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              訴     状

                             平成13年2月22日

大阪地方裁判所 御中

                  原告訴訟代理人  柳  川  博  昭

〒544−0001

大阪市生野区新今里7丁目17番17号松浦清方

               原      告   吉川真二 こと 文 京 大

〒530−0054

大阪市北区南森町2−2−10  大阪昭興ビル7階A室

      柳川博昭法律事務所(送達場所)

TE 06−6316−8463

FAX 06−6316−8473

原告訴訟代理人

弁 護 士        柳  川  博  昭

〒556−0005

大阪市浪速区日本橋4丁目7番20号

               被       告    永 和 信 用 金 庫

               同代表者代表理事   岡   田  全  弘

慰謝料請求事件

訴訟物の価格    金1000万円

貼用印紙額      金五万7600円

郵便額         金4800円

                      請求の趣旨

1 被告は原告に対し、金1000万円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払い済みまで年五分の割合による金員を支払え。

2 訴訟費用は被告の負担とする。

との判決並びに仮執行の宣言を求める。

                        請求の原因

第1、本件不法行為に至る経緯。

1、被告は、信用金庫法により設立された法人であるところ、原告は、昭和48年2月27日から被告金庫巽支店との間に預金(750万円の定期預金と150万円の通知預金)や手形貸付、手形割引、手形取立等の取引を開始した。

2、しかし、取引開始直後の昭48和3月7日、原告が取立委任のために被告金庫巽支店(以下「同支店」)に持ちこんだ約束手形5通が、被告の担当職員によって原告に無断で手形割引の扱いにされ、その割引金合計130万円を原告の開設した原告名義の普通預金口座に入金したうえ、原告名義の普通預金払戻請求書を無断で作成して何者かに前記130万円を支払い、原告に全同額の損害を蒙らせる、という事件が起こったのを皮きりに、昭和49年末までの1年9ヶ月ほどの間に同様の事件が前記事件も含めて計十件立て続けに起こった。

整理すると下記のとおり。

                           記

(1)昭和48年3月7日付けの金130万円の払戻金請求(第1事件)。
(2)昭和48年3月22日付けの金80万円の払戻金請求(第2事件)。 
(3)昭和48年7月6日付けの金100万円の払戻金請求(第3事件)。

(4)大山哲平振出の金50万円、満期日昭和48年9月27日の約束手形の返還請求(第4事件)。
(5)水原正子振出の金100万円、満期日48年十月1日の約束手形の返還 請求(第5事件)。(6)昭和49年4月11日付けの金120万円の払戻金請求(第6事件)。 
(7)昭和49年6月24日付けの金320万円の払戻金請求(第7事件)。 
(8)昭和49年7月2日付けの金150万円の払戻金請求(第8事件)。

(9)昭和49年8月26日付けの金3万4260円の払戻請求(第9事件)。
10)昭和49年年11月16日付けの金1万5005円の払戻金請求(第10事件)。

3、以上の被告担当職員の不正な事務処理による原告の損害は、10件の合計金1054万9265円に達したことから、原告は知人を通じて知り合った訴外村上博志と、その紹介で知った谷口光雄弁護士に事件の相談をし、被告から取引関係資料の提出を求めたが、被告は暴力団の名前を出して提出を拒否したり、あるいは被告に本来備え置かれているはずの取引元帳の写ではなく、新たに手書した資料を提出したりするなどして、誠実に対応しなかった。そこで原告は被告との取引を、昭和50年4月14日付けで打ち切った。

4、しかし、一応の調査の結果は、原告を被告に紹介して金庫取引開始のきっかけとなった訴外杉山常好が被告担当職員と結託して一連の金員着服の不法行為を行った、との心証を得た原告は、谷口光雄弁護士 に被告職員に対する刑事告訴(詐欺罪等)と民事の損害賠償請求訴訟を依頼した。

5、ところが、昭和51年から同53年にかけて谷口弁護士が行った刑事告訴は,いずれも不起訴処分で終了したため,近畿財務局に金庫取引調査を依頼する上申書提出を経て、昭和56年11月,ようやく大阪地方裁判所に民事訴訟を提起した(同庁昭和56年(ワ)第8286号預金債権請求事件)。

6、この民事訴訟は1審だけでも10年かかるが,その途中の昭和61年8月に突然原告代理人の谷口弁護士が辞任したため、後任を藤原猛爾弁護士にお願いして,ようやく平成3年11月13日,1審判決の言渡を受けた。

 結果は「原告の請求を棄却する」と全部敗訴であったので,直ちに控訴した(大阪高等裁判  所平成3年(ネ)第2698号預金債権請求控訴事件)。が,平成4年9月29日,控訴審判決も 原告敗訴であり,上告したが上告審判決も敗訴となり,確定した(最高裁判所平成5年(オ)第 16号、平成5年10月5日言渡)。

7、上告棄却後、藤原猛爾弁護士と協議したが,「再審は困難」と言うことで、他の方法を模索する事になり,被告に新たに定期預金を積んで金庫取引を再開し融資を受けて事業を始めようとしたところ,被告からは融資を拒絶された。

