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あなたもわたしも若かった(2005.10.25)
THE MAD CAPSULE MARKET`S「HUMANITY」
今や世界をまたにかけるデジロック界の重鎮的存在であります。人間の進化に例えて現在のMADをヒトとするなら、このアルバムはまだクロマニヨン人かネアンデルタール人、はたまたアウストラロピテクスと言えるのではないでしょうか。
そうこれは、インディーズ時代に出した唯一のアルバム、MADのピチピチのデビュー作なのです。しかもこの頃のMADは現在の姿からは想像もつかない位、ちゃきちゃきのパンクスです。
このCDを手にした時の私は、若干11才。まだランドセルをしょった小学生でした。家族で東京に行った際、しぶる母を説き伏せ、HMVで買ってもらった思い入れの深い一枚なのです。
それはもううれしくて、学校から帰るとすぐにかじりつく様に聴いていたものです。
しかし・・・今改めて耳にしてみると、なんともいえないこそばゆさが込み上げてきます。服屋で中指立てたシド・ヴィシャスがプリントされたTシャツを見つけてしまった時・・・メガネでまじめそうな女の子のTシャツに「SEX POT」と書かれているのに気付いた時・・・。そんなときに感じる恥ずかしさです。
その理由はただ一つ。すべては現在MADのブレイン的存在であるTAKESHIに起因しています。
紅麗死異剛市。
これが当時のタケシの名前です。どうやらクレイジーと読むようです。・・・う〜ん、これは恥ずかしい。
しかも死異の部分に大きくバツがつけてあります。・・・うん、これは恥ずかしい。こ、これはかなり恥ずかしいぞ!!
音のほうですが思いっきりパンクで、スターリンの影響がかなり見られますが現在のMADに通ずる核の様なものが感じられます。
まさに、バンドに歴史あり。
恥ずかしいなんて言っていますが、やはり私にとってMADは音楽の楽しみを教えてくれた父のような存在。当時は、パンクスらしくカメラにガンを飛ばしていたメンバーが今、いい笑顔で写真に写っているのを見ると、とてもうれしく思ってしまうのです。
いぼピアス(2004.10.17)
Vajra「MANDARAキ・『やっと』」
日本一難解なレーベル、アルケミーからこれまた難解な一枚です。
アルケミーの名手、三上寛、石塚俊明、灰野敬二からなるこのVajra。内容はというと・・・自由です。ええ、自由です。とにかく自由なんです。とっても表現豊かに歌いまくる寛ちゃんをバックに繰り広げられる蟻地獄のようなコズミックサウンド。灰野さんの姫カット。もう彼らを止められるものは誰もいません。
普段だったらこんな明らかに難解なCDは買わないのですが、聴けないことを承知で買ってしまったのには訳があります。
裏ジャケットです。
裏ジャケットに写った寛ちゃん、耳にはなんとピアスがキラリ。イボかと思って目をこらしてみましたがやはりピアスです。寛ちゃんは柄にもなくすぐ格好をつけたがります。そこが腹立たしいところであり、私が彼に惹かれてしまう原因あるのです。
・・・とう訳で、この腹立たしいジャケットを是非我が物にしたいという独占欲から購入に至りました。
しかし、「日本のコーラは甘すぎる!このことひとえにただごとではない!」と明らかにただごとを大騒ぎしながら歌う寛ちゃんは、やはり私のカリスマです。
性感マッサージに行ってあまりにでかい声でよがるので、マッサージ嬢にうっとうしがられていそうな、そんな所が好きなのです。
若き古藤さんの悩み (2004.08.20)
かかし「ファースト」
サイケデリックなアーティストがこれでもかと在籍している危険なレーベル、CAPTEN
TRIP RECORDS。その中でも、ひと際きら星の如く輝いているのがこのかかしです。
かかしといえば、ゴキゲンかつクールなファンクという印象ですが、この「ファースト」時代はまだ管楽器が入っていないのでポップでねじれたバンドサウンドといったところでしょうか・・・。
音も現在と全く違いますが、特に違うのが歌詞。とにかくさみしがってます。
「誰かー助けてぇー!」「君はだめになるよぉー!」
悲痛な叫び・・・。そう、かかしも若さゆえに悩みぬいていたのですね。
それが、最新アルバム「MIRACLE 8」になるとどうでしょう。
ニワトリの真似をしながらハラホレヒレハレ〜と高らかに歌い上げ、最後に「ありがとう」とまで言っておりますよ!
