超自己満足歩度調整

 

ファイブのうれしい点としましてはお求めにな り易い価格にもかかわらず、

一日当たりの時間の誤差(以下日差)が以外にも少なく正確。

故にスイスのクロノメーター級の時計ブランドをこき下ろすファイブマニアを某掲示板でお見受けします。

私も以前に平置き状態でストップウォッチ計測した際には日差+0.5秒をマークしました。   

正直、ありえないと思いますた。

が、この眼で確認できたのはストップウォッチで計測した日差のみでした。

んじゃ、本当にファイブって凄い精度を誇る凄い時計なのかということで実験です。

実験に使用するのは今を遡ること40年ぐらいの半ビンテージな歩度測定器です。

歩度測定器は時計の機械の状態、精度を目で確認する為の機械です。

現在販売されている新型の測定器はスイス製で40マソ近く。

40マソ近くのスイス製を中国人(香港人)が中華思想で編み出した最新型で10マソぐらい。(FOB価格6マソ)

趣味で40万円の測定機器を買える気合の無い私は日本製の真空管式とトランジスタ式を併用してます。

流石に本職の方は真空管式を現役で使用されては居られませんが、トランジスタ式はまだまだ現役です。

因みにトランジスタ方式の日本製を中華パワーでICチップにぶち込んだ、

グラフ表示は無い”歩度モニター”をメインに使用してます・・・・。(でも使えますよ)

 

左)真空管が点灯してます。キレイですね 右)中華人民共和国製の”タイムモニター”w

お気に入りの真空管式測定器は電源を入れると真空管がオレンジ色に点灯し、使用可能まで30秒程待たされます。

こちらの真空管式歩度測定器でロレの1570を調整した際には見事な微妙に右向きの一本線が現れました。

精度が出ている機械は見事に中央に綺麗な線が走ります。(新型スイス製グラファーの液晶モニターも同じ表示です。)

もし、ファイブの精度が高いなら同じく用紙中央に綺麗な線が走ることでしょう。

 

ということで実際に腕に装着していたファイブを測定にかけてみました。

先ずは平置き、ふせ置き、横置きの3姿勢で計測してみます。

日常生活程度の巻上げではふせ置きが一番精度がでていました。(測定値+30秒程度)

次に平置き、ふせ置きの2姿勢でフル巻上げ状態で測定してみました。

すると今度は平置き状態の姿勢がふせ置き状態より精度があがりました。

以前から時計職人の方が仰せられる通りにやはり巻き上げトルクによる精度のバラつきがあるようです が、

日差の変化は5秒以内程度でした。

 

 

今度は気温の変化による精度の変化を実験してみました。

ひげゼンマイは金属でできている為に、電車のレールと同じく気温の変化で伸縮します。

気温が高いと金属は伸びて、気温が低くなると縮みます。

ゼンマイが伸びるとテンワの振り角が大きくなり遅れます。縮むと振り角は小さくなり進みます。

もちろんひげゼンマイの材質も進歩していますので、大昔の物より伸縮量は大幅に少なくなっています。

 

冷凍庫に小一時間放置して冷え切ったところで測定します。

取り出したファイブには氷が張り付いていましたが、裏蓋から覗く機械には変化は見られません。

防水機能が低下した時計でしたら外に出した時に内部が結露します。

 

流石はファイブだ。冷蔵庫に入れてもびくともしないぜw

 

測定してみたところ日差は若干進んでおり、精度に大きく乱れがでているのが確認できました。

下が冷凍後です

 

では、中国の工場で人民工員さんが最終調整した機械をモニターとグラファーを駆使して更に精度と日差を追い込んでみます。

ファイブの日差の調整に精を出す愛すべきファイブマニア の方もご周知のとおり、

ブリッジに刻印されたプラスマイナスの印を目安に超微妙にアオリを弄るのですが、

アオリの下にはまっているヒゲモチを弄るとビートが狂いますので注意です。

調整の際には乙の溝にピンセット等を差込み、甲の三角形の頂点を基準にします。

入手したファイブはすでに最終調整がされているのですが、

既にアオリがプラス方向に30パーセントぐらい進んだ状態になっていました。

これを±0に戻した状態でヒゲモチを弄ってビートを合わせます。

中華タイムモニターで計測したところモニター数値が−1006ピッタリに収まれば合格なのですが、

数値は−995から−1014の間を行ったり来たりと安定していませんでした。

グラファーに掛けると点がバラバラに表示されてビートが狂っている状態になっていました。

この数値からズレが無いほど精度が良いです

 

ルーペと極細ピンセットを駆使して息を止めて微妙にヒゲモチを動かして、

グラファーに線が出るように作業していきます。

左から徐々に追い込みをかけていきました。

ビートが合ったら今度はアオリを動かして日差を調整していきます。

あまりに誤差が大きい場合にアオリを大きく動かすと、今度はビートがズレはじめてしまいます。

できる限り綺麗な線が出るように調整してみたものの、写真の線が限界のようです。

日差はおおよそ+10秒程度が期待できそうです。姿勢差による精度の誤差は調整では修正できません(写真参照)。

フセの状態で追い込みを掛けましたので、平置きと精度の違いがグラフに出ています。

あまりに±ゼロに近づけすぎると11時から2時頃のカレンダーの切り替わり時の負荷がかかり遅れてしまい、

その遅れを取り戻すことが出来ずにトータルでみると遅れてしまうので注意です。

結構グラフ用紙を消費します

 

最終的には実測して日差を目で確認して、狂いが自分の許容範囲に納まれば終了です。

不服な場合は上記の作業からやり直しますので、結構時間がかかります。

 

実際に弄って調整してみた感想は、スイスのETA6振動と同等といったところですが、

手を入れていないストックの状態ですとETAの方が最終調整がされているのでは?と思います。

んが、耐久性(故障頻度)は手巻きの無い7sの方が優れていると自身を持って言えます。

いずれにせよ、7Sのコストパフォーマンスは最強である事は揺るぎないと思った今日この頃ですw

 

 

 

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