なぜなにマリみて"ルシファーはイエス・キリストのことだったんだよ!"

乃梨子「ねえねえ、お姉さま」
志摩子「なーに乃梨たん」
乃梨子「ルシファーって、本当は天使だったんでしょ」
志摩子「まあ、よく知ってるわね」
乃梨子「でも、どうして天使なのに悪魔になっちゃったの?」
志摩子「それはね、とっても複雑な事情があるのよ」
乃梨子「複雑な事情って何?」
志摩子「ルシファーはヘブライ語で「輝きを広げる」という意味のheilelを翻訳して、旧約聖書『イザヤ書』14章12節に登場したわ」

 ああ、お前は天から地に落ちた明けの明星、曙の子よ。
 お前は地に投げ落とされたもろもろの国を倒したものよ。
 かつて、お前は心に思った。
 「私は天より上り王座を神の星よりも高く据え神々の集う北の果ての山に座し雲の頂を登っていと高き者になろう」と。

旧約聖書『イザヤ書』14章12節〜14節」

志摩子「ラテン語のlucifer「炎を運ぶ者」「明けの明星(金星)」を意味し、ここでは亡くなったバビロンのネブカドネツァル王のことを示していたの」
乃梨子「ということは、ルシファーって……」
志摩子「そう、ルシファーという名前の悪魔や天使は、聖書の中では存在しないわ。この翻訳を誤読したせいで、後世にルシファー=サタンという解釈が生まれたしまったのよ」
乃梨子「結局は、学者さん達の勘違いだったんだね」
志摩子「この勘違いは、新約聖書の解釈や文学作品にも影響を及ぼしたわ。ミルトンの『失楽園』って知ってるかしら?」
乃梨子「渡辺淳一の『失楽園』なら知ってるけど」
志摩子「『失楽園』では、サタンのことを神に叛逆した天使として描いているわ。新約聖書にはこうあるわね」

 さて、天に戦いが起こった。ミカエルとその使いたちが、竜に戦いを挑んだのである。竜とその使いたちも応戦したが、勝てなかった。そして、もはや天に彼らの居場所がなくなった。その巨大な竜、年を経た蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれるもの、全人類を惑わすものは、投げ落とされた。地上に投げ落とされたのである。その使いたちも、もろとも投げ落とされた。

新約聖書『ヨハネの黙示録』12章7節〜9節

 イエスは言われた。「わたしは、サタンが稲妻のように天から落ちるのを見ていた」

新約聖書『ルカによる福音書』10章18節

志摩子「これが、サタンことルシファーが堕天した代表的エピソードね。神と対決に敗れて地獄へ堕ちたサタンは、万魔殿(パンデモニウム)の玉座に座る自分を明けの明星(ルシファー)と呼んでいたの。『失楽園』が一般に広まったことによって、ただのルシファーが、天使であり悪魔のルシファーとされるようになったのよ」
乃梨子「( ・∀・)つ〃∩ へぇー」
志摩子「もう一つ、面白い話があるわ」
乃梨子「なになに、お姉さま」
志摩子「ルシファーは、わたしたちの主イエス・キリスト様を指しているのよ」
乃梨子「なんだってー!?」
志摩子「本当よ。新約聖書ではね、明けの明星を主イエス・キリスト様の象徴として使っているの」

 わたし、イエスは使いを遣わし、諸教会のために以上のことをあなた方に証した。わたしは、ダビデのひこばえ、その一族、明けの明星である。

新約聖書『ヨハネの黙示録』22章16節

志摩子「ね?」
乃梨子「うさんくさいオカルトじゃなかったんですね」

補足説明

なぜなにマリみて第1話『ルシファーはイエス・キリストのことだったんだよ!』に関して、掲示板にてご指摘を戴いたのでここに掲載いたします。

1 名前: エリフ 投稿日: 2004/02/23(月) 00:43

初めての書きこみのエリフです。
なぜなにマリみての第1話で気になることが書かれていたので書きこませていただきました。
それは、誇り高い,野心的なバビロンの王(すなわち,ネブカドネザルに代表される
バビロニア王朝の王たち)をさして用いられている
「ルシファー」というギリシャ語についてですが、
聖書ではイザヤ14章12節の「一回」しか用いられていません。
これについて、「バビロンの王」(バビロニアの王たちの王朝)は,
ダビデの家系の王たちを単なる臣下にならせ,ついには王座から去らせようとすることによって,
自分の王座を「神の星の上に」上げたいという野心を表わし、
光を発する星のように古代世界で明るく輝いたので,
「輝く者」という語で表わすことができました。
そして、
ヨハネの黙示録22章16節で、イエスのことをさして「明けの明星」と訳されている
ギリシャ語は「アステール」です。
また、ペテロ第二の手紙1章19節でイエスの変ぼうに関しての記述で用いられている
「明けの明星」の
ギリシャ語は「フォースフォロス」です。
よって、ルシファーはイエス・キリストのことをさしていません。

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