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『こんなマリみては……いやじゃないかも
“TRICK編 episode 1 姉の泉”』

志摩子「実はね、蔦子さんにお願いしたいことがあるんですよ。笑われるような話かもしらんのですけど」
蔦子「何ですか」
志摩子「地震をですね。人工的に起こすことって可能なんでしょうか?」
蔦子「地震を? なんでまた?」
志摩子「いやあ、私たちは小さなことからコツコツとつぶしていかなくちゃいけないんですよ。
 よく言うでしょ? 生徒会はカタツムリ、牛鍋と書いてカタツムリ」
蔦子「ぎゅう……なべ?」
志摩子「ゆうべね、大きい地震があったでしょ。あの時ね、落ちてきた蛍光灯で頭かち割って、血だらけになって死んだ生徒がおるんですよ」
蔦子「それは、ただの事故でしょ」
志摩子「その死んだ人間っていうのが、姉の泉から逃げ出してきた元信者なんですよ」
蔦子「姉の泉?」
志摩子「素人考えかもしれませんけど、教団の信者全員で地面踏みならしたら、地震くらい起こせるんとちゃいますか?」
蔦子「いや、それはけっして素人考えではありませんよ。それ以下です。ありえません」
志摩子「あはははは。素人以下じゃお前は!」

乃梨子をはたく

志摩子「こいつが考えたんです。すんません、お忙しいところ。帰ろ帰ろ」
蔦子「地震……ばかな…………!!」

祥子「お待ちかねですよ」
可南子「はい?」

可南子「蔦子さま、何でこんな所にいるんですか!」
蔦子「祥子さまが入れてくれたのよ。何もおもてなしできなくてすみませんねえって。いい人ね、あの人」
可南子「……!」
蔦子「あ、勝手にお茶、もらったから」
可南子「ちょ、ちょっとどうしてそういう事するんですか」
蔦子「雨、降りそうだねえ」
可南子「降ってませんよ」
蔦子「降りそうだっていうのは、降っていないってことなのよ。それに傘持ってるし」
可南子「何をしに来たんですか?」
蔦子「話せば長くなるわ……お茶でいい? あ、いい、いい、私がやるから」
可南子「出てってください」
蔦子「……机の上にあった写真、あれ、私のよね」
可南子「……! 間違えて持って来ちゃったんです。今日返そうと思ってました」
蔦子「さっき祥子さまに渡しておいたわよ。せっかくだからどうぞって」
可南子「何で渡すんですか!」
蔦子「何で見せないの。祐巳さんの妹になった記念ツーショットでしょ」
可南子「別にあなたにいわれなくても。とにかく出てってください」
蔦子「いい、君のダメなところはね、そんな風に論理的に話ができない所よ。今の君にはどう考えても3つの選択肢しかないわ。
 第1は、今すぐ私にネガを返す。祥子さまを説得してね。
 第2は、私の言う通りにする。何を言われようとね」
可南子「……第3は?」
蔦子「ネガを返し、なおかつ私の言う通りにする」
可南子「……言う通りにって、何をすればいいんですか?」
蔦子「これから姉の泉に行って、築島三奈子と対決してもらいたいの」

三奈子「『私は、貧乳で困ってます』って、書いてありますね」
蔦子「貧乳……」
三奈子「私は貧乳で困ってます……」
可南子「当たってるよ……」
三奈子「流しましょう……」
真美「皆さん、貧乳はさておき、再開いたしましょう」

可南子「でも誰なんだろう? 大切な人が不幸になるって……」
蔦子「私じゃないの?」
可南子「はっ?」
蔦子「だって君、友達とか恋人とか居ないんでしょう? 貧乳だし……エヘヘ」

蔦子「君も早く忘れることね」
可南子「何をですか?」
蔦子「貧乳」
可南子「忘れてましたよ、とっくに」
蔦子「いや、それならならいいんだが。とにかく貧乳貧乳とクヨクヨ考えるのは絶対に間違っているからね」

可南子「蔦子さま、起きてますか?」
蔦子「ええ」
可南子「眠っちゃわないように話をしてもいいですか?」
蔦子「無理に思い出さない方がいいわ」
可南子「何をですか?」
蔦子「貧乳」
可南子「ですからあれは……」
蔦子「悩みの一つや二つ誰にでもあるわ」
可南子「……蔦子さまにもあるんですか、悩み」
蔦子「ないわよ」
可南子「大きすぎるとか」
蔦子「え……」
可南子「ほら、大きすぎるといざという時いろいろと不便なことも多いじゃないですか」
蔦子「何故知っているの? いつ見た?
 あの時ね。そうか、そういう趣味なの。見ていないようで見ていたのね。
 大きくて何が悪いのよ。男はみんな憧れるのよ」
可南子「何言ってるんですか。背ですよ、背」

蔦子「最期に、君に知っておいて欲しいことがあるの」
可南子「はい?」
蔦子「私はそれほど、巨乳というわけじゃないのよ」
可南子「はい?」
蔦子「いや、君は勘違いしてるかもしれないけどね」
可南子「蔦子さま、巨乳だったんですか?」
蔦子「違う!! と言ってるでしょ!! 私は優秀な写真部員なのよ」
可南子「優秀な、巨乳の、写真部員」

蔦子「貧乳のことは忘れた方がいいわよ」
可南子「巨乳の弊害に比べれば小さな問題です!」
蔦子「バ〜〜カ!!」