8、民事訴訟の敗訴の原因について納得のいかない原告は,その後,被告の担当職員であった訴外勝原史郎が民事裁判の証言において偽証をしていたことを聞き出したり(平成7年12月4日)、谷口弁護士と村上博志と裁判上の和解をして和解金を各300万円ずつ受領した(原告は、原告代理人であった谷口弁護士らが被告と結託して,提訴を遅らせた りして故意に敗訴するように仕向けたと考えており,損害賠償請求を図っていたところ,谷口弁護士らの方から和解の提示があったのである)。

9、これら民事裁判確定後に新たに判明した事実がいくつか積み重なったので、それを踏まえて原告は平成11年1月27日から数度にわたり被告本店へ被告職員の不正な事務処理についての釈明と謝罪を求めに行った。応対した被告本店業務部副部長金澤繁彦は、事務処理のミスを認める発言をしたものの、同年3月4日以降は面会そのものを拒否する姿勢を示した。そして,平成11年8月6日には,被告の顧問弁護士から原告に内容証明郵便(被告としては来所を拒絶するとともに、これに反して来所した場合には住居侵入罪で告訴する旨の通知書)が送付された。

第2,本件不法行為

1、原告は,被告代理人からの前記内容証明に納得が行かず、平成11年8月9日午後1時ころ被告本店を訪れ,金澤に面談を求めて「確定判決を覆すために来ているのではない。違法な事務処理の社会的道義的責任を問うために来ているのだ」と説明したが,金澤は 「帰ってくれ」の一点張りだったため、「翌日も来る」と言い残してその日は帰宅し,翌8月10日午後1時ころ,再度被告本店を訪れたところ(平穏に入店しており,暴力等何もないにもかかわらず),被告が警察官の出動を要請し,原告は浪速警察署に任意同行された(不拘束)。

2、その後,平成11年10月15日ころ,被告が原告を「建造物侵入罪」で告訴したことにより、平成11年12月28日,原告は同罪で在宅起訴され刑事被告人の立場に置かれた。平成12年2月8日第一回公判期日(大阪地方裁判所第7刑事部1係)において、原告は「正当な理由で訪問したのであり、不法侵入ではない」旨認否したが、その後である平成12年3月17日,原告は新たに被告本店を訪問し,その際,応対した被告理事清水一男の挑発的な言動に立腹して同人に傷害を負わせたため「建造物侵入・傷害罪」で逮捕勾留された。

3、こうして,原告は身柄拘束されたまま刑事裁判を続け,被告の不正な事務処理と原告自身の被告訪問の正当性を訴えたが,平成12年12月12日,裁判所は起訴事実を認める有罪判決(懲役1年6月、未決150日,執行猶予4年)を下し,原告は同日釈放された。

4、この刑事裁判については原告は控訴し,現在控訴審に係属している(大阪高等裁判所第5刑事部)。

5、以上のように、原告はもともと被告の担当職員による不正な事務処理のため,1000万円強の損害を蒙った被害者であったのに、その被害を回復すべく起こした民事訴訟もその代理人の不手際や偏った裁判所の判断によって敗訴が確定してしまい,法的な手段が失われた挙句,採りうる唯一の方法として被告本店への訪問と理事長への面談を要請したにすぎない。それが一転して,刑事被告人とされ,生まれて初めて身柄拘束までされ(原告には過去に外国人登録法違反の罰金前科しかない)、執行猶予付きとはいえ、懲役前科まで付けられたわけである。

 「建造物侵入」については,原告は話合いという正当な目的で行ったのであるし,「傷害」については清水理事が原告を怒らせるべく挑発した面があり,原告を一方的に非難できないのであるが,1審判決が出た以上,原告は「犯罪者」という烙印を押されてしまったことになる。

6、昭和50年以来25年(四半世紀)以上にわたって被害者として訴え続けてきた原告が,こうして今「犯罪者」とされてしまったのは,被告が原告との話合いを回避した不作為と、「告訴」という積極的な作為が面々相俊って行われたことによるのであり,これは被告の故意・過失により原告に対し不当な精神的苦痛を与えたものといえる。

この精神的苦痛を慰謝すべき金額は,25年間という年月を考えると莫大なものになり,少なくても当初の損害金である1054万9265円を下回ることはないが,本訴訟ではその内金1000万円を請求する。

7、よって、原告は被告に対し、慰謝料金1000万円および遅延損害金の支払を求めて本訴訟に及んだ次第である。

                               証拠方法

1 甲第1号証    陳述書 (原告作成、刑事裁判へ提出)
2 甲第2号証の1  判決 (民事第1審)                        
  甲第2号証の2  判決 (民亊控訴審

   甲第2号証の3  判決 (民亊上告審)
  甲第3号証     判決  (刑事第1審)                      

                        添付書類

1 甲号各証写

2 訴訟委任状

3 法人登記薄謄本(被告の資格証明)                      

                                   以上。