証人尋問調書


平成11年(わ)第7059号等
証人尋問調書

(この調書は、第8回公判調書と一体となるものである。)  裁判所書記官
                 
 


氏名   藤 原 猛 爾
年齢   XXXXXXXXXXX
職業   弁護士
住居   XXXXXXXXXXXXXXXXX
尋問及び供述
      別紙反訳書記載のとおり

平成12年11月14日
                               以上
   
               柳川弁護人
あなたが被告人吉川真二こと文京大さんと最初に出会われたのは、大体いつごろでしょうか。 
昭和62年の年末くらいじゃなかったかなと思いますけど、61年かも知れません。そのころですね。  
 
それは、被告人が既に別の弁護士に頼んで民事訴訟やっている途中ということでしたね。
はい、そうです。

被告人の文さんの方からは、どういう人の紹介で会われたんでしょうか。
私の知っている人からの紹介でした。

やはり、裁判の途中ということで、それまでに提出されている訴状とか、準備書面とか、そういう書面も持って相談にあがられたと思うんですが、その谷口弁護士の作成された書面等を見て、先生はどういうふうにお感じになられましたでしょうか。
銀行相手の預金が違法に払戻しされたという損害賠償、あるいは民法の準債権者に対する弁済が、過失によって無効だというような、そういう論点でしたけれども、まあ、同業者のことですけれども、かなりずさんな主張、立証をされてたように思いました。

証人尋問も、何人かやって何人かまだという、本当に途中の状態でしたね。
そうですね。

普通、そういう途中で裁判を引き受けるというのは、やりにくいと思われるんですが、先生が引き受けられた動機と言いますか、それはどういうところにありますか。
一つは、紹介者が、まあ大きな宗教団体ではないんですけども、宗教を信じておられる方で、それも主催されてる方でして、その人からの紹介ということで、吉川さん自身についてですね、かなり信用がおけるし、生活も真面目にやっておられる方だしということで、内容的にご本人のおっしゃることが、資料等と照らし合わせてですね、かなり真実性があるということで、これは、主張、立証いかんによってはですね、勝訴見込みがあるということもあったと思います。

その民事訴訟の中身ですね、その資料の点で、やっぱり金庫の方に、こう問題点、かなり疑わしい点というのはやっぱりありましたか。

はい、先ほど言いましたように、直接的には民法478条ですか、既済債権の準占有者に対する弁済ですから、本人、あるいは本人の代理人と称してですね、通帳と印 鑑とで作成して、払いの請求書を持ってくればですね、普通銀行は弁済しますね、返済しますね。そう言う事案でしたけれども、彼が持ってきた関連の伝票ですね、あるいは銀行が作成したという、彼が扱ってる手形なり、預金なりの明細を見ましてですね、かなりいい加減なとこがあったと、問題もあったというふうに記憶してます。

金庫がその、台帳と言いますか、帳簿そのものを提出すべきところ、そういうのがないというので、手書きで何か資料を作成したとかいうこともあったそうですね。
はい、私が受任したのが、先ほども言いました61年、62年でしたけども、実際に問題になった事案は、昭和48年、9年、50年の初めぐらいだったと思いますから、確かに手書きのものしかなかったように思いますね。

そこで、被告人が持ちこんだ手形でないものが落とされるというか、こう、入り込んでるというようなこともあったんですか。
ええ。これは銀行が作成したという、これも手書きの一覧表でしたけれども、吉川さんが預かってる手形というのはですね、自分で割り引くという手形、それから取立てに出すという手形があったと思いますけども、確か取立て手形の方だったと思いますけども、吉川さんの扱っていない手形が本人の扱い手形というふうに処理されておったと。それがいったん記載されたのが、後ですね、消されたと、間違ってたというような報告があったいうふうに記憶してますね。

金庫の事務処理もかなりずさんな点、あるいは違法にわたるかも知れない点もあったということでしょうか。
はい。まあ、そういう報告書だけですからね。原本というものが提出されなかったというのが、ね、最終的にね、この事件が吉川さんの方の望む結果にならなかったという、一つの理由であろうとは思いますけどもね。

一審の段階で、和解勧告というのがあったんですか。
一審でも確かありましたですね。それは弁論が終結する一回くらいか、前くらいだったかなあという気はします。

どういうふうな和解だったでしょうか。

これはですね、裁判所を通じてではなくて、法廷が終わりまして、この裁判所ですね、私と吉川さんが出て、エレベーターの前で待ってたら、被告代理人、永和信用金庫ですか、代理人が近付いて来られまして、和解する余地はないのかということのお話があったと思いますが。

