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第2回 計算100考察


はい、第2回は「脳を鍛える大人のDSトレーニング」の「計算100」についてです.
第1回からずいぶんと時間が経っているのでこのままコラム自体が消えてなくなるんじゃねえ? と思っていた方、私自身も同じ思いでした(笑).

2006年2月27日現在、私ドップは計算100(難しい)で「56秒38」の記録を出しています. 他の人の記録をネットで調べてみたのですが、どうも上手く検索できませんでした. 唯一、それっぽい報告がなされているのが、私自身も書き込んだ「にゅすけ的やり込み攻略」です. ここではグルさんという方の50秒台、にゅすけさんの知人の54秒台という記録があります. にゅすけさんも56秒26の記録を報告されていますので、私の記録は4番目ということになります(別名、最下位とも言います). 要は「自慢できるほどの記録ではないがそれなりに速い」ということです.

さて、本コラムは実は56秒台が出たときに一度書こうと思ったのですが、ちょうど次の日くらいにグルさんの記録を見てしまったので書くのを辞めたのです. しかしもうじきDS Liteが発売になります. Liteはペンが一回り大きくなるらしいので、これまでよりも大幅なタイムの向上が期待されます. 私の記録が「それなりに速い」間に、やはり何か書いておこうと思った次第であります.

本コラムですが、あくまで計算100に対する 「考察」 ですので、これを読んだからといって計算100が速くなるというような性質のものではないということをお断りしておきます.


ペンの持ち方

DSに付属されているペンは日常生活で使うペンよりも短く、細いという特徴があります.
まずは、このペンの「持ち方」、それに伴う「字の書き方」について考えてみたいと思います.

まず最初に紹介するのは「鉛筆持ち」です(図1).

鉛筆持ち

普段鉛筆やペンなどを持つときと全く同じ持ち方となります. 最もオーソドックスな持ち方であり、この持ち方でプレイされている人が多いのではないかと思われます. この持ち方は 「ペンの形状を一切考慮しない」 というスタイルであり、普段と同じ書き方でプレイできるという利点がある反面、DS特有の”細くて短い”という影響を最も受けてしまう持ち方であるとも言えます.

次に紹介するのは「チョーク持ち」です(図2).

チョーク持ち

みなさん誰しも、学校で先生に当てられて黒板に答えを書きに行った経験はあると思います. どうだったでしょうか. ずいぶんと書きにくくて戸惑ったり、席に戻って見てみると、普段ノートに書いている字とは全く違ったものになっていたり、字がどんどんナナメになっていったりしたことはないでしょうか? そう、チョークという普段とは違った大きさ、長さの物を持って、普段とは違った角度に文字を書くというのは、実は結構難しいことなのです.

その一方で、先生方は普段どおりのきれいな字を書かれています. この違いは何なのか? もちろん経験がなせる技なのですが、先生のチョークの持ち方を見てみましょう. 多くの先生が鉛筆を持つような持ち方ではなく、図2のような持ち方をしていることに気がつくかと思います. 「大人のDSトレーニング」ですので、もう働いていて学校にはいない、という方はホワイトボードとかないでしょうか. もしあったらホワイトボード用のペンを使って書いてみましょう. 図1の鉛筆持ちよりも、図2のチョーク持ちの方がはるかに書きやすいことが実感できるはずです.

さて、このチョーク持ちで書くとどのように書き方が変わるか. 実践してみれば分かることですが、手首 (特に人差し指) を動かすことができません. 文字は腕を動かして書くことになります. この持ち方の利点としては、ペンの長さや形に影響を受けないです. しかしやはり黒板やキャンバスのような比較的大きなフィールドに用いる書き方ですので、DSのような小さなスクリーンに書くにはどうしても不慣れなものになってしまいます. 特に 5 などは非常に書きにくくなるように感じられます.

この2つの持ち方を比べてみると、

鉛筆持ちでは   持ちにくい 代わりに 書きやすい
チョーク持ちでは 持ちやすい 代わりに 書きにくい
   となります(図3). 

持ちやすさと書きやすさの相関

ではその中間、つまり「そこそこ持ちやすく、且つそこそこ書きやすい」というペンの持ち方は無いもんでしょうか. いまのところ、この問いに対する明快な解答は得られていませんが、一例を挙げてみたいと思います.

私は普段は鉛筆持ちで始めることが多いのですが、プレイしていくうちに勝手に 図4 のような持ち方に変わっていることがあります. 持ち方としては鉛筆持ちのまま、腕を(右利きなら)反時計回りに90°回転させたような感じです. つまり、手先は鉛筆持ちのままなのですが、チョーク持ちのような姿勢にするわけです. 特に名前は無いのですが、ひとまず「混成持ち」と名付けておくことにします.

