萃香による幻想郷の愉快な連中を巻き込んだ宴会騒ぎから数日後。
 博麗神社での宴会はというと……実はまだ普通に、自主的に続いていた。

 お祭り大好き、陽気な事が大好きな面々が集まってのどんちゃん騒ぎ。
 だが萃香はある事に不満があった。
「あんたんとこの病弱っぽい魔女、ここんとこずーっとご無沙汰なんだけど〜。なんで出てこないわけ?」
 引き篭もり気味でさっぱり姿を見せないパチュリーにご立腹の萃香。
「そうだな……押してもダメならさらに押してみろって格言もあるぜ? いっその事、かっ攫うなんてのもありかも……なんてな」
 だが、そんな萃香に魔理沙が冗談を言ったところ。


「それだ! よし、さらっちゃおっと!」


 萃香さんが本気にしちゃったから、さあ大変。
「うふふ、面白いことになってきたじゃない。実は私、今とっても面白い事を思いついたのよ。聞きたい? 鬼に攫われて捕らわれになる少女……と来れば、やっぱり助けを求めるお姫様と、それを助けに行く主人公ってのが古今東西のお約束でしょ」
 そして、幻想郷最大の困ったちゃん、紫が事態をさらにひっかき回す。

「そ・こ・で。一つ、ここにいる全員でちょっとした遊びをしてみない? お姫様や鬼はもういる事だし、お姫様を助けに向かう主人公を皆で妨害するのよ」
 紫の提案した余興に、元々バカ騒ぎの大好きな連中は一も二も無くとびついた。参加を渋るものも多かったが、色々あってふと気が付くとほぼ全員が加わる事になり、何の因果か主人公にマリサが抜擢。


■第一ステージ (平原)

「はる〜、春ですよ〜っ」
 一年中頭の中身も春の春妖精、リリーホワイトがふよふよと上下に揺れながら飛んでいた。何故か亀の甲羅に身を包み顔だけひょこっと出したアレな姿だが。
 そして対岸の近くでクルクルと旋回しながら、騒がしく飛び回るミスティアの姿もあった。こちらは頭に栗の飾りらしき物がついている意外、普段と変わらない。
「むーかーしギリシャ〜のイカロスは〜。蝋でかためた鳥のはね〜〜♪ さあここは私達が通せんぼよ、悲劇的な結末になりたければ来なさいっ」
 その歌に沿うんなら、悲劇的になるのはそっちだろ……と突っ込む前に、マリサの脳裏に名案が浮かんだ。
 ポンと軽く手を打ち、マリサは下がれるだけ後ろに下がり一気にダッシュする。
「橋が無きゃ手近な物を橋にしろ……ってな。てりゃぁー!」 


■第二ステージ(おばけ屋敷)

「パチェの言葉が正しけりゃ、前を向いていれば襲ってこないんだよな。って事は……」
 物は試しとばかりに、後ろを向いてすぐマリサが振り返ると、幽霊達が少しだけ自分の側に寄って来ていた。
 その様子を見て、何かがピンと来たのかマリサがパチンと指を鳴らす。
「こいつは遊べるぜ。……だーるまさんが……こ〜ろんだ」
 くるっと振り返ると、先ほどよりも幽霊達が近づいてきていた。しかし、目を合わせて前を向いている限りは、目を押さえてピクリとも動かない。
「おし、二回目だ。だーるま……さんがころんだ!」
 掛け声の後半を一気に高速で捲し立てて再度振り返る。
 先ほどよりも距離を詰めた幽霊達が浮かんでいた。が、幾つかは止まり切るのがしんどかったのか、ピクピクと体を震わせている。
 ふっふっふ。思ったより頑張るな、だがこれはどうだ?


■第三ステージ(砦)

「本来だったら紅魔館は広大で、徒歩じゃあ侵入者が容易に奥まで辿り着けはしない。けど、今回はゲームだからね。多少謎解き要素を入れたけど、それが解ければ一番奥まで辿り着けるようにしてあるから安心しなさい」
「へー。そりゃあ親切設計ご苦労様だぜ」
 皮肉っぽくマリサが言う。咲夜の言葉は裏を返せば、謎が解けなきゃ永遠に辿り着けないと言われたような物だ。
「出血吸血大サービスなんだから、もう少し感謝して欲しいもんだけど。まあ良いわ、説明は終わり。後はお嬢様からの言葉があるから、心して聞くように」
 そして咲夜はおもむろに懐から一枚の紙を取り出して読み上げる。



 などなど……砂漠や湖、暗黒世界など数々のステージと行く手を阻む障害を乗り越え、悪い鬼『スイカ』によって捕らえられた『パチュリー姫』と、支配されたキノコワールドを救う為に、立ち上がったマリサ(他一名)の冒険が、今……始まる……!


本文・企画 はね〜〜
表紙・挿絵 みょんでさん
ゲスト    SHOさん

頒布場所 つ-17a Feather's Snow
ページ数  186P/文庫(カラーページが1Pあります)
頒布価格 大コイン1個(500円)
委託価格 700円(税抜)


委託ショップ(以下の4店舗です)




 紙面を所狭しと暴れまわる、マリサの活躍をどうぞお楽しみに〜。
 なお、念のため。この本は完全無欠、どこからどう見ても健全本です。





 健全本ですからねっ!!(ぉ)