「時計回りに回せば」という表現は、ドライバーを垂直方向の上から差して回した場合の意味であり、ネジの正面から見て回した場合と逆になるので注意して欲しい。

写真で説明すると、

 

 

という事であり、

 

 

という事だ。

また、調整のネジの回転方向と光軸の変化について「純正品と同じ」と「同様の刻印がされていた」という表現は一部不適切だった。純正品の本体に刻印がされているのは上下方向についてのみであり、左右方向については刻印されていない。よって、左右の調整についてはあくまでも私の推測と実際の調整時に感じた事を元に記したものであり、はっきりとした確証は無い。

ネジ山の切られ方等から推測すると、本来であれば・・・

 

 

となるのが正しい様にも考えられるのだが、実際に調整してもその変化が良く判らない程に微妙なのである。

 

【検証5 - インプレ - 】

 

何とか取り付けと光軸調整を終えてみて、自分なりのインプレをしてみよう。

取り付け自体はそれ程難しくはないが、作業性の悪さには困ってしまった。光軸の調整も慣れていないと自分でするのは厳しいように感じた。取り付けるだけ取り付けて、光軸調整が出来る設備のある整備工場やショップにお願いする方が良いかも知れない。

ただ、苦労した甲斐はあって、見た目はかなり印象が変わった。

今までもヘッドライト表面にスモークフィルムを貼ったりと、何となく気分を味わったつもりでいたのだが、やはりレンズにカットが入っていないというのは非常にりりしい印象を与える。現代風というか、「イケてる感じ」に充分なったと満足している。

 

 

光量については多少暗くなったように感じる。バルブは以前よりも明るい物に取り替えた筈なのだが・・・。やはりレンズにカットが入っていない為にヘッドライトの表面全体が均一に光らないからだろうか。

運転中の光量の感じ方については、多分に光軸調整も関係しているだろうから未だ改善の余地はあるだろうが、間近で覗き込んだ時の眩しさが明らかに弱い気がする。

 

【結論】 

 

CD9Aのヘッドライトはかなり現代風の「イケてる感じ」にする事が出来る。

マルチリフレクターになった事で見た目が随分と変わった。同様に取り付けているオーナーの方々と一緒に、『黒目同盟』でも結成しようかなんて考えたりする。

 

光量不足が気になるところだが、お金があったらHID化するのもアリか・・・。今ならH4High/Low 切替式で5万円位かな・・・。

 

 

ヤバイ。手を出しそうな予感・・・。あぁっ!ヨダレが・・・。じゅるるる・・・。

 

 

 

[EOF]

 

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