混成持ち

この持ち方でチョーク持ちと同じように腕全体を使って数字を書いていきますが、チョーク持ちとは違ってペンが人差し指に平行ではなく、クロスしてくれているため、ペンの逃げ道を作ってやることができます. つまり、必要なときには指を曲げて書くことができるのです. これによって、チョーク持ちでは結構難しかった 5 などは随分と書きやすくなります.

いかがでしょうか. いままで鉛筆持ちだけで書いていた方、あまり記録が伸びないようなら少しペンの持ち方を考え直してみてはいかがでしょう. もちろんLiteが発売になればペンの持ち方に関する悩みは随分解消されるのでしょうが、このゲームは「脳を鍛える」ことが目的です. ペンの持ち方一つでもいろいろ考えてみることが脳の活性化につながるかもしれませんよ.


本体の持ち方

次は本体の持ち方です. これはあまりいろいろな手段が無いので、目的さえはっきりしていれば後は何でも良いと思います. 目的、つまり本体をきっちりと支えることです.

できるだけ普段字を書くのと同じ状況を作り出すことが重要です. 机に置いてしまって、左手で動かないように固定するという感じが良いでしょうか. 私は机に置かないので良く分からないのですが、とにかくプレイ中はどうしても力が入ってしまいますので、本体が動かないことが大切です.


実際のプレイ中の注意

まずは計算に集中できる環境を作りましょう. 当然周囲はできるだけ静かなことが望ましいです. テレビつけたままとか、音楽を聞きながらなどという怠慢な態度では記録の向上は望めません. ちなみに私は一度、近くにつけていたパソコンのファンの音が気になって消した覚えがあります.


数字の認識

あとは自分の計算力を総動員して、できるだけ早く解くだけです. しかし、ここに最大の問題が潜んでいます. 数字の認識です. 当然のことですが、数字の認識はコンピュータが行いますので、たとえ人間が見れば認識できるものでも、書いてみると認識してくれなかったり、違った数字に認識されることが多々あります. ここではそれぞれの数字の認識によるミスを紹介します.

「0」
意外な難敵です. 完全に書けているつもりでも、コンピュータが ? を返してくることがあります(6だと認識されてしまうこともあるにはありますが、非常にまれです). あまりに単純すぎる数字であるために、なかなか気をつけにくい厄介者です.
「1」
これはさすがに認識されないことや誤認識はありません. 縦線を引くだけでちゃんと認識してくれます.
「2」 「3」
単独で答える場合には大丈夫です. しかし27とか36といったように2桁の答え(とくに10の位)として書く場合には「7」と誤認識されることがあります. 「2」では下の横線が短いとき(図5)、「3」では縦長になると(図6)、この認識ミスが多いように見受けられます.
2の失敗例 3の失敗例
「4」
横着しなければ誤認識されることはありません. どうやっても2画で書くことになりますが、無理して1画で続けて書いてしまうと「6」などに認識されることがあります(図7). ま、これは当然の報いです.
4の失敗例
「5」
ペンの持ち方で述べたように、チョーク持ちでは結構認識されにくいです. 理由は下の丸い部分が上手く丸められないこと(図8).
5の失敗例
「6」
まず大丈夫です.
「7」
これも意外な難敵です. どうしても急いで書いていると右上の角が丸くなってしまいがちです(図9). そしてこの丸みが「9」や「2」と誤認識されてしまいます. ちなみに答えが7の場合は「11」と書いても7に認識され、正解になります(図10). 誤認識を逆手に取ったやり方ではあるのですが、「答えが7なのに11と書く」という頭の回転が求められます. この違和感を乗り越えられるなら有効な技かもしれません.
7の失敗例 11でもOK
「8」
私にとっては最大の難敵です. どうも私は普段から8を書くときは右上を閉じない癖があるようです(図11). そして、コンピュータはここをチェックの要にしているようです. いまだ解決法は見出せていません. 一応8が出てきたら、ちゃんと見ながら書くようにはしていますが、いまいち効果は出ていません.
8の失敗例
「9」
8とは違って、丸の部分がちゃんと閉じていなくても認識してくれます. しかし限度はありますので、あまり適当に書きすぎると「7」とか「1」とか「2」などと間違われてしまうこともあります(図12).
9の例

文字の認識に伴う失敗例

文字の認識は、それ自身が大きな問題であるのですが、それ以外にもいろいろなトラブルを引き起こします. いくつか例を紹介したいと思います.

