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先月15日にご結婚された紀宮さまは鳥類の研究をされていたそうです。今月の特集は紀宮さまご結婚記念ということで、初期のFirebird III についての研究結果?をご報告いたします。 Firebirdが開発された経緯、各モデルの大まかな仕様については書籍等に詳しく解説されているのでここでは省略しますが、特筆すべき点としてはフェンダーのカスタムカラーに対抗すべく、発表時より10色ものカスタムカラーが用意されていたことです。上の画像ではホワイト・クリスマスにちなんでPolaris Whiteの'63年製Firebird III と同色の'65年製SGを並べてみました。 Firebirdシリーズは1963年の春に発表されたものの、同年10月まで本格的な生産は開始されなかったそうです。モデルバリエーションとしてI、III、V、VIIの4つのモデルが存在しましたが営業上の主力モデルは実際の出荷数(下記表参照)を見ても判るようにIII だったそうです。 |
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'63年製Polaris White 「GIBSON ELECTRICS - THE CLASSIC YEARS」によると最初に出荷されたFirebirdのシリアルは131000番台だったそうです。このPolaris Whiteのシリアルは1409xxで、最初期に出荷された内の1本であると思われます。そのため完全な'63年仕様です。(2ピースネック、no-bird) |
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'64年製sunburst このサンバーストのシリアルは1677xxで、9ピースボディ、鳥マーク入りピックガードの64年仕様です。 シリアルナンバーの何番からが'64年仕様になるのかはっきりとした事は判りませんが、155000番台では既に'64年仕様になっているという事だけは確認出来ています。 |
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左)'63年製Polaris White 右)'64年製sunburst 画像では判りませんが、良く見るとネックのボディとの接合(スルーネックなので実際には接合してませんが・・・)位置が異なります。左の'63年製は19フレット付近からネックが出ていますが、右の'64年製では18フレット付近となっています。 ボディデザインに関してFenderのJazzmaster/Jaguarとの類似性の有無についてよく議論されますが、確かにネックを起こした状態で構えた時に視覚的に安定するデザインという意味では共通していると思われます。 |
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左)'63年製Polaris White 右)'64年製sunburst ボディ裏側には体にフィットするようにコンターが付けられています。 多くのGibsonギターが年式によってネックのヒール形状が異なりますが、Firebirdも例外ではないようです。左の'63年製では丸く加工されているのですが、'64年製では若干直線的に台形のように加工されています。また、ネック付け根のストラップピンの有無については諸説ありますが、オリジナル状態で付いている個体と付いていない個体が存在するようです。右側のsunburstの塗装は表面だけで、裏側は所謂ダークバックになっています。 |
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左)'63年製Polaris White 右)'64年製sunburst トラスロッドカバーを外してみると、左の'63年製ではトラスロッド位置が若干ナット寄りとなっています。ネック付け根の位置の違いがここに現れてくる訳ですね。 |
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上)'63年製Polaris White 下)'64年製sunburst トラスロッドカバーのGibsonロゴは'63年製ではシルク印刷ですが、'64年製ではプレートに型押し後塗装されているようです。 '64年製は「型押し後塗装」ではなく、ピカピカの箔(薄い膜)を雄型に付け熱で圧着させる「箔押し」という方法で製造されているのでは?とのご指摘を受けました。当方でも調査したところ、確かにホット・スタンプと記述されている資料がありましたので「箔押し(ホット・スタンプ)」と訂正させて頂きます。(05/12/13追記) |
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左)'63年製Polaris White 右)'64年製sunburst Firebirdのコントロールノブは、上左側がリアvolume、上右側がフロント volume、下段がそれぞれのtoneという変則的な配置になっています。Firebirdを初めて使用する場合はこの配置を意識しておかないと、リアピックアップが壊れていると勘違いするかも知れません(笑)。 |
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左)'63年製Polaris White 右)'64年製sunburst ピックアップキャビティとスイッチへの配線用の溝です。ギブソンの恒例によりシールド線が必要最低限の長さにて配線されているため、ピックアップを裏返す事が出来ません。 ブリッジにはTPBR8513が使用され、spacer base vibratoが標準装着されています。 |
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上)オリジナルTPBR8513、下)Historic collectionのTPBR8513 TPBR8513にはイントネーション調整用の階段状の突起があります。上のオリジナルでは3弦の位置が巻き弦用に設定されていますが、下のHistoric用は実用性を重視しプレーン弦用に変更されています。重量は全く同じ65gです。 |
