ヤクガイ、ヤコウガイ、ヤツメウナギ、ヤドカリ、ヤマメ


ヤクガイ、屋久貝


清少納言「枕草子 一三七」、『新版 枕草子 下巻』角川書店 

公卿、殿上人、かはりがはり盃取りて、果てには屋久貝という物して飲みて立つすなはち、とりばみといふ者、をのこなどのせむだに、いとうたてあるを、御前には女ぞ出でて取りける。

 


ヤコウガイ、夜光貝


いとうせいこう、みうらじゅん、『見仏記』角川書店

 「こんなに小さいの?ショックだよ。俺、すっげえショックだよ。がーっかりだよ」
 まあまあとなだめて、ガラスの向こう側を必死に見た。かなり遠いので微細な部分はまるでわからないが、夜光貝をあしらった見事な贅沢な壇の上に、沢山の仏が載っている。とにかく異常なほどの装飾性だ。

 


ヤツメウナギ、八目鰻


川上弘美「椰子・椰子 秋」、『椰子・椰子』小学館


『二人玉乗り競争』と『やつめうなぎ競争』に出て、二等賞をもらう。

 


ヤドカリ、寄生蟹


萩原朔太郎「青猫抄」の「寄生蟹のうた」、『ちくま日本文学全集 萩原朔太郎』筑摩書房


 あやしくもここの磯辺にむらがつて
 むらむらとうず高くもりあがり 
 また影のやうに這ひまはる
 それは雲のやうなひとつの心像 
 さびしい寄生蟹の幽霊ですよ。

 


ヤマメ


横尾忠則「炎と化した那智の竜神」、『導かれて、旅』文藝春秋

 川底の石まで透き通って見える清流にはやまめが郡ををなして泳いでいる。ぼくは清流に魚が泳いでいる夢をよく見るが、そんな夢は僕にとっては一種の霊夢で、その証拠に目覚めても不思議な至福感にいつまでも包まれていることがある。

 



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