読み方 : かっぷのたき  
所在地 :
周智郡森町葛布   ゼンリンの地図を表示 


「葛布の滝」の名の謂(い)われは、古来よりこの地方には葛が多く自生しており、その蔓(つる)が多年滝の水にさらされたため、繊維があたかも白布のようになっていたのを見た人々が自然と呼ぶようになったとされます。
滝は下流より一の滝、二の滝、三の滝と呼ばれ、特に三の滝は高さ14mの飛瀑となって落下し、それは見事です。

また、昔は厳寒期にこの滝の水を用いた製氷が盛んに行われており、袋井を中心に各地に販売され「葛布氷」の名声を博しましたが、明治44年(1911年)8月14日の大洪水により、岩石が崩壊し製氷地が埋没したため、製氷は途絶えました。




【 赤牛と黒兵衛 】

滝の傍には、不動尊が祀られてあり、滝壺の主は赤牛であるとの言い伝えが昔からありました。

ある年の夏に大変な干ばつが村を襲ったため、村人達は早速滝に雨乞いをしましたが効果は無く、見かねた村の有力者黒兵衛が、小屋にあった不浄の筵(むしろ)を滝壺に投げ入れ何やら唱えながら一心に洗い清めると、どこからか黒雲がわき上がり大粒の雨が降り出し、その勢いは桶の水をこぼす程でした。

その勢いは更に増し、川は堤防も崩し氾濫した。この濁流の中に、大きな赤牛の背に大蛇のようなものを乗せて黒兵衛の家の前まで来ると、薄気味の悪い声で「黒兵衛よさらば…」と言って下流に消えて行った。この瞬間激しいショックを受けその場に転倒し息絶えると、彼の姿はどこかに消えてしまった。

村人達は辺りを探しましたが見つけることが出来ないでいると、滝の付近にそびえ立つ榧(かや)の枝にかかっている遺骸を見つけたので、手厚く葬ってやったと伝わります。