訴 状 顛末書 準備書面 一審判決文 控訴理由書 控訴判決 上告理由書 上告判決


平成14年(ネオ)第428号  慰謝料請求上告事件

上告人    吉川真二こと文 京大

被上告人   永 和 信 用 金 庫

   

上 告 理 由 書

平成14年12月9日

最高裁判所 御中

上告人訴訟代理人弁護士  柳 川  博 昭

1、憲法違反

 原判決には、次の各点に憲法違反がある。

(1) 憲法14条1項(平等原則)違反
  原判決(および1審判決)ならびにその前提となる前訴の確定判決は、
  @被上告人が公共の金融機関であるのに対し、上告人が民間の1涸人にすぎないこと、
  Aしかも上告人は日本人ではなく、在日韓国人であること、という2点で、憲法14条1項にいう 「社会的身分」 による差別的取扱をし、上告人の主張を容れず、一方的に被上告人の言い分のみを信用して下されたものである。
 なぜなら、前訴において被上告人から提出された証拠資料は、事務処理の不正等がわからないように改竄されたものであり、しかもそれは当時の巽支店長であった谷肇が暴力団の名前を出して上告人に威圧を与え資料提出を拒んだ結果であるが、そのような上告人の主張に対し、本件訴訟の1審および原判決は確定判決の既判力を理由に否定し、又、暴力団の件については1審判決は触れず、原判決は触れはしたものの「この事実を認定するに足りる客観的な証拠はない」として切り捨てているからである。また、原判決は改印後の印鑑が改印前に使用されていた可能性があることを、せっかく認めながら (P.3〜4)、直ちに「違法、不正な事務処理があったことが推認されるものではない」として、薄弱な理由により否定の結論に至っている。
 しかし、改印後の印鑑が改印前に使用されていること自体、被上告人の金融機関としての事務処理の杜撰さを示して余りあるものであり、この一事だけからも違法、不正な事務処理のあった可能性は十分に推認されるのである。
 以上のように、原判決は上告人の主張をある程度容認しつつ、結果的には否定するのであり、その否定の理由は合理的なものではないから、背景に前記の差別が伏在しているとしか考えられない。

(2)憲法29条(財産権)違反
 もともと本件の上告人は、被上告人に預金をしていた客であり、その預金1000万円余が、第三者(杉山常好)と被上告人事務職員の共謀により不正に払い戻され、預金1000万円余の債権を失うという財産的被害にあった被害者である。
 
それにもかかわらず、前訴確定判決は上告人の請求を棄却し、それの既判力を認めて上告人の慰謝料請求も棄却した本訴1審および原判決は、上告人の財産的被害回復の道を断ち切ったものであり、公の判決という司法作用によって1私人の財産権を侵害したものといえる。

(3)憲法32条(裁判を受ける権利)違反
 上告人が不当な前訴確定判決に対し、再審等で確定判決の既判力を覆すこともできなくなったため、訪問して交渉しようとしたことが建造物侵入罪に問われ、その有罪判決の精神的苦痛に対する慰謝料を求めた本訴訟が、前記の差別的取扱により一方的に被上告人に有利な偏頗な判断をされたことは、全体の流れとしてみた場合、形式的には「裁判」の外形はあるものの、実質的には「裁判」の名に値しないものである。けだし、中立公正な立場から採証、判断がなされず、初めから一方に偏した立場で行われる手続は、到底「裁判」とはいえず、単なる糾弾手読としかいえないからである。これは憲法32条の「裁判を受ける権利」を実質的に奪われたに等しい。

2、以上3点の憲法違反により、原判決を破棄し、1審に差し戻されたい。

                                以上。