今月の特集はマーシャルのスモールヘッドPA20です。寿庵皆男氏の執筆です。

<特集No.19 マーシャル40th Anniversary 寿庵皆男シグネチャー・モデル>

今年はマーシャル・アンプ生誕40周年という記念すべき年ということで、’70年代半ばに生産されたJCM800が再発売されました。 そこで私も、たまたま今年の9月頃に見つけた’71年製のPA20を私なりのマーシャル40周年記念モデルとしてみました。 現在ライブでのメインアンプにすべく鋭意熟成中です。 ’67年〜’73年まで生産された20Wヘッド・シリーズはギター、ベース用とPA用アンプが有りましたが、 今ではあまり見かける事は有りません。私が入手した物は「PA20」というPA用の物ですが回路図を見ると、 片方のチャンネルのボリュームからフェイズインバータの間に500pfのキャパシターが無いこと以外はギター用と全く同じです。 大型アンプの代名詞であるマーシャルの中ではマイナーな存在なので恐らく大多数は 壊れて捨てられたか物置に眠っているかでしょうが、海外ではこのアンプをModifyして楽しむマニアのHPも有ります。



(左)’71年製PA20,(右)コーネルPLEXI20
私はもともとコーネルのプレキシ20という、マーシャルの20Wヘッドのレプリカを知ったことで逆に本家に興味が湧き、たまたま出物が有ったので入手することが出来ました。 ただし私の物は'71年製なのでプレキシ・パネルでは有りません。
最初にコーネル・プレキシ20を見たときに、我々のバンドがいつも演らせて貰っているハコのの広さにマッチした出力と容積で、 マーシャル好きにも拘らずマーシャルが使えないというジレンマを感じていた私にとってまさに「これだっ!!」と思いました。 とは言えEL84管ですので、大好きなEL34管の50W「1987」の縮小版という訳にはいきませんが、とにかくこのルックスに惚れました。



マーシャルのキャビ「1912」のグリルには、ジミー・ペイジの向こうを張って (?)私「寿庵 皆男」の印鑑型ロゴを書き入れライブ用アンプとして万全の体勢です。 最初はネットを張り替えようかと思ったのですが、面倒になり型紙を起こして直接スプレーで噴くことにしました。




いきなり赤を噴いたんですがやはり発色が悪く、あらためて下地に白色を噴いてその 上に赤を乗せました。あとははみ出したところを修正して出来上がりです。



「1912」の純正スピーカーはセレッションG12B−150(左上)という許容入力が大きい物が付いていましたので、G12Mグリーンバック(リイシュー、右下)、 次に70年代のG12H(左下)に替えて見ましたが現在はリイシューのジェンセンP12R(右上)を付けています。 音はそれぞれ良かったんですが結局重量が一番軽い物にしたという訳です。 これによりカタログ値14.6kgの1912が12.8kgになり、ライブ時の運搬がずいぶん楽になります。
結果として私がライブに持ち込むアンプの重量は以下の通りとなりました。

MARSHALL ’71PA20(1917)   9.8kg
MARSHALL  Cabinett 1912   12.8kg
ライブ時運搬アンプ重量合計     22.6kg

ちなみにTOPページに写っている’66年JTM45と’76年1960Aキャビの重量は下記の通りです。

MARSHALL ’66JTM45(1987) 14.4kg
MARSHALL ’76Cabinett 1960A 36.1kg
ライブ時運搬アンプ重量合計      50.5kg

【参考】スピーカー重量(単位:kg)
G12B−150   4.58
G12M       3.61
G12H       4.89
P12R       1.58



左のチャンネルはノーマルのまま、右のチャンネルをゲインアップして貰いました。
コントロールつまみがVolとToneだけなので最近老眼と痴呆が進んだ私にも操作がラクで助かります。 (ライブの時には何も考えずにフルテンにすれば良い訳ですから。)
最初は好みの音とは少々違いましたが、チューブを換えたり、スピーカーを換えてみたりしたところ結構好みの感じになりました。



電源トランスは最近の物に交換してあります。以前、改造してチューブを追加していたらしく、シャーシにチューブソケットの穴が残っています。



電源トランスがオリジナルのものより大きくなったために、キャビネットの上部を削ってあります。
プリ管は現在ムラードのECC83、パワー管はRCAのEL84を入れてあります。 音の良し悪しはサッパリ判りませんが、ムラードが入ってるというだけで何となく気分が良いです。


私、寿庵皆男は以前から「ライブでマーシャルを使いたいけどハコの大きさを考えると使えない」という悩みを抱えていました。 もしJCMのルックスが好きだったなら、音はともかくLEAD15マイクロスタックを使うという手も有ったと思います。 しかしピンスイッチのルックスが好きな私にはどうもあのルックスは馴染めません。
ああでもないこうでもないと考えてた時にたまたまプレキシの流れを汲むルックスを持つこの20Wヘッドを入手することができ、 私なりの40th Anniversary Modelとする事が出来ました。 まだまだこれからも試行錯誤は続く事でしょうが、これでとりあえず小さなハコでピンスイッチのマーシャルを使うというかねてからの希望が叶えられました。

え?無理にマーシャルなんか使わずにツィード・デラックス使えって?ごもっともです。(完)