垂れ流しを止めるために、2012/5月・東京都議会へと測定を求める陳情を有志数名で作成。都議会に提出。
残念ながら不採択になりました。

下水道局水再生センターからの放流水の放射能計測及びその結果の公開に関する陳情

平成24年5月  日提出

 

東京都議会

議長 中村 明彦 殿

郵便番号

東京都世田谷区

電話番号

(      )

氏名               印

 

下水道局八王子水再生センターの放流水を、検出限界0.1Bq/Lで放射能の濃度を測定するとともに、逐次、ホームページなどによって、その測定結果を公開してください。

 

 東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質は、都内においても大量に降下しました(平成23年3月において新宿区百人町で45,600Bq/屐法

そして、それらの多くが雨水や下水等により、都内各所の水再生センターに集積されているものの、大幅に希釈されるために、多摩川に放流される排水の放射性物質の濃度は、東京都の公開情報では、不検出となっています。

 一方で、多摩川上流に位置する「東京たま広域資源循環組合」が運営するエコセメント事業のホームページによれば、平成23年7月から平成24年3月までの期間において、同組合の下水道放流水の月別の放射性セシウムの濃度は117〜678Bq/Lにもなっております。これは、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法施行規則(平成23年12月14日環境省令第33号)」第三十三条の一のロの(1)に定められた濃度限度を大幅に超える数値です。また、同組合の推計放出総量は246.6億Bqにも達します。この行為は、「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」第三条が定める「業務上必要な注意」を怠ったと判断される可能性があります。

さらに、東京たま広域資源循環組合は、自ら下水道に排出した放射性セシウムの値を発表し、その排水が放射性セシウムの濃度限度を上回ることを認識しています。放射性セシウムが、同法二条にいう「人の健康を害する物質(身体に蓄積した場合に人の健康を害することとなる物質を含む。以下同じ)」に該当することが明白であることからすれば、本件では、同法二条違反(故意犯)が成立する可能性すらあります。

そして東京都下水道局の八王子水再生センターもまた、放射性物質除去装置を設置しないまま、東京都から設立認可を受けた、地方自治法上の一部事務組合でもある東京たま広域資源循環組合のセシウム濃度が下水道への放流時点で75(60,90の平均)Bq/Lをはるかに上回る下水道排水を受け入れております。

八王子水再生センターは、東京たま広域資源循環組合から排出される下水以外の排水も受け入れていることから、同エコセメント事業から排出される下水は数百倍にも希釈されています。このため、同事業から現在までに246.6億Bqにもなると推計される放射性セシウムの放出総量は、高性能の測定機器を用いなければ正確に把握することができません。

このような事態は、多摩川下流域で日常生活を送る私たち都民にとって、到底看過できるものではありません。

ついては、東京都下水道局の八王子水再生センターに、同法の趣旨に照らし、公衆の生命又は身体に対する危険を未然に防止するための第一段階の措置として、八王子水再生センターからの放流水について、検出限界0.1Bq/Lで放射能測定を行うとともに、測定結果を逐次、ホームページなどで公開することを求めます。

 

以 上


 

      東京たま広域資源循環組合が運営するエコセメント事業から排出される放射性セシウムの推計総量は平成23年7月から平成24年3月までの期間、246.6億Bqに達している可能性がある。

東京都たま広域資源組合が運営するたまエコセメント事業から
排出される排水における放射性セシウムの量

年月

Cs134
※1

Cs137
※1

Cs合計
※1

濃度
※2

1日当たり
排出総量(Bq)※3

1か月当たり
排出総量(Bq)※4

平成23年7月

311

367

678

9.261

203,400,000

5,085,000,000

平成23年8月

167

204

371

5.050

111,300,000

2,782,500,000

平成23年9月

244

250

494

6.844

148,200,000

3,705,000,000

平成23年10月

161

215

376

5.072

112,800,000

2,820,000,000

平成23年11月

199

270

469

6.317

140,700,000

3,517,500,000

平成23年12月

159

200

359

4.872

107,700,000

2,692,500,000

平成24年1月

98

133

231

3.111

69,300,000

1,732,500,000

平成24年2月

82

111

193

2.600

57,900,000

1,447,500,000

平成24年3月

47

70

117

1.561

35,100,000

877,500,000

合計

 

 

 

 

 

24,660,000,000

 

※ 1   単位Bq/L。東京たま広域資源循環組合ホームページの環境データ「放射能の測定結果」に記載の下水道放流水に含まれる放射性セシウムの値を使用した。
http://www.tama-junkankumiai.com/env_preservation/env_data/

※ 2   濃度は「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則の規定に基づく線量限度等を定める告示(平成13年3月21日経済産業省告示第187号)」、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法施行規則」に定められた計算式より算出した。同施行規則第三十三条の一のロの(1)によれば、濃度限度は1を下回らなければならない。
 Cs134(Bq/L)÷ 60(Bq/L)+ Cs137の濃度(Bq/L)÷90(Bq/L)≦  1

