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平成14年9月27日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成14年(ネ)第1611号慰謝料請求事件 (原審・大阪地方裁判所 平成13年(ワ)第1679号)

判     決

大阪市生野区新今里7丁目12番17号松浦清方

控訴人(1審原告)      吉川真二こと    

文 京

同訴訟代理人弁護士    柳 川 博 昭

大阪市浪速区日本橋4丁目7番20号 

被控訴人(1審被告)       永和信用金

同代表者代表理事       小  林   泰

同訴訟代理人弁護士      中 村 泰 雄

同          堀       清

主     文

1 本件控訴を棄却する。

2 控訴費用は、控訴人の負担とする。

事 実 及 び 理 由

第1 当事者の求めた裁判

1 控訴人
  (1) 原判決を取り消す。
  (2) 被控訴人は、控訴人に対し、1000万円及びこれに対する平成13年3月28日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。
  (3) 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。
  (4) 仮執行宣言

2 被控訴人

主文と同旨

(以下、控訴人を「原告」、被控訴人を「被告」という。また、略称については原判決のそれによる。)

第2 事案の概要  

 1 本件は、被告の担当職員の違法、不正な事務処理によって損害を被ったとして法的責任の追及をし民事訴訟等で敗訴した原告が、その後の調査の結果を踏まえて被告の責任追及のため被告本店を何度か訪れたが、被告に面会を拒否されるようになり、ついには建造物侵入罪で告訴され、その結果、同罪等で起訴され、有罪判決を受けたことにつき、被告が民亊の話合いの手段を不当に拒絶し、原告の交渉手段を奪ったばかりか、建造物侵入罪で告訴して原告を刑事被告人の地位に置いたことは原告に対する不法行為に当たると主張して、被告に対し、慰謝料1000万円及び不法行為の日の後で訴状送達の日の翌日である平成13年3月28日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
   原判決は、不法行為の成立を否定して原告の請求を棄却したが、原告がこれを不服として控訴を提起した。

 2 争いのない事実等、争点は、次のとおり訂正するほか、原判決「事実及び理由」中の「第2事案の概要」 2,3に記載のとおりであ るから、これを引用する。

  (原判決の訂正等)
  原判決2頁23行目の 「(以下「杉山」という。)」を削り、同頁25行目の「谷口光男」 を 「谷口光雄」 と、同4頁6行目の 「拘留」 を 「勾留」 と、同頁13行目を 「(1) 被告担当職員の違法、不正な事務処理の存否」 と 同5頁15〜16行目を 「b 原告名義の普通預金払戻請求書において、同一の印鑑による印影であるはずであるにもかかわらず、古い作成日付の請求書の印影には欠落部分があり、新しい作成日付の請求書の印影には欠落部分がない。」と各改める。

第3 当裁判所の判断
  当裁判所の判断は、次のとおり付加、訂正するほか、原判決「事実及び理由」中の「第3争点に関する判断」 1,2に記載のとおりであるから、これを引用する。

(原判決の訂正等)

  1 原判決8頁18行目から同9頁2行目までを次のとおり改める。

   「(2) そうすると、前記の前訴の確定判決により、原告が本訴において主張する被告担当職員の違法、不正な事務処理の不法行為を理由とする被告に対する損害賠償請求権は存在しないものとする判断につき既判力が及ぶので、原告主張の不法行為を理由とする被告の損害賠償責任は認められない。
   なお、原告は、前訴の判決確定後、原告の調査により不合理な事実が判明し、前訴確定判決が誤った事実を前提に下された誤った判決であることが確証されたと主張するが、原告において再審の訴えをもって前訴確定判決の既判力を覆す手続がとられていない以上、前訴の確定判決の効力自体を否定することはできない。また、原告側の主張立証も十分検討した上で、前記判決がされていることからすると、原告主張の被告担当職員の違法、不正な事務処理の事実を認めることも困難であるところ、原告は、前訴の判決確定後に前記第2の3(1)ア(イ) a ないし f の事実が判明したことを上記の違法、不正な事務処理の事実の存在の裏付けとして主張しているので、以下、これらの事実について検討する。」