具体的な中身なしに、打診程度ですか。
そうですね。

それに対して。
私自身の判断ですけれども、当時の吉川さんの気持ちからすれば、到底何らかの話し合いでですね、白黒付けないような、決着を付けるということは期待されてなかったということで、多分、検討するけれども、恐らく難しいでしょうということで、その場でほぼ難しいという返事をしたように思いますね。

それで、一審判決は残念ながら敗訴になりましたね、直ちに控訴されて、控訴も先生が担当されたんですね。
そうですね。

控訴審の中でも、また、和解の話しいうのはあったんでしょうか。
控訴審では、ちょっとぼくその点記憶ないんですが、あったようには思うんですけどもね、裁判所を通じてとかいうことではなかったので。

結局、控訴審も敗訴して、上告してますね。
そうですね。

上告は先生担当されました。
いいえ。代理人としては名前は出してないはずです。

書面は先生が実質作られたということですか。

実質はご本人の相談を受けて協力したというふうに思います。

結局、上告も棄却されて、敗訴判決が確定しましたね。
はい。

その民事訴訟全体通じて、その谷口弁護士から村上博志、この二人が金庫と裏取引きと言いますか、つながってたというような、疑われるような事情は、先生から見ておありでしたか。
これ,非常に私と吉川さんの評価が違ったところだと思うんですけれども、確かに金庫が作成したといって提出された書類がですね、やはり、先ほどの債権一覧表でしたかが、実はどうも一部村上さんの筆跡であったというようなことも、書面、私が素人なみに比較してみて、そういう部分もあったということなので、ちょっとよく分からないなという、彼が言っているのもそうかなあという、一理あるかなという気もしましたけれども、内容的に例えば何月何日に手形割り引いた、あるいは手形交換した、その手形がどうなったという、その事実そのものは違いがあまりなかったわけですから、その点あまり気にはしなかったですけどね。

まあ、文さんからしたら、本来当然勝訴すべきであった裁判だと思うんですが、それがやっぱり敗訴になったということの一つの理由として、前の谷口弁護士らが相手と結託してたとか、そう思った節もあるんじゃないでしょうか。
本人はそういう評価、見方をされてたことは事実ですね。

先生は、刑事告訴のほうは受任はされておられないんですか。
してません。

谷口弁護士作成の告訴状はご覧になられました。

ええ。かなりそれは作成日は前のものですね。つまり、先ほども言いましたように、昭和47、8、9ぐらいのことですから、公訴期間も考えてもですね、昭和54、5年ぐらいまでがまあ限度でしょうから、それ見ましたけれども、はい。

告訴自体はもう受任はされておられない。

はい、そうですね。

民事訴訟がね、敗訴で確定しましたが、その後再審できるのかどうか、これは被告人から当然ご相談あったと思うんですけどね。それに対してはどう答えられましたか。
再審要件があるかどうかという問題ですが、吉川さん自身は、私が受任する前の証人等についてですね、偽証だということで、告発、告訴されたりしてたように思いますが、いずれにしても、再審の条件がちょっと難しいんじゃないかということで消極的な意見を言ったと思います。

再審するためには、その偽証なり、偽造なりが、刑事事件で有罪判決を受けてるということが条件になってますね。
あるいは、更に新しい、明確な証拠でも出てくればということですけれどもね。

再審が無理であるとすれば、他にどういう方法があると先生の方からアドバイスされました。

再審が可能かどうかということも含めてですけども、谷口弁護士とか、あるいは、村上博志等にですね、実際はどうだったのかと、本当に吉川さんが言ってるような事実があったのかなかったのか、そういう意味では民事裁判は終わってますからね、あるいは聴きやすいのかも知れないということで、事情を確かめたらどうかというのが一点と、当時金庫に勤められた方が、吉川さんが接触する度にいろいろなことを言っておられたと。その辺の事実関係で、使える事実が出てくるかどうかということもあるのでですね、自分で納得いくように調査したらどうかということを言ったと思います。

