オーソドックス
〜 エ チ オ ピ ア 正 教 〜

エチオピア国民の半数以上を占めるオーソドックスの事を少しでも知っていれば
エチオピア人の半数以上の人と仲良くなれるハズ。
詳しくは知りませんが、知っていると役に立つ情報をお伝えします。





アクスムのマリアム教会 4世紀中頃エジプト地方から来たシリア人フルメンティウスによって普及したのが エチオピアにおけるキリスト教の始まりであると言われている。 その後、地理的に他のキリスト教国からあまりにも遠い場所にあったので忘れられた存在になり、 独自のキリスト教(エチオピア正教)となった。
各教会には「タッボット」と呼ばれる聖遺物があり、教会内で最も神聖な物とされている。
グラハム ハムコック著「神の刻印」を読んだ人なら知っていると思うが、タボットとは 誓約のアークのレプリカと言われている。 本物のアークは北部にあるアクスムの教会に保存されていると言われている。


 修道士
ヤコロ ヤコロ タマリ
地方でよく見かけるヤコロタマリ。日本でいうと寺小屋の生徒といったところ。 教会でキリスト教や文字を勉強している。勉強がない時は街に出て、食べ物を 恵んでもらう。小汚い格好をしているので一見物乞いに見えますが、実はしっかりした教会の生徒。
リャコヌ

将来、聖職者を目指す人々で、聖職者予備軍
ほとんどの人が10代〜20代で、普通の学校に通うのと同時に教会で勉強や事務職をする。 2〜3年の修行後、試験により聖職者「アッバ」に昇格するが、 途中で聖職者をあきらめて一般の会社に勤める人もいる。
リャコヌ
アッバ アッバ
ごく普通の聖職者。
十字架を持ったアッバを街中で多く見かけられる。 名前の前にアッバの称号が付く。人々からは、 個人名ではなく「アッバ」と呼ばれる事が多い。
一般人は十字架を持ったアッバを見かけると、その十字架にキスをさせてもらう。
アブナ

いわゆる大司教。 アッバ時代にエチオピア正教に対して貢献した人のみに与えられる称号。 アブナは 一般人からアッバに至るまで、尊敬されています。 外人の私の目から見ても、圧倒的な力が感じられる。
写真はアブナ・ゲリィマ。 エチオピア第2位の大司教。
アブナ・ゲリィマ


 十字架
十字架はアムハラ語でマスカル。日本でおなじみの十字架とは少し違い様々な形がある。 地域ごとに大まかなデザインが決まっており、その地域内の各教会で微妙にデザインが異なる。 今では街の名前が十字架の名前になっている。

 ラリベラ
ラリベラには有名な教会が幾つもあり、デザインも十数種類ある。左の十字架はラリベラの 代表的なデザイン。上が円を描いており、その外側に12の円と上中央に十字架がある。これは、 最後の晩餐のキリストと12使徒を表している。下の両側には鳥の羽がある。天使の羽をイメージ しているのだが、野鳥の多いラリベラに適したデザインとも言える。

その他いろいろ
十字架コレクションは
ここを見てね
オーソドックス
シダモ
ゴンダール
アクスム

 教会へのお参り
熱心な信者は毎朝毎夕必ず教会へ行き、土日の朝は3〜4時間も祈る。そこでは修道士がメガホンで 聖書を朗読しており、皆じっとそれを聞き入っている。
そう熱心な信者でなくとも教会付近を通った時はいったん立ち止まって頭を下げ十字を切る。 ミニバスに乗っていると乗客だけでなく運転手まで頭を下げる。ちょっと危ない...。

祈り方

教会の門まで行ったら、ひざを屈伸させながら右手で「左肩→右肩→ひたい→胸」の順に3回程度十字を 切る。その時の右手は親指・人差し指をまっすぐに立て中指を折り曲げた状態でできるだけ立てる。
その後、門の柱に「ひたい→唇」の順番で3回程度つける。これでやっと教会の門がくぐれる。しかし教会にいきなり入るのではなく、戸の前で 今度はひざまずいて地べたや壁にまた今までの動作を繰り返す。そして教会内でも同じこと。