  2 同9頁7行目の 「昭和48年2月7日付け」 を 「48年3月7日付」 と改め、同8行目の 「払戻請求書」 の次に 「(甲15)」 を加える。

  3 同10頁12行目を次のとおり改める。

  (ア) 甲第35号証 (原告作成の陳述書) の添付資料G(原告名義の被告総合・普通預金口座の元帳の写し)には原告の届出印鑑のよる印影 (写し) とこの印鑑が50年3月17日に改印された印鑑である旨の記載があり、他方、同証の添付資料L(原告名義の被告あての 「取立手形返戻依頼書」 の写し)にも、前記の改印の日である昭和50年3月17日より前である同年1月13日の作成日付であるにもかかわらず、届出印鑑の印影として添付資料Gの印影と似た印影 (写し) があり、改印手続完了の前に改印後の印鑑が使用されていた可能性がある。

  (イ) しかし、このような可能性があるとしても、被告における正式な改印手続を経たか否かはともかくとして、添付資料G、Lに用いられた印鑑は、原告自身が所持し使用していた印鑑であることがうかがわれ(弁論の全趣旨)、また、添付資料Gの改印の日付や添付資料Lの作成日付はいずれも原告主張の違法、不正な事務処理があったとされる日とは時期を異にしており、直ちに、原告主張の違法、不正な事務処理があったことが推認されるものではない。」

  4 同11頁5行目の次に改行の上、次のとおり加える。

   「なお、原告は、原告が昭和50年1月21日に被告支店を訪れた際に、同支店長である谷肇が暴力団の名前を出して威圧を加えて資料の提出を拒んだ旨主張するが、この事実を認定するに足りる客観的な証拠はない。」

  5 同11頁10行目の 「被告巽支店」 を 「被告支店」 と改める。

  6 同13頁6行目から同14行目までを次のとおり改める。

  「なお、原告は、村上が前訴の傍聴に来た際に退廷を求められて退廷したことをもって、村上と被告代理人との間では、原告の知らないところで金銭的解決 (裏取引) があったが、原告が前訴を提起したことで裏取引の意味がなくなり、被告代理人が怒りを覚えて村上を退廷させたものであると主張している。しかし、前記のとおり、村上は被告代理人の指摘を受けた裁判所の指示により退廷したものである上、村上は原告の代理人である谷口弁護士の依頼により被告支店に赴き、原告の手形や現金払戻請求書等の写しを受け取るなどしており、被告からみれば本来は原告側の人間で被告に対する適性証人として尋問を受ける可能性も考えられ、被告代理人が村上の退廷を求めたことをもって、被告と村上との間に裏取引が存在していたと推認することは困難である。」

  7 同13頁末行の 「被告」 を 「原告」 と、同14頁5行目の「発言をしてるが」 を 「発言をしているが」 と各改め、同頁12行目の次に改行の上、次のとおり加える。
   「キ 以上によると、前記第2の3(1)ア(イ) a ないし f の各事実については、そもそも当該事実自体が認められないか、あるいは当該事実をもってしても原告主張の被告の担当職員の違法、不正な事務処理を推認することはできず、他に原告主張の違法、不正な事務処理を認めるに足りる証拠はない。」

  8  同15頁17行目末尾の次に改行の上、次のとおり加える。
   「3 その他、原審及び当審における原告提出の各準備書面記載の主張に照らして、原審及び当審で提出、援用された全証拠を改めて精査しても、当審の認定判断を覆すほどのものはない。」

第4 結論
   以上によると、原告の請求は理由がないから、これを棄却すべきところ、これと同旨の原判決は相当である。
   よって、本件控訴を棄却し、主文のとおり判決する。
  
  (当審口頭弁論終結日 平成14年8月30日)

  

大阪高等裁判所第8民亊部

         裁判長裁判官      竹  原  俊  一

              裁判官      小  野  洋  一

              裁判官      黒  野  功  久