そういうアドバイスをしたら、被告人はどういうふうにおっしゃってました。

実際にいろいろ、聞きとりとかですね、面会とかを求められたようです。

先生としては、そういう事実確認をしたらどうかということですか。
そうです。

谷口弁護士や村上博志に対して、損害賠償をしたらどうかというような、そんなアドバイスはされましたか。
これも事実関係がどこまで明確になるかということに関連しますのでね、私としては、それは、私が受任してやるということは言わなかったと思います。但し、谷口弁護士については、私がやっぱり受任した事件も含めてですね、何件か事件を受任しておりまして、先ほどの告訴、告発も含めてですね、非常に問題があるということなので、やり方としては、弁護士費用の返還請求というような形の請求は可能だろうということは言っておりました。

後に、谷口弁護士と村上博志との間でね、各金300万円ずつを受け取るということで和解成立してますね。
はい。

それは先生が関与されましたね。
ええ、最終的には関与しました。

それともう一つ、金庫の方から改めて融資を受けたらどうかと、そういうアドバイスもされましたか。
はい、そういうふうに言ったことも事実です。

新たに定期預金をして、それを担保に融資を受けるという方法ですね。これは、結果的には金庫の方が融資に応じませんでしたね。被告人は、先生のアドバイスというか、感触からして、融資はもう受けられるものだと思っておって、その結果がだめだったのでね、先生に言ったら、先生も、何かあってはならんことだというふうにおっしゃられたという、そのいきさつは。
はい。もともと訴訟を私が受任した訴訟がですね、お金を返せという訴訟ですけれども、その問題というよりは、自分が、非常に極めて、何か特殊な因縁をつけてるような、そういうような訴訟をやってるというふうに理解されることがですね、彼が一番いやがってたわけですね、そうすると、彼は、金庫の株と言いますか、組合員ということでもあるわけですから、そういう自分の金庫に対する請求がどういう意味かということをですね、立証するというか、証明するためには、金を取ることが目的ではないんだと、要するに、正当にあったことをはっきりさせて、自分を正当に扱えということなわけですよね、そうすると、組合員である資格で新たに預金をし、それを担保に融資を受け、更に、自分の事業を広げていくということはですね、当然の、可能な行為ですし、金庫としても応じるべき行為だろうということで、そういうきっかけができるかどうかということを確かめるためにも、やってみたらどうかということだったと思います。

なぜ金庫は被告人に対する融資に応じなかったと思われますか。
私が直接窓口で応対したわけではありませんけれども、かなり、訴訟中、あるいは確定後もですね、いろいろ、実際はどうだったかという話を聴きに行かれてて、平たく言えばですね、うっとうしかったと、これじゃあんまり昔のことをつつかれたくないということだったんじゃないかと思いますけど。

被告人は、金庫の組合員であるということですね。組合員の資格からすればね、当然融資受けるべきはずですね。
・・・・・・・・・。

その後、民事裁判確定直後はまだ新しい証拠類はそろってなかったようですがね。そのご大分偽証したという証拠のテープあるとか、いろいろ材料が出てきましたね。それで去年か一昨年ぐらいに、また、先生のところに相談に行ってたと思うんですが、そういう新しい証拠が出てきて、さあ再審が可能であるかどうか、それは先生どう判断されますか。

実際の請求事件というのは、ある特定の日に、特定の金員が、吉川側からすればですね、権限ない吉川という名前の者に払い戻されたというわけですね、それでいろいろ事実として分かってきたこと等についてはですね。そういう意味では、いわゆる直接事実から言うと、かなり遠い事実、そういう部分についてのおかしさと言いますか、食い違い、例えば証言も、前の法廷で証言した人が言ったことと、後で言ったことが違うという、要するに、請求原因との、この距離ですね、遠さ、そういう意味で、そのことが事実だとしても、請求を立てるのは難しいんじゃないかという意見を申し上げてたんです。

それと、さっきも言いました、谷口弁護士と村上博志との和解成立ありますね。それでどちらも300万円という大金を払っておりますね。このことも、先生の個人の意見としてですがね、やはり何かこう後ろめたいところがないとそういうお金を払わないと思うんですが。谷口弁護士と村上博志のその民事訴訟に何かあったのではないかとも、そういう点はどう思われますか。
確かに、おっしゃるように、金額的にはですね、常識的には、ちょっと考えにくい高い金額ですね。しかし、中がどうだったかということについては、私自身が谷口弁護士なり、あるいは村上さんですか、直接いろいろ事情を聴いたこともありませんし、何らかの事情があったんだろうということぐらいでして、そのことが何らかの違法行為に結び付く、あるいは違法行為があっただろうということにはちょっと断定をしかねるわけですね。私が先ほど聴かれたように、和解に入ったのはですね、これは吉川さんの希望もあったんですが、向こうの谷口弁護士さんなりの希望があって、要するに、和解の主たる目的はですね、面会を要求しないと、会わないと、その保証を取り付けるという意味でね、だれか弁護士さんが入ってくれと。それで私を指名してきたと、こういうことだろうと思うんですが、そのことは吉川さんも了解して、私が最終的に代理人になったと、こういうことなんです。
被告人の立場からすれば、これはやっぱり今まで言ってる裏取引きがあったからこそ払ったんじゃないかと、そう思う余地はあるんですね。
一般的にそう見られるでしょうし、何ともいえないですね、その辺りはね。
    