タイムラグによるミス
文字が上手く認識されなかった場合、たとえ最終的に正解と認識される場合でも、少しタイムラグが出ます. しかしプレイヤーはいちいちそんなことを確認していられない状況です. 多くの人は、答えを書きながら次の問題の答えを考えているというプレイスタイルであるはずです. まだコンピュータが答えを処理できていないのに次の答えを書き込んでしまってぐちゃぐちゃになるというミスです. この場合、答えを一旦消して前の問題からやり直すという作業が必要になりますが、一度リズムが崩れてしまうと立て直すのは非常に難しいです.
ミスが誤認識によって正解になるミス
例えば「48 / 8」が出たときに、間違って「8」と書いてしまい、更に書きながら間違いに気付いたとします. こんな時は往々にして、ある程度崩れた数字になります. これによって間違いであるはずの8が正解の「6」に認識されて正解になってしまうことがあります. プレイヤーは間違った答えを書いてしまったわけですから、あわてて書き直そうとします. そして正しい答えを書くのと同時に正解判定が出てしまい、その次の問題に「6」を書き始めてしまうわけです. これは一瞬では何が起こったのか把握しにくく、リズムが崩れてしまいます.
書き終わる前に正解認識されてしまうミス
これは例が出しにくいのですが、「14」が答えだったとしましょう. 急いで書いていますので、ある程度字は崩れがちです. すると14を書いている過程で、図13のような状況になります. この図13は4の1画を書ききった状態で、今から2画目を書くつもりなのですが、何かのはずみで図13だけで正解の「14」と認識されてしまい、次の問題にいってしまうことがあります. このときもさっきと同じように、次の問題に前の問題の答え(の一部)を書いてしまうことになり、リズムが崩れます.
書ききっていないのに正解になる

リズムの重要性

みなさん、計算100で最も出て欲しくない答えは何でしょうか?
64、56、28、48? ...うん、確かにどれも嫌ですね. 私も嫌です. しかし最も出て欲しくない答えは彼らではありません. 私が最も出て欲しくない答え、それは 「1」 です.

64や28などの数字は確かに非常に書きにくいです. これが出ただけで1秒くらい時間がかかっているようにさえ感じられます. その一方で「1」は全く書くのに時間がかからない、本来ならば最も楽で、出てきてもらいたいはずの数字なのです. なのになぜこれを嫌がるのか?

その理由はリズムです.

上にも述べたように、プレイ中は答えを書きながら次の問題を考えているという、2つの作業を同時にしている状況になります. 2つの事を同時にするのですから、当然どちらかが先に終わり、遅い方を待つことになります. 通常の場合だと計算が先に終わり、書くのが遅れます. つまり、「書くことが律速」になっているのです. これはたとえ64や28が出てきても変わることはありません.

しかし「1」が出た場合はどうでしょう. あまりにも書く時間がかからないために、普段は負けているはずの「書く」という作業が「考える」作業に勝ってしまうのです. つまり、答えが1であった場合、その次の問題は普段とは異なり、「考えることが律速」になってしまうのです(図14).

1が出てくることによる律速段階の切り替え

そしてその問題を書き終えると、また次は普通の問題が出てくる. 「書くことが律速」に戻るわけです. このような律速段階の切り替えに脳が追いつかなくなってしまうわけです.
みなさん、1問目を解くのってずいぶん時間がかかりませんか? あれも「何もしていない状態」→「計算をする状態」に脳を切り替えるのに時間がかかっているのです.
先に述べた失敗例の要因は何だったでしょうか. リズムが崩れることでした.  「1」がでてくることによってこのリズムの乱れが生じてしまうのです. このような理由で、私は「1」を最も嫌うのです.


おわりに

いかがだったでしょうか. Liteの発売に間に合うように慌てて書いたものなので、だいぶ構成がいい加減ではありますが、一応伝えたかったことは書いたつもりです.

Liteが出て、ペンが新型になったら記録の更新も相次ぐことだと思います. 新しいペンですか? どうしよう. 悩むところですが、多分買わないと思います.
どうもやりだすと止まらなくなってしまって、毎日計算100のために30分くらい使っている状況です. このまま新しいペンまで買ってしまうとホントに大幅な記録更新が達成できるまで止められなくなってしまうので.

それでは本コラムはこれにて終了とします. お付き合い有難うございました.

参考

本コラムの作成に当たって、以下のサイトを参考にさせていただきました. 有難うございました.

にゅすけ的やり込み攻略
計算100のタイム報告を参考にしました.

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