いやー、人間って変われるのですね。人間は丸くなれる・・・そう教えられた気がします。私も未来に希望が持てそうです。
しかし、かかしは現在リーダーの古藤さんの入院で活動休止状態・・・。一刻も早い復活を願います。
レコード屋に潜む地雷(2004.08.09)
マジカルパワーマコ「Cozmo Grosso」/アシッド・マザーズ・テンプル&ザ・メルティング・パライソ・U.F.O
突然ですが問題です。この2枚のCDの共通点は何でしょうか?
そう、マジカルパワーマコを買い、家で聴いていたときのことでした。次の曲を聴いてみようと思ってボタンを押した瞬間、CDが止まり。ディスプレイにこんな表示が現れました。
「1Tr 60:02」
一瞬、時が止まってすべてを悟りました。「これはアシッド・マザー・テンプルの時と同じだ!」
そうなのです、この2枚は1曲入りで約60分という恐怖の地雷のようなCDなのです。ちなみにアシッドの方は58分です。私はまだ修行が足りないのか、1曲全部未だに聴けずじまいです・・・。かなり・・・きついです。
この手のCDはサイケ系のCDに多いらしく、ジャケットからは判断しづらいというのが現状。
みなさんもCDショップで地雷を踏まないように気をつけてくださいね。
ちなみに、マコを聴くのなら「SUPER RECORD」がおすすめです。シタールの音があやしい異国情緒溢れるサイケです。
つかめない男 (2004.07.12)
「BANG!」 三上寛
三上寛。この人は本当にわけがわかりません。ふざけているのか、本気なのか、正気なのか、きちがいなのか・・・
しかしその独特な詩、太短いルックス、唄い方が毎回変わるというポリシーのなさが、私のツボを連打するのです。
「怨歌とフリージャズをみごとに融合させた三上寛の傑作。タイトル曲『BANG!』は日本初?サンプリングを用いた怪作。」・・・みごとに?・・・怪作?・・・こんな解説を読んでしまったら、買わないわけにはいきません。
・・・で、聞きました。
・・・やばいです。笑いを通り越して、恐怖を感じます。
問題のタイトル曲『BANG!』は「どこだ〜!おっかさ〜ん!」「なぜ私を刺す!」というコロ助みたいな叫び声がくどいくらいにサンプリングされているその名の通りの怪作。さすが、寛ちゃん。打率九割。期待を裏切りません。
気が付けば、うちのCD棚に並ぶ寛にちゃんのCDは、3枚目。面白がっているだけなのか、ファンなのか・・・もはや自分でも判断がつかないです・・・。
もしかすると、すでに愛してしまっているのかもしれません。
なんて悲しいおかまの誘いなんだ (2004.07.09)
「薔薇門」(天井桟敷レコード)
暑い今日この頃、こんな暑苦しいCDはいかがでしょう。
この「薔薇門」、寺山修二が企画し、J.A.シーザーが音楽を手がけた、おかまによるおかまのためのCDなのです。
あのゆらゆら帝国の坂本氏を筆頭に、多くのアーティストが絶賛し、サイケデリック史上に残る名盤と言われているとか。
内容のほうですが、お馬鹿かと思いきや社会的な要素が強く、社会からのけ者にされるおかま達の苦しみや怒りを歌ったものが多いです。いろいろと考えさせられますね。
しかし最後の「君は答えよ]という曲、男娼の喘ぎ声が響く中、シーザーのシャウト、「君は答えよ!世界の終わりが明日だとしても、君の生き方が自由だったと本当に言い切れるのか!」
そこにおかまのアジテーションが加わり、盛り上がりは最高潮に・・・!彼(彼女?)が一層力強く叫びます、「君は答えよ!答えよ!!答えよ!!!」
・・・もうね、この叫び方がものすごく間抜けなんです・・・。どうしようもなく。本人至って真剣なのに・・・。
この部分で今まで築き上げてきたものが、台無しになっています。
おかま・・・女にも男にもなりきれない彼等はコミカルなようで、悲しさを秘めた存在です。
まさにこの曲は、そんなおかまの悲しい性を物語った、最後を飾るにふさわしい1曲と言えるのではないでしょうか。
「薔薇門」・・・哀愁漂う名盤です。