>

エルムの翼 編集記


「何をなすべきか。歴史的出来事の記憶には常に相対する記憶が存在する。第一に、この事実が、最後の生き証人が亡くなっても変わらないことを認識すべきだ。それでも、歴史的事実が存在することは認めなくてはならない。政治機関が明らかな史実を否定したり隠したりし始めたとすれば、それは吹き出物がはしかの兆候であるのと同じように、要注意の兆しだ。」

「歴史的真実をめぐる解釈でみんなが一致することは決してないが、共通の教訓を得ることはできる。2005年のための教訓は、1945年に交わした約束、「二度と起こすな」だ。その約束を守るためにも、共通の過去ではなく共通の未来を形づくらなくてはならない。」
quoted from "opinion news project"
オックスフォード大教授ティモシー・ガートン・アッシュ
「戦争の記憶相いれぬ欧州」2005/6/1





[歴史的事実をめぐる解釈一致への努力]


2002年5月に活動を開始した「日韓歴史共同研究委員会」は、2005年6月10日、3年間にわたる活動を終え、研究成果「日韓歴史共同研究報告書」を公開した。近現代史の見解は割れたものの、共同作業は溝を埋める第一歩との評価を得た。第2期共同研究委員会は年内に発足の予定。(2005/6/11要約)


65年の日韓基本条約をめぐっては、韓国側委員が論文で賠償問題などを「放置した」として、「日本の歴史進歩グループとの連帯」などを通じた条約改定を主張していた。これに日本側委員が批評文で「直接的に政治的主張を強く展開していることに驚き、大いに失望した」と強く反発。政治との距離をどう置くかが、最後まで対立の要因となった。

方法論のすれ違いもある。韓国を保護国化した1905年の第2次日韓協約などについて、日本側が論文で「国際法上の有効性と植民地支配を肯定することは別個の問題」としたのに対し、これを無効とする韓国側は、法理的な解釈にとどまらず「歴史的観点からアプローチ」する必要性を強調した。

それでも近現代を担当した委員一同は報告書に「双方の違いと共通点を知ることになったのが最大の成果」と記した。3月末の全体会議でも、韓国側委員は「1さじで腹をいっぱいにすることができない」とのことわざを引いて研究の継続を期待。「ドイツとポーランドは歴史にたいする葛藤を解決する作業を20年も続けている」との声も出た。
quoted from asahi 2005/6/11




「知ることは超えること」


これからは知識集約型の時代です。学識と知識を持つことによってしか新しい地平は開かない。19世紀は軍事力の時代、軍艦を差し向けて相手をいう通りにさせるやり方でした。20世紀は経済力だったでしょう。では21世紀は何によって動くのかといえば、知識です。知識に共感する人たちが各方面で行動を起こして政策変更を可能にしていく。一つの国の中でも、国際社会でも、知識に基づいて認識形成がなされ評価や判断が決まっていくようになります。

世界各国、それぞれに個別具体的に問題を抱えていますが、自国の問題に共感してもらうためには、より抽象的な概念整理が出来なくてはならない。たとえば地雷、小型武器、そして核兵器などの被害者であると主張するだけでなく、それを共通理解のテーブルに載せる必要があるのです。そこには学問的作業の貢献の余地が大いにあります。

ビジネスの現場では情報というのかもしれません。どちらも知を得る事。それもしっかり土台となる量と質の知識が必要なのです。

知は力なり。それは互いのドアを開け、理解しあうための握力です。
quoted from「知と想像力がパワーである」猪口 邦子 2005/6/12