 断食
食事は午後1時(人によっては3時)以降で、その間つばも飲めない。断食の日の食事では 動物性たんぱく質(肉、バター、牛乳などで魚はよしとしている人が多い)を口にできない。
日ごろ肉や卵を出すレストランでも断食の日は断食メニューのみ。それどころか肉屋も閉店。 誰も食べないと言うことだが、おかげで卵の値段がこの日だけ安くなる。
毎週水・金曜日と、それに加え特別の日の前の何日間か行う。
断食のことをアムハラ語で「ツォム」と言う。
ツォム ベイヤイネット
断食メニュー
断食の期間
ヤ ゲンナ ツォム(クリスマス1月7日の前の断食)…43日間
ネノウィ ツォム(アビユ ツォム の前の断食)…3日間
アビユ ツォム (イースター5月第1日曜の前の断食)…55日間
ヤ セニー ツォム (ハワリアット(人)の日6月27日)…30日間
ツォム フルサタ (エチオピア暦12月1日、
        日本では8月11日の前の断食)…16日間
ヤ ツェッゲ ツォム(十字架祭9月26日の前の断食)…30日間
ドゥフネト ツォム (キリストが生まれ変わった日)…水曜
         (キリストが死んだ日) …金曜

(長期断食の合計:177日)−(その間水・金曜日:50日)=122日
1年間の水・金曜日が105日
122日+105日=227日ほど1年間に断食


  祝日
娯楽の少ないエチオピアでは祝日は訳も無く嬉しい。また断食明けとあって嬉しさ倍増。 どこの教会でも人でにぎわい、屋台も無いのにただ歌って踊る。
外人の私から見ると日本の正月やお盆のような風情は感じられないが、民族衣装でお出かけしている 様子をみると、「祝日なんだなぁ。」とほのぼのと感じる。
祝日は各家庭でタッラ(地酒)や豪華料理を用意し人を招く。またこれら祝日にあわして家具や服を新調する。

タボットを運ぶ聖職者
ティムカット

1月17日。
東方の三博士がキリストの誕生を祝福した日。
各教会からタボットと呼ばれる教会内で最も神聖な聖遺物を持ち出し、1つの場所に集め祈りを 捧げる。タボットを移動する時にきらびやかな衣装をまとった聖職者達で行列ができ、また それを追う一般人で大行列となる。
アクスムにはモーゼが作ったと言われるタボットが有るとされており、シバ女王の浴槽の周りに集まり 盛大に祝う。
ゴンダールのモアンニャでは祈りを捧げた後に、周りにいた野次馬どもが待ってましたとばかりに ファシル王の浴槽に飛び込み大騒ぎをする。

アウンナ ファシカ
5月の第1日曜日。
復活祭。最長の断食明けとあってエチオピア人には最も待ちどおしい日。昔は日にちが固定されて いたが、盛大に祝うとあって日曜日にしたとか。
「アウンナ」と呼ばれる、草で編んだ指輪を数日前からはめファシカを待つ。また前日の土曜日だけ 「ゲテナ」と言って草を頭にまく。これは金曜にキリストが死に日曜に復活した事から、土曜日は 皆で平和を確認しあうためにまくらしい。

塔に火をつける様子
マスカル

9月26日。
キリスト受難を記念する祭り。大きな広場や家庭で木の束で十字架の塔を作り、その前で祈った後、 塔の周りで踊る。長い儀式が終わると男達が塔に火を投げ込み、塔が崩れ落ちた方向により、 その年の吉凶を占う(エチオピア暦では9月11日が新年なので)。塔が燃え尽きた後はそこから出た灰でおでこに十字架を描く。厄除けらしい。
アジスアベバのアビオットで行われる祭りが大変盛大。

ラリベラの聖者達 ゲンナ
1月7日。
クリスマス。クリスチャンだから待ちどおしいのか、44日間の断食が明けるから待ちどおしいのか、 とにかく待ちどおしい。けれども日本のようにプレゼントやケーキや「きっと君はこな〜い♪」も無い。 ラリベラのゲンナはオーソドックスの人なら生涯1度は訪れたいと誰もが思っている。
2ヶ月も歩いてラリベラでこの日を迎える人もいるとか。ラリベラでは 数日前から人が増え、前日は教会の周りで野宿し夜中の2時に盛大な祈りと共に花火が上がる。そして 翌朝7日ゲンナは鶏やヒツジの大量虐殺(断食明けで豪華な料理を作るため)が始まる。

