Back
仮処分訴訟最終弁論の傍聴報告 (2007.7.19)
 

仮処分訴訟最終弁論の傍聴報告

7月19日、東京電力柏崎刈羽原発が新潟県中越沖地震に襲われてからわずか3日後に、休止していた仮処分訴訟の口頭弁論が静岡地裁仮庁舎2階で開かれました。ラウンドテーブル形式で裁判官3名、被告側弁護士3名、原告側弁護士4名がテーブルに着き、原告は8名のみの傍聴が許されました。マスコミ、被告席とも傍聴席すべて埋まりました。

 

 原告側からは、本訴の最終準備書面と結審の際の陳述書(準備書面1.2)、それに加えて急遽作成された中越沖地震による柏崎刈羽原発の被災状況に関する準備書面3と証拠書類が提出されました。

 

 裁判長は冒頭、中越沖地震に触れ、急遽提出した準備書面3に関し「柏崎刈羽原発では軽微とは言えない事故も起きており、原告側が主張したいことは理解できる。債務者側も2週間から10日の間に書面を追加すれば許可する」と採用を認めました。それに対し、中電側は「新聞報道を超える情報は把握しておらず、短期間に主張すべきものが得られるとは思えず、十分審議尽くしたので終えてほしい」と主張し、書類の確認をした後、仮処分訴訟は結審しました。

 

 その後、中越沖地震に伴う本訴の弁論再開申し立ての件に移り、海渡、内山弁護士が「中越沖地震について地震の客観的データとして、取り調べをしてほしい。本訴でも資料として採用してほしい」と主張しました。中電側弁護士は反対しましたが、裁判所に判断を委ねるとし、裁判官3名は別室協議に入りました。

 裁判長は「断片的な第一報のみでは原告に加担することになる。やるのなら、双方主張し、対等にするべき。再開すれば時間がかかり、また別の事象が起こる可能性もある。これまで原告は速い審理を望み、被告側も協力してきた。裁判所も他の訴訟に優先し、判決の準備を始めている。審理が後退する」として、最終決断を原告側に委ねました。結局、原告側弁護団は裁判の長引くことを避けるため、取り下げを決定しました。20分余りの弁論は予定時刻の4時に終了しました。

 

10月26日には仮処分も本訴も併せて判決が下される予定です。

 

(記者会見から)

河合弁護士は、柏崎刈羽原発を襲った中越沖地震について、「原発震災の予告編」と称し、海渡弁護士は「中越沖地震は裁判に大きな影響を及ぼした。加速度が想定を超えると言ってきたことが現に起き、主張が裏付けられた。マグニチュード6.8で敷地が割れている。東海地震はマグニチュード8から8.5。もっと凄まじいことが起きる。裁判所も危険性を感じたのではないか。」と発言しました。

内山弁護士は「主張してきた共通原因故障がはっきり出た。認めざるを得ないのではないか。地盤の問題も出てきた。今まで岩盤は健全性が保てることが前提であったのに割れていた。段差があったらおしまい」と、耐震設計の根本が崩れたことを指摘しました。

                        (報告:杉山)

 

 

 
Back to index