それで、去年ですけどね、この本件刑事裁判になっております建造物侵入、直前に、金庫の代理人から、つぎ金庫に来れば告訴しますよという書面が来てるんですね、それ、もらってからまた被告人が先生のところへ相談行ってると思うんですが、そのときはどういう話をされましたか。
そうですね。事実をいろいろ確認に行くのはいいんですけれども、私にも金庫に交渉に入ってくれないかという話もあったんですけれども、ただ、交渉して、最終的に何を目的として行くのかと、どこで何かが達成されるとか、何かが実現されるということであれば、一応目処が、目標が立ちますけれどね。委任なり、請負という考え方でいきますと、何をやったらいいのということになるわけでして、話を聞くだけというのでは、代理人としては、弁護士としては出来ないと。何か吉川さんが金庫に行っていろいろのお話を聞く場合でも、何をどうしてくれということを一応言ってですね、そのために自分は来てるんだという形で言わないと難しいんじゃないかというふうなことを言ってたと思います。だから、口頭でだめなら書面で照会を出すとかいう方法もあるし、結局事実確認をやってるわけですからね。そんな言い方で何度もこう話をしてたような気がします。

その後被告人が直接金庫にまた訪れて、結局告訴されて、最初は在宅で起訴されたんですかね。その起訴されてからも、先生のところへ何回か相談には行ってたんでしょうか。
起訴されたということは私は知らなかったんですよ。まして、拘束されたということも、後で知ったんですよ。

この裁判になってから、また再び金庫へ被告人が行って、今度は金庫の人を一人殴って怪我さしたと、それで身柄拘束されたんですけどもね。その直前、今年の3月なんですけどね、その直前先生のところへは何か相談来ましたか。
そうですね。今年になって2回ぐらいは会ってますから、それが3月ごろだったんですかね。そういうことがあったかも知れません。

結局、被告人としては、今の段階で出来る法的な手段があるのかどうか、法的手段がないとしたら、他の取りうる手段があるのかどうか、それを相談に行ってると思うんですが。先生としては、今現在法的手段、取りうる法的手段というのは何か考えられますでしょうか。
過去のですね、既に訴訟で確定したことにつきましては、これはもう難しいわけですね。それで、その他いろいろ何か出てくるかという問題があるわけですけれども、ちょっと法律的にはね、おっしゃってることで何かを請求するというのは難しいのではないかと。つまり、訴訟なり、調停なり、いろんな方法があるわけですけれども、そこの段階に行くまでの事実関係、あるいは請求原因というようなものが立たないというのではないかというのが私の意見でした。再審についても、同じ意見でしたね。

法的以外の、道義的責任追及と言いますか、何かそういう手段は考えられますでしょうか。
だから、彼の趣旨が金銭目的でないと。要するに、組合員というか、取引をしてた客として、、組合員としてどういう扱いを受けたかということについて、やはり何らかの名誉回復と言いますか、そういうことであるとすれば、こうこうこういうことであったということで、まあ陳謝、どの程度のことにおなりになるかは別ですけれども精神的に納得できるような解決方法はあるとすればですね、そういうものを要求することも可能だろうと思いますね。

今後も被告人が、また直接金庫を訪れるとか、直接連絡するということですと、またこういう刑事事件になりますので、今後は私あるいは先生が協議しながらですね、媒介をして、金庫と交渉をしていくと、そういうことでよろしいんでしょうか。
そうですね、谷口弁護士の和解、それから村上さんとの和解についても、趣旨は、私が吉川さんにそういうことをしないようにということで、監督するというか、どちらかと言うと身元引受という感じで代理人になったという経過がありますので、そういう意味では、金庫についてもですね、もしご本人がそういうことをやってくれと言われればですね、十何年の事件を通じての知り合いですけれども、それは、そういうことを努力しようというか、やってみようかなということはありますね。

