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『こんなマリみては……いやじゃないかも “機動警察パトレイバー編”』

瞳子「おっ待たせ〜! 一人一個ずつあるからね〜」
男子生徒A「やった」
瞳子「あ、祐麒。ね、祐麒も、ひとつ食べない?」
祐麒「……なんだ、トマトか」
瞳子「なにいってんの。一番ビタミン不足の顔してるくせに」
祐麒「もうちょっとガッツのつくものを……」
瞳子「どうしたの? ちゃんと洗ったけど……」
祐麒「瞳子、おまえ……ちょっとつきあえ!」
瞳子「な、なんだよ、いきなり!」
祐麒「いいから来い! デートしてやるっちゅーとるんだ!!」
瞳子「ちょ、ちょっと……!」
祐麒「行くぞ」
瞳子「何だよ一体」
男子生徒B「バゲヤローッ!」
男子生徒C「やってられるかっコノォッ!!」
男子生徒D「てめっちなんか死んじまえ〜っ!」

瞳子「ねえ! ホントに外出許可もらったんだろうね!」
祐麒「外の空気吸ってこいって、祥子さんがじきじき俺にそう言ったんだから、許可したって事だろ!」
瞳子「でもさ、二人とも制服のままでさ、しかもノーヘルでゼロハンに二人乗りでさぁ、これってやっぱりマズイんじゃないの!」
祐麒「抜かりはないっ! ちゃんとパトカーの巡回時間、確認してあんだから!」
瞳子「そういうこと言ってんじゃないの!」
祐麒「なにぃ!?」
瞳子「そういうこと言ってんじゃないって言ってんの!!」
祐麒「じゃ、どういうこと言ってんだよ!」
瞳子「んん〜、もういいからぶっ飛ばせぇ!」
祐麒「まかしとけって」

ウェイター「お待たせしました。20インチのスペシャル五目ピザ、エスニック風でございます」
瞳子「すっごい。ねぇ、ホントに大丈夫なの? 何だか目立ってる感じだよ」
祐麒「びびるな。当然って顔してりゃ問題ない」
瞳子「そうだね。じゃ、いっただきまーす。
 ……でもさ、何で急におごってくれる気になったわけ?」
祐麒「ま、ちょっとな……」
瞳子「ふーん」
祐麒「なあ瞳子」
瞳子「なぁに?」
祐麒「最近、可南子ちゃんの様子どうだ」
瞳子「もちろん……最高だよ。なんで、そんなこと聞くの?」
祐麒「いや、別に……どうかな、と思ってな」
瞳子「可南子さんは……いつだって、最高だよ。令さまや山百合会のみんなが、一生懸命面倒見てくれるし……。
 あたしの、いうこと……よく、聞いて……ちゃんと動くよ……暴走なんか、しないよ」
祐麒「やっぱり聞いてたんだな」
瞳子「ね、大丈夫だよね。可南子さんは退学したりしないよね」
祐麒「判らない。なにがトリガーになって暴走するのか、それを知ってた唯一人の男は死んじまったし、オレたちはまだその答えを見つけてないんだ。
 ……な、瞳子、オレにもう少し時間をくれ。必ず答えを見つける」
瞳子「フォワードとバックアップは一心同体」
祐麒「操縦担当は指揮者の指示に従うべし!」
瞳子「まったく調子いいんだから、祐麒は」

………………

祐麒「大学から出向して3ヵ月か。大分慣れたみたいじゃないか」
瞳子「全然。祐麒も被ってみればいいんだよあのギア」
祐麒「試したさ」
瞳子「それで」
祐麒「背中や腹の下に目が付いてるみたいで気持ち悪い」
瞳子「でしょ。どうして今までのシステムじゃいけない訳」
祐麒「TA(タクティカルアーマー)のインターフェイスとしてはあれが理想なんだ。
 地底、水中、宇宙空間。アイボールセンサーだけじゃ追い付かないんだよ」
瞳子「何それ」
祐麒「目玉だよ。肉眼。
 それにな。このチャリにしたって、発明された当時は教習所があったんだぞ。
 自動車がレーサーだけのもんじゃなくなって何年経つ。人間何にだって慣れちまうもんさ」
瞳子「でもね」
祐麒「分かった分かった。じゃあ気分直しに例のとこ行こう。な」

祐麒「お邪魔します」
警備員「おう。また来たの」
瞳子「こんにちは。
 つい2年前なんだよね。ここに通ってたの」
祐麒「ああ。実際あっという間だったな。今となっては校舎改築でこいつも建て直しだからな。
 なあ、入ってみるか」
瞳子「まさか」
祐麒「どうして」
瞳子「うまく言えないけど、もういいの。
 さあ、行こう。急がないと食堂また混んじゃうよ」
祐麒「おおっと、そうだった。飯々っと。
 どうも。お邪魔しました」
警備員「おう」

………………

瞳子「どうしたの」
祐麒「ここから引き返してもいいんだぞ。正規の任務じゃない。
 行けば、大学の学籍剥奪は勿論、TAの搭乗資格剥奪ってこともあり得る。それでもいいのか」
瞳子「私より祐麒の方が迷ってるみたい」
祐麒「迷うだろ普通」
瞳子「私、いつまでもお姉さまが好きなだけの女の子でいたくない。お姉さまが好きな自分に甘えていたくないの。
 お願い。車出して」

………………

祐巳「欲しい?」
瞳子「え?」
祐巳「私のロザリオ、欲しい?」
瞳子「……欲しいわ」
祐巳「あげない」

………………

三奈子「山百合会にはもったいないような人材だわ……」
祥子「欲しい?」
三奈子「えっ?」
祥子「彼女、新聞部の戦力にしたいでしょ?」
三奈子「……どうせくれないんでしょ」
祥子「あげない」