※ 3   1日当たり排出総量は、「多摩地域廃棄物エコセメント化施設建設事業の環境影響評価調査計画書に係る見解書について」に記載の「残り300tは重金属回収設備において処理し、下水道放流します。」を参考に、公表値×300,000L(300t) にて推計した。
http://www.tama-junkankumiai.com/eco_cement/env/details/kenkaisyo_yoyaku.pdf

※ 4   1月当たり25日の稼働と仮定して総量を計算した。

 

      一方、最寄りの下水放流先である八王子水再生センターにおいては、東京都下水道局ホームページのお知らせ「下水処理における放射能等測定結果」に記載のとおり、平成24年1月から公表されるようになった放流水の放射能量測定結果では、不検出が続いている。
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/oshi/infn0614.htm

 

      しかしながら、同ホームページの「平成23年12月(平成23年度)流域水再生センターにおける放流量速報値」における八王子水再生センターの放流水量は約10.1万t/日もの量であり、東京たま広域資源循環組合の運営するエコセメント事業から排出される下水放水量300t/日を336.6倍に希釈するため、同事業からの246.6億Bqにも達する放射性セシウムが混入されている可能性のある下水排水に対する正確な判断が不可能となっている。
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/gijyutou/fukyu/mH23data/23_12ryu.htm

 

      東京たま広域資源循環組合の下水道放流水の放射性セシウムの濃度は、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法施行規則」第三十三条の一のロの(1)に定める濃度限度を大幅に上回る濃度である。八王子水再生センターが公共用水域ではないため、同法の適用対象外となっているが、放射性物質の処理施設を持たない八王子水再生センターを経由して実質的に公共用水域である多摩川に放流されている可能性があり、東京都下水道局は、この事態を結果として許容・放置していることになる。

 

      市原エコセメント株式会社(東京たまエコセメント事業と類似事業を営む)では、排水から、「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則の規定に基づく線量限度等を定める告示(平成13年3月21日経済産業省告示第187号)」、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」に定める濃度限度を上回る量の放射性セシウムが検出されたことから、現在操業停止状態にある。
http://www.pref.chiba.lg.jp/haishi/press/2011/ichihara-ecosemento/231102.html
東京都下水道局が、濃度限度を上回る放射性セシウムを含む工場排水をこのまま受け入れ続けることは、他地域を含めて、このレベルの放射性セシウム汚染水の下水道排水を許容することになる。さらに、後述のように、このレベルの工場排水を排出する行為は「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」第三条に実質的に違反する恐れが強い。このことからすれば、東京都下水道局が、漫然と当該汚染水の排出を放置し続けるのは断じて許されない。

 

      東京都では、東日本大震災に伴って発生した東北地方の災害廃棄物の広域処理事業にも着手しており、今後、多摩地区も災害廃棄物の焼却処理を開始することから、これまで以上に放射性セシウムの一般廃棄物処理場における集積及び濃縮に対する注意が必要である。

 

      学識経験者によると、ゲルマニウム半導体型検出器の検出限界は0.1Bq/Lであり、上水道と同等の検査を実施すれば、より精密な測定を可能とする技術は存在している。

 

      「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」の第三条は、「業務上必要な注意を怠り、工場又は事業場における事業活動に伴って人の健康を害する物質を排出し、公衆の生命又は身体に危険を生じさせた者は、二年以下の懲役若しくは禁錮又は二百万円以下の罰金に処する。」と規定する。また,第二条は,「工場又は事業場における事業活動に伴つて人の健康を害する物質(身体に蓄積した場合に人の健康を害することとなる物質を含む。以下同じ。)を排出し、公衆の生命又は身体に危険を生じさせた者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。」と規定する。 

 

      東京たま広域資源循環組合は、東京都多摩地区の25市及び1町で構成される地方自治法上の特別地方公共団体たる一部事務組合であり、上記排出行為を継続的に行うことは許されない。この排出行為が、「公衆の生命又は身体に危険」を発生させていると判断されうる場合には、同組合は、「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」第三条に定める「業務上必要な注意」を怠ったと判断される可能性があるからである。さらに、東京たま広域資源循環組合は、自ら下水道に排出した放射性セシウムの値を発表し、その排水が放射性セシウムの濃度限度を上回ることを認識している。放射性セシウムが、同法二条にいう「人の健康を害する物質(身体に蓄積した場合に人の健康を害することとなる物質を含む。以下同じ)」に該当することは明白であることからすれば、本件では、同法二条違反(故意犯)が成立する可能性すらある。

  そして、八王子水再生センターもまた、抜本的に放射性物質を除去する対応をしないまま、東京たま広域資源循環組合のエコセメント事業から排出される、75(60,90の平均)Bq/Lをはるかに上回る下水道排水を受け入れていることからすれば、東京都の水再生センターとしては、同法の趣旨に照らし、公衆の生命又は身体に対する危険を未然に防止するための第一段階の措置として、排水を検出限界0.1Bq/Lの放射能測定を行うべきである。

 

以 上