本件についても、一種身元引受人的なことをやっていただけるということですね。
ええ、その点については、どういうふうに言えばよいんでしょうかね、元の依頼者ということを越えて、何でも相談に来られるという、電話をいただくというようなこともありますから、同様な付き合いをすることがそういう結果的には役割を果たせることになるのかも知れないというふうには思ってますけど。
   
               検察官
今回の事件なんですけども、被告人の最終的な目的は、ある意味では、その金銭の請求という部分もあったようなんですけどもね。今後、先生のお考えとして、永和信用金庫に対して金銭的な請求が出来る見込みはあると思われますか。
抽象的な話ですけど、まず過去の請求にかかるものは難しいでしょうね。

そうすると、被告人としては思いどおりに行かないということで、また一人で信用金庫に行ってしまうという可能性が、完全に払拭できないと思うんですけども。
行かれる事については問題はないと思うんですけどもね。だから、結局そこで何を求めて面会をされるかという、その辺りをはっきりするということが出来るかできないかという事じゃないでしょうかね。

そしたら、今後、永和信用金庫としては、恐らく被告人とは一切もう面会しないという立場を取られると思うんですね。その時に、また同じようなことが起きると困るんですが、その点については、もう先生の方で対処されるということでよろしいんでしょうかね。
ただ、その組合員資格と言いますか、預金なんかがどうなってるのか私知りませんから、それいかんによって、正当な取引としては行かれることも可能なんでしょうから。

取引関係は現在ないんで。
ああ、そうですか。

一番心配なのは今後なんですけどね。先生の方で尽力されるというお話なんですけども、被告人がそのことに納得しないということも考えられますんで、ちょっとお話を伺ってるんですが。結局は、道義的責任を追及するといっても、謝罪なり、言葉でしかない可能性が大きいと思うんですね。
おっしゃるとおりですね。

そこら辺も含めて、被告人を、先生の方で説得はされるということは考えられますかね。
ええ、この吉川さんに限らず、私どもがやる事件は、民事事件でも勝ったり負けたりするわけですし、結局納得ということを、どうやって自分自身の中で整理していくかという作業ですよね、これには時間かかる人もいますし、すっとあきらめてしまって納得される方もおります、そういう過程ではないかという感じもしますけど。ちょっと心理学的な話になるかも知れませんけど、そういう意味では、やはり私の元の依頼者であるということは変わりないわけですから、何かあればご相談には応じるということですし、話はさせていただきたいというふうには思っています。

   

               裁判官
金庫の方としては、どうも、あらかじめ書面を被告人に送りまして、今後面会を求められることは拒絶いたしますよという、そういう趣旨を告知しておって、それにもかかわらず被告人が立ち入ったということで、住居侵入の問題と、それから、その公判中に、更に立ち入っただけじゃなくて傷害事件を起こしたということで現在問題になってて、前回、私の方が被告人に、今後金庫の方に立ち入るということになれば、また同じ問題が起きるんじゃないかとということで、もうそれは止めた方がいいんじゃないかというふうなことを話したんですよ。そしたら被告人の方は、それは証人である弁護士さんとよく相談したうえで検討しますということで、明確な答えはなかったんですよ。証人の方は、立ち入りは、別に理由があればしてもいいという、そういう立場なんですか。
具体的に本件等についてどういう事実関係だったかというのは知らないんです、ですから、どの程度の、どういう場所で、どういうやり方で、面会を求めてね・・・・・。

だから、一般の、普通の場合ですと、立ち入りの趣旨とか目的が問題になると思うんですけれども、本件の場合は、あらかじめ明確に金庫の方は明示しているわけですよ、ここに立ち入ることを拒絶いたしますよというふうに、明確な形でもう拒絶しているという、そういうケースなんですよ。そうすると、そこに立ち入れば、また、住居侵入という問題が必ず起きるわけですよね。
ですから、私が、本人に言ってるのは、過去の事実についてね、法的に何らかの目的で、何らかの請求が立つということはないわけだから、行っても、何のために行くのということを常に質問するわけですが、それが、もう目的が自分自身でないとすればですね、行っても駄目なんじゃないかという、なぞかけでもあるわけなんです。つまり、あなたが希望しているようなことはですね、前も、法的にも、道義的責任と言うけれども、それは答えてもらえないだろうという、だから、行ってももう効果ありませんよ、成果ありませんよということも言ってるつもりなんですけどね。

                                       以上

   


HOME