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Firebird用として開発されたピックアップ、PU-720の裏側です。mini-humbuckerそのものは1959年にEpiphone用として開発され、SheratonやRivieraに搭載されていました。PU-720は各々のボビン中央にアルニコ・バー・マグネットが差し込まれているのが最大の特徴で、ポールピースが存在しないのですが、Epiphone用のピックアップベースとボビンをそのまま流用して作られているため裏面にはポールピース用の穴が空いています。また同時期のレギュラーサイズハムバッカーと共通のPATENT No. 2.737.842 のデカールが貼られています。 直流抵抗値は、P90やPAFが8.0kΩ前後だったのに対してPU-720は6.0kΩ程度しかありません。これは各ボビンに巻かれているコイルのターン数がレギュラーサイズの約5000に対して小さなボビンのミニハムが約4250と少な目である為ですが、奇しくもストラトキャスターの直流抵抗値と同様の値になっているところが大変興味深いです。 ボビンに差し込まれているアルニコマグネットの寸法を計測したところ、長さが51.6mmで'61年以降のPAF等に使用されていたM56より短いということが判りました。(2006/07/21追記) |
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Firebirdのスイッチキャビティとコントロールキャビティ内側にはノイズ対策のため導電塗料が塗られています。開発するにあたって、キャビティ内側を全面的に覆うバスタブ型のシールドプレートを採用していたJazzmasterを意識していたのではないかと推測されます。
スイッチはswitchcraft製です。スイッチからコントロールキャビティへの配線は3芯シールド線が使用されており赤がフロント、白がリア、黒がジャックへと繋がっています。アース効果を確実にするためにアース線がラグ板を介してスイッチキャビティ側面にネジ留めされ、ピックガードの裏側のスイッチ付近にも導電塗料が塗られています。 |
| この個体だけだと思われますが、'63年製Polaris Whiteのキャビティ上側のルーティング形状が'64年製とは異なります。そのため普通の形状のバックプレートではカバーしきれないので、バックプレート自体がその形状に合わせて作られています。初期ロットならではの、現物合わせの作業が行われていたのでしょうね? |
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左)'63年製のSCREW 右)'64年製のSCREW (ロッドカバー、ピックガード、バックプレートの順) 左端のロッドカバーの取り付けネジは非常に短い特殊なもので、無くすと大変なので取り扱い注意です。'63年製と'64年製ではピックガードの取り付けネジが異なり、'63年製はバックプレートのネジと共通ですが、'64年製には少し長いネジが使われています。バックプレートのネジは長さは同じものの左の'63年製では木ねじ、右の'64年製ではタッピングスクリューが使われています。 |
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左)'63年製Polaris White 右)'64年製sunburst 左の'63年製のPOT Dateは1376333、つまりCTS社63年33週製造ですから8月製造です。仕様が完全に固まる前の個体だからなのか、キャパシターはセラミックではなくブラックビューティーが付いています。しかし配線を見ると浅いキャビティ内での取り回しに相当苦労したようで、ギュウギュウ詰めにされているという印象を受けます。その後小さなセラコンが採用された理由が良く判ります。 右の'64年製のPOT Dateは1376343ですから10月製造のPOTです。POT Dateから判断すると63年製と言えなくもないですが、POTはあるロット単位で仕入れているためギターへの組み込みは64年に入ってからの可能性が高く、ギブソンのDATING CHARTで該当シリアルを見ると64年出荷になっています。 |
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Firebirdのキャビティ内でひときわ目立つのは黒い小さなCARTER製ジャックです。ナイロン部分と黒いプラスチック部分、そして金属部分から構成されており一般的なswitchcraft製ジャックより背が低いのが特徴です。
Firebirdには63年の発売当初からCARTER製ジャックが採用されていたようですが、SGに採用されるようになるのは65年以降のようです。 しかし、実際にはFirebird III ではswitchcraft製でも問題はなく、本当にCARTER製ジャックを必要としていたのはテーパー状に薄くなったボディの端にジャックがあるFirebird I のみだというのは以前のアレン・コリンズ追悼Firebird特集でご説明した通りです。 CARTER製ジャックのスペアパーツは無いものかと物色していたところ、1970年代のUSA製のSTOMP BOX(Thomas製のWah等)にCARTER製ジャックが付いているのを発見しました。右の画像上側がFirebirdに付いているCARTER製ジャック、下側は1970年代のUSA製のSTOMP BOXに付いているCARTER製ジャックです。 一見すると全く同じモノなので、これはFirebirdに流用できるかも知れないと思い、試しに70年代のThomasワウから拝借してFirebirdに取り付けようとしたところ、STOMP BOX用のジャックはナットを取り付ける為の首の部分が短いためFirebirdには取り付けられないということが判りました(残念)。 |
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左)90年製C/S Firebird I 、右)99年製ヒスコレ Firebird I 90年に発売されたカスタムショップ製のIや、ヒスコレのIのジャックはどうなっているのかbirdmanさまに調べて頂きました。すると、驚くべきことにどちらもCARTER製ジャックが装着されているという事実が判明しました。 やはりswitchcraft製ジャックでは問題があるため、デッドストック?のCARTER製を使わざるを得なかったんでしょうね?(05/12/30追記) |
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今回はOriginal Firebird III 特集ということで'63年製と'64年製の2本のFirebird III をご紹介しました。 オリジナル ファイヤーバードは発表後僅か2年間ほどしか生産されず、1965年の夏にはセカンド・バージョンであるノン・リバースモデルに切り替わってしまいました。 original Firebirdの最終シリアルが何番であるという正式なデータは確認できていませんが、痴バーズのミックさんがLefty用ネックのtransitional Firebird III (s/n 3133xx)を所有されていることから 310000番台付近ではないかと推測されます。 |