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special.6 HOPESFALL特集

先日突然の解散をしてしまったHOPESFALL。叙情派newschoolの先駆け的バンドの1つであり、今後も語り継がれるであろうバンド。
というわけでemotal magazineでは彼らの辿ってきた道のりを簡単に紹介したいと思います。
文章はevylockのVoであり、Falling Leavesの代表、そして何よりHOPESFALLの大ファンであるkoki氏によるものです。


Biography

1998年、ノース・カロライナ州シャーロットの高校でジョシュ・ブリガム(g)を中心に意気投合したメンバーによってHOPESFALLは結成される。
1999年にクリスチャン系の新鋭レーベルDTS RECORDS(現在は封鎖)より1stアルバム「THE FRAILTY OF WORDS」をリリース。後に脱退するダグ・ヴェナブル(vo)とライアン・パトリッシュ(g/vo)はクリスチャンであったことから、当時の歌詞は「神の愛」がテーマであった。バンド名は、「Falls of the hopes(希望の滝)」から付けられた。
結成当初からのメンバーであるジョシュは、HOPESFALLの音について、「グランジ全盛時のSMASHING PUMPKINS、DINOSAUR Jr.、HUM、そしてPIXIESなどの音楽に、俺たちはより壮大で、よりヘヴィなリフをぶち込んだんだ」と語っている。

敬虔なクリスチャンの2人が脱退した後は、宗教的思想を持たないバンドとして活動していた。初のフル・アルバムをリリースし勢いに乗った彼らは、EIGHTEEN VISIONS、SPITFIREとのツアーをこなす。そんな彼らは、メンバー・チェンジやツアー中のアクシデントなどの様々なトラブルを乗り越え、TAKEHOLD RECORDS(現在は閉鎖)と契約し、「NO WINGS TO SPEAK OF」EPを発表。ニュースクールハードコア史上最も美しいとされる名曲「THE END OF AN ERA」を含むこの音源で、バンドは各方面から絶賛を受け、大きな反響を呼んだ。
こうして、その名を確実に全米に知らしめていった彼らは、2002年にTRUSTKILL RECORDSへ移籍を果たす。

しかし、ここでバンドのフロントマンであったダグが仕事を優先するために脱退。そこでバンドは新ボーカリストにジェイ・フォレスト(vo)を迎え入れ、やがて完成した2ndアルバム「SATELLITE YEARS」は、前作EPを遥かに凌ぐ大傑作で、すぐに4万枚以上のセールスを記録。そのスペーシーかつ叙情的なサウンドでHOPESFALLは確固たる人気を確立したのだった。ここからツアーの規模もさらに大きくなり、THE ATARIS、COHEED & CAMBRIA、KILLSWITCH ENGAGE、THE JULIANA THEORYらと共にツアーに出たり、WARPED TOUR、TAKEACTION TOUR、HELLFESTといった大きな舞台でライブをこなしていく。そして2005年に発表された3rdアルバム「A TYPES」にてスクリームを取り除いた壮大なロック・バンドへと大成長を遂げる。「A TYPES」は、これまでのハードコアリスナーからは賛否両論となった作品であったが、本作品を機にバンドはそれまでとは比べ物にならないほどの広いフィールドで活躍し始めるのであった。そして、最後の作品となってしまった待望の4thアルバム「MAGNETIC NORTH」が2007年に発表されるのである。「MAGNETIC NORTH」は、「A TYPES」にてサウンドチェンジをした彼らを受け入れないファンさえも黙らせるほど、クリエイティブで美しくすべてが完成された作品であった。

今後の活躍が一層期待されていた彼らであったが、2007年を持って突然の解散を表明。解散の原因として、TRUSTKILL RECORDSとの確執も噂されているが、本人達は直接解散とは関係のない問題としている。こうして残念ながら、HOPESFALLの日本来日は叶わぬ夢となってしまい、まさに伝説のバンドとなってしまったのである。


Discography


the frailty of words
叙情派創世記1999年、この世に生まれた奇跡の産声、それがこの作品である。
若干、当時流行っていたミクスチャーやモダンヘヴィネスを感じさせるリフも存在するが、すでにこの頃からHOPESFALL節とも言うべき、切なく心を打つ音の旋律は健在で、他のバンドとは明らかに異なる才能を垣間見せている。
特にTrack.8の「A New Day」で聴かせてくれる美しい音の調べは、今後このバンドが歩む苦難と奇跡の道を暗示させるかのごとく、僕の心に響くのである。
今は亡きクリスチャン系レーベルDTS RECORDSからのリリース作品。


no wings to speak of...
叙情派ハードコア史上、最も美しいとされる歴史的名盤、それがこの2001年にTAKEHOLD RECORDSから発表された4曲入りEPである。
4曲という楽曲数、サウンドクオリティ、そしてアートワーク、すべてが完璧であり、叙情派ハードコアの世界においてこれ以上の作品は今後現れないと僕は断言できる。
とにかくTrack.1の「Open Hands To The Wind」から衝撃的なリフの連続とダグの怒号のスクリームに終始やられっぱなし。
「The End Of An Era」はHOPESFALL史上最高の名曲、涙なしには聴けないだろう。この4曲にHOPESFALLのすべてが詰まっているのだ。
僕は宗教や神に対して無頓着だが、もしも世界を創造した神がいるのなら、間違いなくこの楽曲達はそこで演奏されているに違いない。