 賛美歌の父 聖ヤレッド
ゲブレマスカル王と聖ヤレッド 祝日には教会で賛美歌(マズモル)が歌われるが、オーソドックスの賛美歌はゆったりとした 太鼓のリズムによって作られる。 太鼓のリズムと歌の合間に「あららららぁぁぁ〜〜〜」と甲高い声が入るのも特徴。
太鼓の他には、金属音のするツナツルやマコミャが使われる。
オーソドックスにこのような賛美歌を始めにもたらしたのは、6世紀ゲブレマスカル王時代の聖ヤレッド。
聖ヤレッドは現在でも賛美歌の父として語られ、教会内の絵画にもよく描かれる人物。

ツナツル:タンバリンの金属部を幾つか並べた物。左右に揺らしてカシャンカシャンと音を出す。
マコミャ:杖の事。地面を叩いてトントンと音を出す。


 
家庭で蜜ロウをともす オーソドックスでは月区切りで日ごとにキリスト教にちなんだ人物の名が付いている。 そして各教会には、それらの人物が祭られている(例;マリアム教会)。毎日どこかの教会でその人物を 祝福する祭りをし、該当する教会には多勢の人が訪れる。 家庭でも蜜ロウに火をともし、家族や近所を集めてパンを分け合い祝う。

これを完璧に覚えれば、あなたはエチオピア人と同等に扱われる事、間違い無し!

例) 待ち合わせや会社に遅刻した時、「今日は 7日でセラシェの日だからセラシェ教会に行っていて遅れた。」 と言い訳すれば大ウケする事でしょう。

首都のアジスアベバでも、毎日決まった日にそれぞれの教会でお祭りが行われる。
赤字はアジスアベバで呼ばれている通称。
6世紀にローマから来た9人の聖人
我々の名前もあるのであ〜る
 1日  ルデタァ  ルデタァ、ヨハネス、クッドゥスラゴェ、エリアス 
 2日  アッバゴッバ  アッバゴッバ、アッバサムエル、タディオス 
 3日  バァタマリアム  バァタマリアム、アッバサムエル、アブナゼナマルコス、アッバリバノス 
 4日  ヨハネス  ヨハネスウォルデナゴルゴァド、アブナペトロス 
 5日  アッボ  アブナガブラマンファスクッドゥス、アッバペトロスウェパウロス  
 6日  イエスス  イエスス、コスコァンマリアム 
 7日  セラシェ  セラシェ    
 8日  キロス  アッバキロス、アルバアットゥンッサツ 
 9日  トーマス  ハワリャオトーマス 
10日  マスカルイエスス  マスカルイエスス、マスカルクブラ、ツゥダニマリアム  
11日  ハンナマリアム  ハンナマリアム、ゲラウディオス、アブナハラ、ヤレッド 
12日  ミカエル  クッドゥスミカエル  
13日  イグザヘルアブ  イグザヘルアブ、クッドゥスロファエル 
14日  アブナァレガウィ、ガブラクリストス  アブナァレガウィ、ガブラクリストス  
15日  チャルコス  フツァヌチャルコス 
16日  キダネメヘラット  キダネメヘラット
17日  ゥスティファノス  サマウトゥウスティファノス  
18日  ハワルヤヤウコ  アバガリマコスタティアス 
19日  ガブリエル  クッドゥスガブリエル
20日  フツァンタマリアム  フツァンタマリアム、フィリポス 
21日  マリアム  クッドゥストマリアム
22日  ウラエル  クッドゥスウラエル、ブスラータガブリエル
23日  ギョルギス  トーマスクッドゥスギョルギス  
24日  タクレハイマノツ  アブナタクレハイマノツ、クリストスサムラ  
25日  マリコリオス  マリコリオス、アブナハバタマリアム 
26日  ヨセフ  クッドゥスヨセフ、トーマス  
27日  マダハニアレム  マダハニアレム 
28日  アマノエル  アマノエル、アブナフィリポス 
29日  バルウォルドゥ  バルウォルドゥ
30日  マルコス、ヨハネス  ザナマルコス、マットゥムコヨハネス



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