the satellite years
前作「no wings to speak of...」があまりにも名盤ゆえの過度の期待と、また孤高のスクリーマーであるダグの脱退という、2つの大きな苦難を乗り越えるためにHOPESFALLが用意した次なる無限のシャトルがこのアルバム「the satellite years」である。
今作からダグに変わりジェイがボーカルを担当しているが、これが見事に融合し新たなHOPESFALLを創り上げることに成功した。
HOPESFALLの真骨頂とも言うべきスペーシーなサウンドは、今作で極限まで高められることとなり、そこにジェイというボーカリストが新たな色を加え、またしても叙情派ハードコアの歴史に残る名盤が誕生した。
宇宙というフィルターを通して僕らに伝えたかった事、それがこの10曲にぎっしりと詰まっているのだ。2002年、TRUSTKILL RECORDSからの作品。


a-types
これまでのスクリーム中心の曲展開から、歌うことに重点を置くというサウンドスタイルにチェンジした、ある意味叙情派ハードコアのファンを裏切ることとなった賛否両論の問題作。確かに、この「a-types」における大胆な変化により叙情派ハードコアとしてのHOPESFALLは前作までと考えた方が良いだろう。しかし僕みたいなHOPESFALLキチガイは、このロックバンドへと大いなる進化を遂げたHOPESFALLに対しても、これまで同様の変わらぬ愛を注ぐことが出来たのである。それは、やはりHOPESFALL節ともいえる美旋律が健在で、歌メロ重視の今作においても断然際立っているからではないだろうか。Track.4の「Breathe From Coma」のラストで僕と君は溢れる涙を拭うことさえ忘れるのだ。2004年、TRUSTKILL RECORDSからの作品。


magnetic north
惜しくも最後の作品となってしまった「magnetic north」。前作でHOPESFALLがやりたかった事が、この作品で最大限まで引き出され、音楽としてひとつの完成型を見せている。こうして新たな宝玉の名盤がこの世に産み落とされた、決してこれが終着駅ではなかったはず。まだまだ、僕らに希望という名の明かりを灯して欲しかった。とにかく全曲が凄すぎる。HOPESFALLのフォロアーは世界中に存在しても、楽曲の完成度は他の追随を決して許さない。やはり、このバンドは特別なのだ。そしてHOPESFALLはこの「magnetic north」を残し、2度と戻ることは無いであろう深い闇へと旅立っていった。

「HOPESFALLが好きならコレもおススメ!」

☆THIS RUNS THROUGH /Until Forever Finds Me (Indianola Records)
現UNDEROATHのボーカリストであるスペンサーや、現Sullivanのメンバーが在籍していたバンドと言えば分かり易いかな。フロリダ出身の叙情派ニュースクールハードコアバンド。活動していた期間は短いし、発表された楽曲も今作とFACEDOWN REC.に提供したサンプラーの1曲ぐらいしか存在しないが、楽曲の完成度はすさまじいとしか言えない。スペンサーの絶叫ともの悲しいサウンドが夕焼けに良く映える。
www.myspace.com/thisrunsthrough3

☆EMBRACED/An Orchestrated Failure
現ACROSS FIVE APRILSのブランドンが在籍していたフロリダ出身のバンドで、FALLING LEAVES RECORDSのコンピCDにも1曲参加している。HOPESFALLのような美旋律が持ち味のバンドだったが、ミドルテンポで展開する怒号のサウンドで、EMBRACEDとしてのオリジナリティを確立している。
http://www.myspace.com/embracedfla

☆LIFE IN YOUR WAY/Waking Giants
皆さんご存じLIYWの最新作。LIYWは元々フロリダ直系(STRONGARMやSHAI HULUDといった)の叙情派ニュースクールハードコアバンドだったが、SOLID STATEに移籍した今作で、HOPESFALLのように歌メロとスクリームを駆使したスタイルになっている。HOPESFALLとは少し違うサウンドアプローチを見せつつも、このバンドの持つ音の美しさは他のバンドには比べものにならないほどの完成度を誇っており、HOPESFALL無き今、これから叙情派ハードコアを背負って立つ存在になることは間違いないであろう。
http://www.myspace.com/lifeinyourway

☆HAND TO HAND/A Perfect Way
どちらかと言えば叙情派ハードコアというより、エモメタルハードコアといった方が正しいのか(どっちでもいいや)、とにかくまたしてもフロリダという地が生んだ新たな才能。HOPESFALLのようなスペーシーなサウンドではないが、メロディの美しさはHOPESFALLに通じるものがあり、激しさと優しさが融合した絶妙な音を聴かせてくれる。
http://www.myspace.com/handtohand

☆THE RECEIVING END OF SIRENS/The Earth Sings mi fa mi

HOPESFALLよりは、スクリームも激しさもないポストロックなアプローチではあるが、スペーシーな音と楽曲の美しさは、HOPESFALLに引けを取らないボストン出身のバンド。僕は、アメリカのTASTE OF CHAOSツアーにてたまたま彼らのライブを観る機会があったのだが、あまりの格好良さに衝撃を受け一瞬で好きになってしまった。HOPESFALLが好きなら、このTHE RECEIVING END OF SIRENSはチェックしておくべきであろう。
http://www.myspace.com/thereceivingendofsirens

後は、MISERY SIGNALS、THRICEなんかもお勧めです!

<TEXT Koki - evylock,falling leaves ->